HTTP1.0がRFCで策定されたのは1996年ですが、欧州原子核研究機構(CERN)のTim Berners-Lee(ティム・バーナーズ・リー)氏により最初にプロトコルが開発されたのは1989年でした(システム提案時の資料 Information Management: A Proposal)。同氏は、HTTPが実際に動作するシステムとして、1990年にCERN httpdというWebサーバを、1991年にWorldWideWebというWebブラウザ兼HTMLエディタを開発・公開しました。このとき、Webはまだ文章(主に学術論文)にリンクを付け加えた程度の機能しか有していませんでした。
それに画像表示の機能を付け加えたのが、1993年にリリースされたNCSA MosaicというWebブラウザです。NCSAとは米国立スーパーコンピュータ応用研究所のことです。同年にNCSAはWebサーバNCSA httpdも開発しました。これにはCGI(Common Gateway Interface)やSSI(Server Side Include)という機能が実装されて、プログラムによるWebページの生成が可能になります。これらの登場と、インターネットの商用利用の解禁(1990年)という動きもあって、Webは一気にユーザー数を増大させていきます。