今年で5回目を迎える日本最大級のWebアプリケーション開発コンテスト
- Mashup Awards 5 (MA5)公式Webサイト
- http://
mashupaward. jp/
昨年度Mashup Awards 4 (MA4) 特別賞 | |
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受賞作 | http:// |
受賞者 | 株式会社サイバーエージェント 浦野大輔さん |
家にいながらにして散歩ができるアプリケーション
- Q:MA4特別賞
(Any Device賞) 受賞作品 「AIR SANPO」 の紹介をお願いします。 「AIR SANPO」 は、 Google マップのストリートビューをWii FitのバランスWiiボード上で歩いてみようというコンセプトで制作したアプリケーションです。Wii Fit上で実際に歩くとPCモニタに映っている画面も動きに合わせて進んでいきます。iPhoneの傾きセンサーを使ってストリートビューの視線の向きを変えたり、 歩いた歩数がchumby上に表示される機能なども搭載しています。行きたい場所をiPhoneで入力すると、 モニタ上でその場所に行って歩くことができるので家にいながらにして散歩ができるアプリケーションになっています。 元々、
WiiリモコンやニンテンドーDSなど、 いわゆる普通のPCのキーボードやマウスではないインターフェースに興味があり趣味レベルで作ったりしていたのですが、 去年の8月にストリートビューの日本語版が出た際、 これをPCのマウスだけでぐりぐり操作するのはもったいない。これがバランスWiiボード上で動いたら面白いんじゃないかと思って実際に作ってみました。そのアプリケーション自体は8月末に完成し動画に撮ってYouTubeなどにアップした段階で、 いったん満足してしまっていました。 今まで、
仕事ではなく個人としての趣味としてはプログラムを組んだりするときは完成しないで終わってしまうパターンが多かったのですが、 このときは作品として完成させたいと思い、 何かきっかけはないかと探していたとき、 ちょうどマッシュアップアワードを見つけました。去年のMA4の締切が9月末だったので、 これをひとつの締切として自分の作品を完成させようと目標を立てました。 - Q:開発の所要時間は?
その時間はどうやって捻出しましたか? 個人としての応募だったので、
土日・ 休日の業務時間外を使いました。通常こういったアワードには会社のメンバーとみんなで応募する場合が多く、 その際は会社としてのサポートもあるのですが、 MAでは、 ちょうどプロジェクトも山場を迎えていて、 みんなで応募するような雰囲気ではなくて。自分自身も直前まで参加を迷っていたのですが、 MA4の締切が9月の三連休の直後だったので、 その三連休の間に仕上げたかたちです。プロトタイプが8月にすでにできていたので何とか間に合いました。
受賞して社外にアピールできたことが社内へのアピールにつながった。
- Q:MA4受賞後の仕事や生活などに変化はありましたか?
まずひとつは作品を完成させることができ、
それを色々な人に知ってもらえたことが大きいです。そして、 もうひとつは今まで個人の趣味でやっていたことが仕事につながったことです。たとえば、 受賞をきっかけに執筆の依頼などがくるようになり、 技術評論社さんの 『 Software Design』 でWiiリモコンをFlashで使う記事を書かせていただいたりと仕事の幅を広げることができました。以前は趣味と仕事と直結していなかったので、 会社でも 「変なことをやっている」 ような目で見られていたのですが (笑)、 今では、 サイバーエージェントにはこういうデベロッパーがいて、 こういうことをやっていると、 サイバーエージェントという会社の社外に向けてのアピールにもつながり、 よかったなと思っています。 また、
社外にアピールできたことが結果的に社内へのアピールにもなりました。所属しているサイバーエージェントは規模が大きく、 グループを含めると2,000人の従業員がいて、 自分のチームの人たちにはアピールできても他の部署の人たちにアピールするとなると難しい部分があったのですが、 社外で成果を上げることで、 結果、 社内向けのアピールにもつながりました。とくに現在サイバーエージェントでは技術力を社外にアピールして行こうという流れがあるので、 そういった面でも評価されました。とてもやりがいのある環境で働けていると思います。 「自分がわくわくできるか」 が大切 - Q:作品を作る際のこだわりや大切にされている点を教えてください。
一番、
考えるところは 「自分がわくわくできるか」 ということです。自分が触れて楽しめるかがとても重要です。また、 個人として制作するときは自分の得意分野があり、 なるべく人がやっていないようなことや飛び道具的なギミックなどインパクトを与えることを意識して制作しています。 また、
元々ゲーム好きでプレイヤーとして楽しんでいたのですが、 WiiとニンテンドーDS、 iPhoneの登場には影響を受けました。これらはすべてインターネットにつながるもので、 インターネットにつながるということは今の自分の仕事に関わってくるので先行して勉強している感じです。今後、 タッチスクリーンで操作するものや、 また、 PCや携帯電話、 ネット家電も含め、 どのデバイスでも動くものも作っていくことになると思うので新しいインターフェースについてはとくに意識しています。 MA4への応募に関しては
「応募するからには結果を出したい」 という気持ちがあって。デバイス賞を見つけたときは、 ここを獲りに行こうと決めました。 「AIR SANPO」 自体は、 ストリートビューをバランスボードで歩くという点が一番、 大切なところだったので、 あとの機能はマッシュアップアワード用に付け足しました。歩数をあえて 「chumby」 で出すという突っ込みどころも入れられたと思います (笑) - Q:注目している新技術、
APIなどはありますか? また、 今後、 取り組んでいきたいことは何ですか? iPhoneを初めとする、
マルチタッチのスクリーンがどこまで一般化するかに興味があります。iPhoneは基本1人で操作するものなのですが、 マルチタッチのディスプレイが普及していくと、 みんなで操作するような大きいディスプレイも現れてくると思います。今は、 そういうディスプレイがあっても研究やメディアアート的なものでしかないので、 それらが今後家電などに普及してきたときに色々面白いものが作れるのではないかと思っています。 また、
現在担当しているサービス 『 アメーバピグ』 を盛り上げたいと思っています。2月にサービスがリリースされてから会員数が130万人を超えていて今後もさらに拡大していきたいと考えています。 - Q:今年のMA5へはご応募されますか?
アイデアはいくつかあるので飛び石連休を使って考えます。
- ※
- サイバーエージェントさんのAPIも
「プーペガール」 「AmebaVision」 「アメばた会議」 の3つがご提供されています。
自分のものづくりのために、
コンテストをうまく利用する - Q:最後にアドバイス、
メッセージをお願いします。 自分のものづくりのために、
こういうコンテストをうまく利用してみてください。個人で制作していると 「締切」 がないために自分に厳しくないとなかなか完成させられないので、 作品を作り上げるためのきっかけとしてコンテストを使うのがいいのではないでしょうか。 また、
応募するからにはやはり結果が欲しい。そこで、 どの賞を獲りに行くかという点を意識することが大切だと思います。おそらくグランプリを獲るような作品はグランプリとしての風格が求められると思うのですが、 自分の場合は時間の制約も考え特別賞狙いで行くと決めてインパクトを出す方向にしました。そういった戦略的なことも考えていくと面白くなると思います。
ストリートビューやバランスWiiボード、
iPhoneなど多様なデバイスを駆使し、 現実とバーチャルの融合に取り組んだ 『AIR SANPO』。このようなMR (mixed reality=複合現実感) の技術は最近ますます注目を集めており、 今年のMA5でも力作が期待できそうです。 浦野さんは、
時間の制約がある中で 「自分の作品」 を完成させるきっかけとしてMAを利用されました。今年のMA5の締切も、 11月の飛び石連休明けで、 まだまだチャンスはありますので、 この機会に制作途中の作品や眠っていたアイデアを呼び起こしてみてはいかがでしょうか? まずはお気軽にMA5参加登録からエントリーをお願いします。 コンテスト開催概要 名称 Mashup Awards 5 (MA5) 主催 Mashup Awards 実行委員会 作品応募期間 2009年9月25日 (金)~11月4日 (水) 授賞式 2009年11月29日 (日) (最終選考会と同日開催) 最優秀賞・ 賞金 100万円 (そのほか計約50賞) 公式ウェブサイト http:// mashupaward. (参加登録無料)jp/ 公式ハッシュタグ #MA5 コンテスト応募方法
参加協力企業・
団体が提供するAPI・ リソースのうち、 少なくとも1つを利用した作品を制作してご応募ください。応募時点でのインターネット公開済・ 未公開は、 問いません。