LLイベントでのLightning Talk
3分~10分という短い制限時間で行われるLightning Talkというプレゼン様式。その起源は2000年のYAPCに遡るといわれますが、LLイベントでも毎年工夫をこらしたLTを行ってきました。
LTでは、短い持ち時間の中で観客の興味を引きつけ、難解な内容も勢いで伝える話術が求められます。技術情報の伝達という第一の目的のほか、「エンターテインメント」としての側面も強いといえるでしょう。
2010年のLL Tigerでは「LTの虎」と題し、異例の投票・トーナメント形式をとりました。バトル&エンターテインメントを全面に出した「LTの虎」では、8チームによるLTが繰り広げられ、会場は笑いと知的興奮で大いに沸き立ちました。
また、LTには、「聴く側」から「話す側」への第一歩、技術系スピーカーの登竜門という側面もあります。
「数十分にわたるトークをするのは難しそうだけれど、5分なら自分の持っている技術ネタについて話してみよう」
そんな気持ちで参加したLTをきっかけとして勉強会やカンファレンスで活躍するようになった技術者も少なくありません。2008年開催のLLイベント「LL Future」では、「過去のLLイベントで発表したことのない方」「若い人(30歳以下)」を積極的に歓迎するという少し変わった応募条件を設け、未来のスピーカーを発掘し、育てる場となるようセッションを組みました。
このように、LLイベントでは、単に時間枠を複数用意して登壇者を募集するのではなく、毎回、コンセプトを決めてLTを実施しています。
10周年となる今回「LL Decade」のLightning Talksは、「LLの世界の最前線およびLLイベントで活躍してきた方々の珠玉のLT」にしようということになりました。例年のような公募ではなく、LLイベントスタッフからオファーするという形をとり、「この人のLTが聞きたい」という気持ちをスタッフ同士でぶつけ合いながら登壇者を選出し、出場をお願いしました。
そして決定した10名の登壇者は……
Rubyで書かれたブログシステム「tDiary」の作者であるただただしさんは第1回のLL Saturdayの「君ならどう書く?」に登壇。RubyKaigiをはじめ数々のコミュニティで活躍する角谷さんは2004年のLL Weekendの「Language Update」の登壇者です。
庄司嘉織さんは2007年のLL Spiritと2008年のLL FutureでのLTが好評を博し、川崎さんは、2010年のLL Tigerで行われたLTトーナメント「LTの虎」で優勝したShibuya.jsチームのメンバーです。
LTの候補者を選ぶにあたっては、技術面だけでなく、トークの魅力にも着目しました。
ゆーすけべーさんは、エロサイト開発・運営の豊富な経験に裏付けられた実践的な(そして時々ちょっとエロい)技術トークに定評のある方です。yuroyoroさんは、Scalaを中心に、難解で奥深い話題を軽妙なギャグを交えて伝えてしまうプレゼンの達人です。
イベントのライブ感をトークとスライドに盛り込む「竹迫メソッド」、シンプル&リズミカルに進行する「高橋メソッド」は、今や技術系プレゼンテーションの「様式」として確立されていますが、LL Decadeでは、竹迫さんによる「竹迫メソッド」、高橋さんによる「高橋メソッド」を生で見られます。
そしてLLイベントのネットワークを支え、LL Decadeの「君ならどう書くOnline」を企画したLLNOCチーム、そしてLLイベントの大番長であり、多くのセッションで司会をつとめた法林さんも登壇します。10回目を迎え、これからもおそらく続くであろうLLイベントの「中の人」のトークは、今後のコミュニティ運営やイベント企画の参考となるかと思います。
Lightning Talker達に容赦なく時間切れを伝える「ドラ娘」は、2008年のの「LL Future」でドラ娘デビューし、多くの技術系イベントで「ドラ娘」を務めてきた実績を持つショウジユウコ(ナガタユウコ)さん。
豪華登壇者による珠玉のトークは、きっと今後の10年へと繋がるインスピレーションをもたらすことでしょう。どうぞご期待ください。
LL Decadeでは懇親会でもLTタイムを設けます!!
LL Decadeでは、昼間のセッション本編の後、イベント公式の「懇親会」を行います。そして、この懇親会の席でもLTタイムがあります。
懇親会のLTはスピーカーを公募し、多くのご応募をいただきました。
宴の半ばになったらステージにご注目! 5組のスピーカーがそれぞれ3分間のトークを繰り広げます。
- 懇親会LT出演者
- LL Decade
- http://ll.jus.or.jp/2012/