永い間テストに従事していると、
たとえば
- 目の前に
「ボタン」 があると押したくなる。特に2つ以上あると、 同時押しをしたくなる。 - 製品を買っても、
常にエラーケースを考えたり、 エラー操作をしたくなる。 - いつでも再現確認できるように、
操作手順を覚えている。 - カタログのスペック表をずーっと見ていられる。
……等々。
今回は、
“真(円)”を追求する
いつも通りに筆者が同僚のM氏とテストを実施中、
- 筆者:
- 「何しているの?」
- M氏 :
- 「今日は、
Circleコマンド (円表示) のテストだから、 表示の確認だよ」 - 筆者:
- 「(筆者がトレーシングペーパーを指差しながら)
それは?」 - M氏 :
- 「真円に見えないんだよね。だから、
これに写して確認しようと思って」 - 筆者:
- 「全部のテストをそうやっているの?」
- M氏:
- 「Line
(線表示) もTriangle (三角表示) もやったよ」 - 筆者:
- 「おみそれしました」
トレーシングペーパーをとった結果は、
思い込んだらダメ
ある音楽プレーヤーをテストを実施している現場を訪問したときのことです。
- 筆者
- 「テストは順調ですか?」
- H君:
- 「だいぶ製品として安定してきました。音楽の単独再生は、
問題なくなりました」 - 筆者:
- 「で、
今は何のテストなの?」 - H君:
- 「ランダム機能で、
指定された曲がランダムで再生される確認です」 - ……筆者もテスト機の音楽プレーヤーを受け取り、
再生してみました。 - 筆者:
- 「同じ曲が連続して再生されるようだけど」
- H君:
- 「えぇ、
選曲がランダムですから、 たまたま連続に再生していると思います」 - 筆者:
- 「ランダムといってもねぇ、
これ問題ない?!」
仕様ではランダム機能は、
神の手を持つ男
「彼の手にかかれば、
- 筆者:
- 「この不具合の手順通りやっても、
再現できないよ」 - Iさん:
- 「ほら、
こんな感じでやれば……はい、 出ましたね。」
(本当に再現するんです) - 筆者:
- 「えーと、
手順は間違っていないよね」
(筆者が再現手順を繰り返すと) - Iさん:
- 「だから、
ほらココ。1秒間に正確に7回キー入力して」
(Iさんは、いとも簡単に不具合を再現しています) - 筆者:
- 「いや、
無理だからそんなこと」
Iさんは、
こんなテスト担当者はイヤだ!
情報系の業務アプリケーションのテストプロジェクトに参加したときのことです。
- 筆者:
- 「登録者の人数の積算が期待値の通りにならないのですが」
- Y氏:
- 「あっ、
それね。そのままでいいから」 - 筆者:
- 「?? どうしていいんですか?」
- Y氏:
- 「DBの仕様の問題だから、
報告しても開発者にはどうしようもないから」 - 筆者:
- 「このまま、
放置もできないでしょう」 - Y氏:
- 「あんまり重要な機能じゃないし、
修正されないから……」 - 筆者:
- 「……
(絶句!)」
テストプロジェクトの全てを
今回登場された人物は、
第5回は『楽をしたいから「人間力」で効率化!』
筆者は極端な面倒くさがり屋です。常に