前回までの連載ではDevOpsについて説明してきました。今回は趣向を変えて、今注目されているコラボレーションツール「Trello(トレロ)」についてお話をしたいと思います。
なぜ今回この話をするかというと、これまでの連載に「コミュニケーションの活性化」「情報共有の重要性」「カルチャーを変える」といったキーワードが出てきましたが、そのキーワードに当てはまるツールの1つが「Trello」だからです。Trelloは非エンジニアの方々にも簡単に楽しく利用できるツールなので、チームコラボレーションがしやすく、「カルチャーを変える」ということにも役に立つと考えられます。
それでは、「Trelloの基本的な紹介」と「Slackとの連携方法」などを紹介していきます。
Trello(トレロ)とは
Trelloは、ボードと呼ばれるカンバン方式のビューでカード(タスク)を視覚的に管理し、チームでの効率的なタスク共有を強力に支援するコラボレーションツールです。クラウドサービス型でスマートフォンやパソコンを使っていつでもどこでも簡単にアクセスでき、複数のチームメンバーが必要な情報を共有し、チームの誰もがタスクの進行状況をすぐに把握できます(図1)。
Trelloはタスク管理だけでなく「組織のメンバー業務役割」「好きなものリスト」「ほしいものリスト」「年代別や季節別のやりたいことリスト」「案件進捗管理表」など、発想しだいで幅広い用途で利用できます。世界的にも、Team Collaboration Softwareの分野ではリーダーに位置付けられているほど人気があります。
Trelloには、無償で利用できるFreeプランと有償のゴールド、ビジネス、エンタープライズの4種類のプランがあり、プランによって「機能」「セキュリティ」「認証」「利用できるアドオン数」に違いがあります。
Trelloの構成
Trelloは、チーム>ボード>カードという3階層構造となっています(図2)。ボード単位で、利用できるチームメンバーを選択したり、外部ユーザを招待したりすることが可能なため、チームコラボレーションを実現できます。
ボードの中のリストやカードは自由に作成できるので、自由な発想でさまざまな業務や用途に利用できます。
チーム
共同作業を行うためのチームを設定できます。チームを作成するには、Trelloの左上にある家マーク(ホーム)をクリックして「+チームを作成」というメニューをクリックします。
チームを作成すると「ボード」「メンバー」「設定」という3つのタブが表示されます。「ボード」ではチームが利用するボードの作成と管理、「メンバー」ではチームへのメンバーの登録や削除を行えます。また、「設定」ではチームの公開範囲(デフォルトは非公開)を設定できます。
ボード
ボードは「パーソナルボード(チームなし)」と「チームボード」の2種類があり、公開範囲としては「非公開」「チーム」「公開」の3つを設定できます。
なお、会社組織で利用する場合や重要な情報を取り扱う場合は、公開範囲を「公開」に設定してはいけません。「公開」に設定すると、Googleなどの検索エンジンにも表示されてしまい、誰でも情報を閲覧できてしまうからです。また、無償版を利用している場合は、Trelloを利用している見知らぬユーザを間違ってチームに招待してしまう危険性があることに注意してください。公開範囲の制限やチームメンバーの制限をしたい場合は、ビジネスプランかエンタープライズプランの契約が必要になります。
カード
「カード」はボードの中の「リスト」に作成します。リストは自由な発想で作成できます。たとえばリストを「ToDo」「進行中」「レビュー」「完了」などのプロセス管理として使ったり、各メンバーの名前で作成したリストに役割を記載したカードを作成することで全体を俯瞰した役割管理に利用したりと、発想しだいで用途を広げることができます。
以上、Trelloの基本を解説しました。後編ではSlackなどの他ツールとTrelloの連携方法についてです。
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