コレクターが独断で選ぶ! 偏愛キーボード図鑑

第11回自分好みの手幅でタイピングできる―Kinesis Freestyle2

本記事の内容はSoftware Design掲載当時の内容であり、現在では変わっている場合があります。

はじめに

今回はキーボードの真ん中あたりを境界に左右に分割されたキーボードを紹介します。キーボードを2分割することで、タイピングするときの左手/右手の置き場所がより自由になります。前回紹介したComfort Keyboard Originalは3分割されたキーボードでしたが、鉄板の上に固定する必要があり、自由度はその範囲しかありませんでした。今回紹介するKinesis Freestyle2写真1は、左右のパーツがケーブルでつながっているだけですので自由な位置取りが可能です。

写真1 Kinesis Freestyle2
写真1 Kinesis Freestyle2

Kinesis Freestyle2

Kinesis社が販売するキーボードです。Kinesisと言えば、コンタードキーボードが有名ですが[1]⁠、ほかにもいくつか種類があります。Freestyle2はそのうちの1つで、キー配列は普通の英字配列です。

特徴

次の特徴があります。

  • 左右に分割された形状
  • 軽めのキー荷重
  • 充実したアクセサリ
  • キーレイアウトは英字配列

キーボードはテンキーレスキーボードをちょうど真ん中から割ったような形となっています。分割された左右のパーツはケーブルでつながっており、その長さが9インチ(約20cm)のバージョンと20インチ(約50cm)のバージョンがあります。ケーブルは取り外しや交換ができないので、長い20インチのほうがお勧めです。もちろんキーボードを分割しないで使うこともでき、専用のフックで左右のパーツをつなげられます。このフックはキーボードの上部だけを止めるので、キーボードを扇状に配置できます写真2⁠。

写真2 左右のパーツをフックでつなげる
写真2 左右のパーツをフックでつなげる

タイピングの際には、手幅や腕が窮屈にならないように左右のパーツを離せば、ゆったりしたフォームを取れます。また、左右のパーツの真ん中にスペースが作れるので、そこにトラックボールやマウスのようなデバイスを置いたり、書籍を置いたりできます写真3⁠。

写真3 中央に書籍を置く
写真3 中央に書籍を置く

Freestyle2はメンブレンキーボードですが、タッチは軽めで長時間タイプしても疲れにくいです。よくあるメンブレンキーボードの場合、タッチは重めです。たとえばHappy Hacking Keyboard Liteだと約55gです。Freestyle2は軽く、約45gとなっています。これは、Happy Hacking KeyboardのProfessionalシリーズやメカニカルキーボードでよく採用されているCherry軸の中でも最も軽い茶軸や赤軸とほぼ同じ数値です。

別売ですが、アクセサリも充実しています。アクセサリは複数種類存在します写真4はVIP3アクセサリを付けたものです。パームレストがつき、キーボードに傾斜がついています。傾斜は、5度、10度、15度と変えられます。

写真4 VIP3アクセサリを装着
写真4 VIP3アクセサリを装着

その他のアクセサリとして、パームレストのみのPalm Supportsや、パームレストがなく傾斜をつける機能だけに絞った省スペースタイプのV3などがあります。

キーレイアウトは、普通の英字配列ですが、⁠Esc][Deleate]が大きいことと「Copy」「Cut」などのホットキーがあることが特徴です写真5⁠。左右のパーツを離さないでも使えるので、普通のキーボードと比較しても違和感なく使えます。

写真5 ⁠Esc]とホットキー
写真5 [Esc]とホットキー

なお、Freestyleシリーズには古いバージョンの「Freestyle」と最新バージョンの「Freestyle2」の2種類が存在します。Freestyle2が発売されたのは比較的最近で、古いバージョンのFreestyleもまだ販売されています。新旧の一番の違いはキーボードの厚さです。Freestyle2のほうが薄くなっています写真6⁠。

写真6 Freestyle2(上)とFreestyle(下)
写真6 Freestyle2(上)とFreestyle(下)

入手方法

Freestyle2はKinesis社の日本代理店である⁠株⁠エジクン技研もしくは日本のAmazon.co.jpから購入が可能です。値段は1万5,000円ほどです。旧バージョンのFreestyleも取り扱っていますが、在庫限りのようです。


今回はKinesis Freestyle2を紹介しました。分割キーボードは使用する際のハードルはかなり低く、用途もいろいろあるので、⁠一定数以上の需要がある」と筆者は思っています。しかし、実際は製品の種類があまりないのが現状です。とくに日本語配列のキーボードの種類が少ない[2]ので、手頃な価格で販売されることを願っています。

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