gihyo.jp×Mashup Award 5プレゼンツ MA5 コンテスト開催中!受賞の極意

第3回技術的ショーケースとして応募!株式会社ザクラ取締役CTO奥山氏に訊く

今年で5回目を迎える日本最大級のWebアプリケーション開発コンテスト「Mashup Awards(MA)http://gihyo.jp/news/info/2009/09/1003」の受賞者の方へのインタビューを連載でお届けしています。第3回目のゲストは、昨年度(MA4)の優秀賞を受賞された株式会社ザクラ取締役CTOの奥山晋さんです。MA5への参加登録がお済みの方も、まだ検討中の方も奥山さんが語る受賞の極意を、ぜひ参考にしてください。

Mashup Awards 5 (MA5)公式Webサイト
http://mashupaward.jp/
昨年度Mashup Awards 4 (MA4) 優秀賞
受賞作『MASHUP×CROSSWORD』http://xword.zakura.jp/xword/top.do
受賞者チームオクヤマ(奥山晋さん・岩瀬智子さん/株式会社ザクラ)
Mashup Awards 4 (MA4) 優秀賞 受賞作 MASHUP×CROSSWORD
Mashup Awards 4 (MA4) 優秀賞 受賞作『MASHUP×CROSSWORD』
MA4 優秀賞 受賞者 株式会社ザクラ取締役CTO奥山晋さん
MA4 優秀賞 受賞者 株式会社ザクラ取締役CTO奥山晋さん

会社の技術的ショーケースとしてMA4に応募しました

Q:MA4 優秀賞受賞作品「MASHUP×CROSSWORD」の紹介をお願いします。

Webサイトにアクセスしてスタートボタンを押すとクロスワードパズルが生成されるシステムです。クロスワードパズル自体はみんなが知っているものなので、使い方を簡単に説明が要らないようなシステムを目指しました。ポイントは、なるべくたくさんのAPIを使ったことで、私の勤める株式会社ザクラの技術的なショーケースとして、自分たちはこういうサイトを制作できるぞということをアピールすることを目的としています。MAへの参加は、株式会社ザクラとしては3回目、私自身2回目になるのですが、1回目の応募ではマッシュアップをただ使ってみた感じでとくに受賞もなく。2回目は、より戦略的に、⁠ちょっとマッシュアップしてみた」ではなく「ちゃんとマッシュアップサイトを作る」ことを意識し、マッシュアップに正面からに取り組んでみました。 またAPIを組み合わせるのに共通の軸となる何かが必要になるのがマッシュアップなのですが、今回はテキストをキーに「言葉」で何かしようと考えクロスワードを思いつきました。なのでクロスワードをマッシュアップしようとした訳ではなく、マッシュアップするためにクロスワードを使ったイメージになりますね。

Q:通常の業務でもマッシュアップを使われていますか?

株式会社ザクラではSNSとカレンダーを合わせたソーシャルカレンダーサービス「Zakura(http://zakura.jp/⁠⁠」などを運営しています。また、Zakura等から得たノウハウを活用して「APOZ」というアフィリエイトの不正登録を排除する最適化のシステムや、飲食店向けのポイントシステムなど、主に新規事業開発を行っている会社です。Webサイトを制作する会社なのでAPIを使う場面はもちろんあります。APIの利用は今どきはあたりまえになってきています。

Q:MA4に会社として参加されていますが、どのようなチーム体制で開発されたのでしょうか?また、所要時間などをお教えください。

チーム体制は基本私1人で開発して、あとはデザイナー1名です。所要時間は約1ヵ月で業務時間中に他の業務と並行して開発しました。普段は新規事業の立ち上げという締切のない仕事が多い中、締切があるものに取り組むことでサービスをきちんと世に出すきっかけになります。

MAに出ているエンジニアの人たちは転職に有利

Q:MA4受賞後に何か変化はありましたか?

転職していません(笑)もう自分で会社をやっていますので。サイトが発展して新規のビジネスになったりしてません(笑)アクセスが殺到して広告で大儲けしていません(笑)賞金はみんなで飲んで消えました。

就職には間違いなく役に立つと思います。雇っている側として見ると、自分が制作したサイトを持っている人材というのは強力です。少なくともそのサイトを作れる力がある。30万~40万人いると言われるエンジニアの中で1人で1つのサイトを作れる人間が何人いるでしょうか。とくに小さい会社では、そういうエンジニアが1人でもいることですごく助かるんです。デザイナーの採用ではポートフォリオと言われるそのデザイナーの作品集で手がけた仕事やテイストが分かるのですが、エンジニアの人たちは経歴しか持ってこない。その人のスキルや何が出来るかが分からないのです。その点、MAに出ているエンジニアの人たちは作品をアピールすることができるの、MAに応募することは転職にはすごく有利になると思います。

Q:作品を作られた際のこだわったことや作品への思いを教えてください。

マッシュアップと言っても自分の作品になるのでオブジェクト指向プログラミングにこだわりました。業務系のアプリケーションで最初はオブジェクト指向のモデルで作っていても要望などを聞いて調整を重ねるうちにきれいな統一感を失ってしまうのですが、自分でサイトを制作する際には最後までかっちりきれいにプログラミングのコードを書けることがとても楽しいです。

クロスワードパズルと言うベースを作ってヒントのところにWikiや写真などたくさんAPIを詰め込んだのですが、あまり「ツール」っぽくならないよう気をつけ、大人が楽しめるサイトにこだわりました。

Q:今、注目している新技術、APIなどはありますか?

AndroidとQRコードです。iPhoneアプリも開発はできるのですが不自由過ぎるのが難点で。言語がObjective-Cなので、まず作り始めるまでが大変。Androidの方がやりやすいですね。また、詳細は明かせませんが今年はQRコードを使った何かでMA5へ応募予定です。

API向上のために、コミュニティとして声を上げていこう

Q:最後にアドバイス、メッセージをお願いします。

マッシュアップとは何かと言うと、複数のAPIを使った自分独自のサイトということになります。でも、自分でマッシュアップをやろうとして素材となるAPIを片っ端から調べて使ってみると言いたいことがいろいろと出てくるんです。まずは、このプロセスを経験してもらいたいと思います。

おそらくその過程で、実はAPI提供側にマッシュアップで使う意識が足りないことがわかってくると思います。APIをオープンにするまではいいのですが、それを「組み合わせること」への配慮がされていない。たとえば、経度緯度の形式がマチマチであったりとか、商品ならJANコード、書籍ならISBNコードなど入ってほしい情報がなかったりとか。

元々APIという仕組みは、通常そのAPIを使うか使われないかでしか意思表示がされないのでフィードバックが行われにくい構造です。API、マッシュアップというソーシャルな仕組みの成熟のために、やってみてわかった疑問などをどんどんぶつけてみる。そんなコミュニティ活動として盛り上がっていきたいですね。また、あまり使われていなAPIがある一方で、せっかくよい応募作品が選に漏れていたりするので、特定のAPIだけに集中するのではなく、なるべく広くAPIを使うようになれば、賞と応募作品のマッチングがうまくいくのではないかなと思います。

会社のチームで参加された奥山さんには、MA参加作品が技術的ショーケースとしてアピールことなどをお話しいただけました。個人・企業問わず、またリリースされている既存サービスでも応募できますので、この機会にチャレンジされてみてはいかがでしょうか? まずはお気軽にMA5参加登録からエントリーをお願いします。

「やってみてわかった疑問などをぶつけてみて、APIの成熟のために盛り上がっていきたいですね」
「やってみてわかった疑問などをぶつけてみて、APIの成熟のために盛り上がっていきたいですね」
コンテスト開催概要
名称Mashup Awards 5 (MA5)
主催Mashup Awards 実行委員会
作品応募期間2009年9月25日(金⁠⁠~11月4日(水)
授賞式2009年11月29日(日⁠⁠ ⁠最終選考会と同日開催)
最優秀賞・賞金100万円 ⁠そのほか計約50賞)
公式ウェブサイト http://mashupaward.jp/ ⁠参加登録無料)
公式ハッシュタグ#MA5

コンテスト応募方法

参加協力企業・団体が提供するAPI・リソースのうち、少なくとも1つを利用した作品を制作してご応募ください。応募時点でのインターネット公開済・未公開は、問いません。


技術セミナーイベント「MA5 Mashup Caravan」が開催されています。

MA5 Mashup Caravanの詳細は以下からご覧いただけます。

MA5 Mashup Caravan
URLhttp://mashupaward.jp/blog/caravantokyo/

おすすめ記事

記事・ニュース一覧