皆さんこんにちは。LL Planetsスタッフの高橋征義です。
8月20日(土)に開催される軽量言語のイベントLL Planetsの企画を紹介する「LLの惑星群を楽しもう!~gihyo.jp×LL Planets presents」、第3回は「JavaScript八面六臂」についです。
2011年はJavaScriptの年?!
まだ寒い2011年はじめに開催された、LL Planets(というタイトルも決まっていなかった)の最初のころの企画会議で、今年取り上げたいLLのトピックは?という質問に、「2011年はJavaScriptになるはず」と言ったのを覚えています。
なぜ今JavaScriptなのでしょうか。その理由の1つは今回のLL Planetsの別セッション「Node.jsとは何だったのか」でも取り上げられているNode.jsにあるでしょう。以前から試みはありつつも存在感の薄かった(そのわりには可能性は強く指摘されていた)サーバサイドJavaScriptについて、単にJavaScriptで動くというだけではなく、JavaScriptの特徴を活かした新しいサーバサイド環境のブームは、今後のWebアプリケーション開発に大きな一石を投じるものになっています(といった話は「Node.jsとは何だったのか」セッションで熱く語られると思います)。
一方で、サーバサイドJavaScriptだけがJavaScriptに注目するべき理由なのではありません。スマートフォンアプリ開発でもTitanium MobileやPhoneGapが注目されていたり、HTML5方面でもWebSocketやWebGLなどのさまざまなAPIが提案されていたり、はたまた一見JavaScriptとは関係のなさそうなCouchDBやMongoDBなどでもJavaScriptが活躍していたりと、その広がりは多岐にわたります。また、プログラマー以外にも、jQueryの普及によりJavaScriptを使った動的なコンテンツがこれまで以上に盛んになりつつあります。
これまでのLLイベントでは、LLを代表する言語としては、Perl、PHP、Python、そしてRubyの4言語が挙げられることが多くありました。JavaScriptも無視できない言語として、Language Updateやその他個別のセッションでは取り上げられることも少なくありませんでしたが、今ひとつ中途半端な立ち位置だったことは否めません。そのような状況は今後大きく変わっていくかもしれない、そんな予感も感じさせてくれるのが、今年のJavaScriptの動きです。
このような状況を背景に、今なぜあらためてJavaScriptが注目されているのか、その八面六臂の活躍を、さまざまな立場でJavaScriptと関わる方をパネラーとしてお伝えしたい、というのが、本セッション「JavaScript八面六臂」です。
パネラーのご紹介
このセッションでは4名の方にパネラーとして参加していただきます。
まず一人目は、オープンウェブ・テクノロジーの白石俊平さん。
白石さんはHTML5とその周辺技術に関する勉強会「HTML5とか勉強会」を開催されていたり、html5-developers-jpの管理人をされていたり、またご自身も様々な場で講演をされていたりと、HTML5関連技術の啓蒙に深く関わっている方です。
もっとも、最近はHack For Japanでも活動されていて、技術そのものにとどまらない視点からの発言も期待したいところです。
二人目は、Appceleratorのmasuidriveさんこと増井雄一郎さんです。
増井さんは、Tinanium Mobileを開発しているAppceleratorのテクニカルエヴァンジェリストとして活動されています。前にお会いしたときにはiOS開発者、その前にお会いしていた時にはRails開発者、それまた以前はPHP開発者だったような気もするのですが、先日お聞きしたところでは昔は組込み開発などもされていたそうで、いろんな開発を経て現在はJavaScriptに取り組まれているという立場からの知見が楽しみです。
三人目は、Node.js日本ユーザグループの篠崎祐輔さんです。
Node.jsのユーザグループからは、Node.jsのセッションの方でも(当然ながら)参加していただいているわけですが、こちらのセッションでは篠崎さんに登壇していただくことになりました。実はこれまで篠崎さんとお会いする機会はなくて、先日行ったこのセッションの打ち合わせの席で初めてお会いしたのですが、Nodeだけではなく、JavaScriptについて、さらには英語の重要性について熱く語られていました。当日もそんな篠崎さんの思いを語っていただける場にしたいと思っています。
そして四人目は、タワーズ・クエストの和田卓人さんです。
和田さんはJavaScript方面よりもテスティングに関する活動でよく知られていますが、最近はJavaScriptを書いていることが多い、ということをお聞き、今回のセッションにお呼びしました。JavaScriptのテストと言えば、先日開催された日本Ruby会議2011でも、なぜか(RubyKaigiなのに)JavaScriptのテスト手法に関するトークが応募されるなど、Webアプリケーションにおけるテストの動きの中でもホットなジャンルとして認識されているようです。和田さんからは、その一味違った切り口でJavaScriptの状況をお話しいただければと思っています。
なお、司会は私、日本Rubyの会の高橋が行います。なぜか最近のLLイベントでは、2009年がよしおかひろたかさん・小飼弾さん・川合史朗さんというそうそうたる方によるセッション「朝から生テレビ」の司会、2010年が並みいる出版社の方と一緒に電子書籍について語る「LLと電子書籍」のパネラーと、全然Rubyと関係ないセッションに登壇することが多いのですが、まさかJavaScriptセッションの司会をすることになるとは、人生いろいろあるものです。
以上の5名の方で、90分間、JavaScriptの現在についてお伝えする予定です。ご期待ください。