組込み教育委員会

3-2 組込み技術者試験制度(ETEC) 第3回

組込みソフトウェア技術者試験とは?

(社)組込みシステム技術協会(JASA)が2006年11月からスタートさせた「組込みソフトウェア技術者試験クラス2」⁠クラス2試験と呼びます)は、組込みシステム業界初(さらに言えば世界初)の組込みソフトウェア技術者向け試験です。ものづくり立国の日本ならではの試験制度で「組込み技術者試験制度(ETEC⁠⁠Embedded Technology Engineer Certification。イーテック)と呼びます。

クラス2試験は組込みソフトウェアエンジニアのエントリレベルが最低限持っている知識を対象としていますが、スコア方式(点数)ですから未経験者から開発経験10年選手くらいまでもが対象となります。また、どの年代の組込み技術者でも「最低限持っていてほしい知識」ですので、技術知識の確認、コミュニケーション知識のベンチマークとして最適です。特に組込みアプリケーションのソフトウェア開発者には、ぜひ組込みソフトウェア技術を習得する意味で目を向けていただくことをお勧めします。

3回目となりました今回はクラス2試験の受験に役立つ情報をお伝えします。

出題傾向

まずクラス2試験は絶対評価として800点満点の点数制をとっています。そして総合グレードABCと各分野別のランクABCで技術分野の強み、弱みを相対的に見ることができます。

クラス2試験の出題傾向の中では「技術要素」が多く出題されています。そして「開発技術」⁠管理技術」と続きます。管理技術はマネジメントする側(管理者側)の技術よりも、管理される側の技術が出題されますので、難しく考える必要はありません。技術要素はプラットフォームが中心ですので、試験範囲の中にあるスキル項目の組込み知識をより正確に知っている必要があります。開発技術、管理技術においても同様、試験範囲はカバーし、正確性が重視されます。ソフトウェア技術者向けということでソフトウェアの知識だけが出題されるわけではなく、ハードウェアの知識も必要となります。

試験時間

試験は90分120問の出題で、1問あたりの時間は1分を切っています。試験問題を解くには前述したように正確な知識を知っておく必要があります。四肢択一ですから1つの問題で4つの解答肢があり、正しいもの、または間違っているものを1つ選びます。

あまり長く考えている時間はなく、正確な知識が必要とされるわけで、問題を読み、4つの解答を見て選択することになります。模擬問題についてはETECのWebサイトでスキルチェックミニテストで公開しています図1⁠。参考にしてみてください。

図1 スキルチェックミニテスト
図1 スキルチェックミニテスト

また、CBT(コンピュータベースドテスティング)による試験方法になります。今まで組込みソフトウェア技術者のためのCBT試験はほとんどありませんでしたので、⁠CBTは初めて」という受験者が少なくありません。全国の試験会場で毎日実施していますので、いつでも受験ができますし、スケジュール変更も可能でので試験当日があらかじめ忙しいとわかれば事前に変更できます。一度、CBTとはどのようなものか確認しておくことも必要でしょう⁠。

注)
CBTについては次のWebサイトを参考にしてください。http://it.prometric-jp.com/tutorial/index.html

受験の準備

受験前には当然のことながら「組込みソフトウェア技術者試験 クラス2 試験要綱」で試験全般について確認して、組込み基礎知識の総合書籍や試験対策ガイドを参考に準備をしておくことをお勧めします。下記URLからPDFファイルをダウンロードできます。

また、企業や団体においては社内で受験対策講座を実施しているところや外部の研修機関に行って学習促進をしているところもあります。会社によっては受験制度が整っていて、研修費用や受験費用、報奨金などのしくみがあり、また受験チケットをまとめ購入しているケースもありますので、活用するとよいでしょう。

試験終了後

受験後、証明書が受験者全員に1ヶ月以内に郵送されます。証明書には

JASA組込みソフトウェア技術者クラス2証明書

受験日:yyyy/mm/dd  スコア:nnn点

グレード:X(技術要素:X、開発技術:X、管理技術:X)

と記載されていますので、グレード、スコアを確認しましょう。

再受験に関してはリテイクポリシーがあり、同一試験を受験する際、2回目の受験については、受験日の翌日から起算して30日目以降(土日含む)から可能となります(3回目以降の受験については、最後の受験日の翌日から起算して60日目以降から可能です⁠⁠。

受験結果や証明書は会社・団体へ提出できるものでもありますし、ご自身の技術知識確認の証でもありますので大切に保管しましょう。

トライアル受験をしませんか?

「JASA組込みソフトウェア技術者試験クラス2」の採用を検討している企業で、試験評価を希望の場合はトライアル受験をお勧めします。企業での採用方法、試験の使い方、受験結果分析支援、受験料特別割引など、お気軽にETEC運営事務局までお問合せください。

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