ネットワーク設定
SH3向けFedora 7ではデフォルトの設定ではネットワークを起動するようになっていません。追加でネットワーク設定をしなければなりません。今回はまずネットワークを設定し、次にWebサーバを立ち上げて、PHPで制御プログラムを作成する方法について紹介します。
IP指定
IPアドレスを直接指定する場合は、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 というファイルを新規作成します。ifcfg-eth0 の設定内容は、たとえばリスト1のようになります。
DNSを利用する場合は、/etc/resolv.conf を、たとえばリスト2のように記述します。
DHCP
DHCPサーバにより自動でネットワーク設定をする場合も /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 というファイルを新規作成します。この場合のifcfg-eth0の設定内容はリスト3のようになります。DNSを利用する場合もDHCPサーバーがDNS設定をサポートしている場合は特に設定は不要です。
共通設定
/etc/sysconfig/network というファイルを作成してリスト4のようにホスト名を記述します。ホスト名は、ここではshlinuxとしていますが、任意の名称で構いません。
IPv6を使わない場合は、/etc/sysconfig/network-scripts/network-functions-ipv6 を削除します。これでネットワークの設定が完了です。
コマンドで個別にネットワークの起動をするには以下のようにします。
コマンドで個別にネットワークを停止させるには以下のようにします。
コマンドで個別にネットワークの再起動をするには以下のようにします。
システム起動時に自動的にネットワーク設定をするには以下のようにします。
もし、システム起動時のネットワーク設定を解除する場合は以下のようにします。
システム起動時におけるサービス起動リストを得るには以下のようにします。
Webサーバ
デフォルトの状態ではApacheを起動するだけでWebサーバが起動するようになっています。ただし、Apacheのユーザが作成されていないので、以下のようにユーザとグループを新規作成します。
ここでは適当に48番を使いましたが、空いている任意の番号でいいです。
PHPを使えるようにする
SH3版Fedora 7のApacheは、PHPモジュールだけは外して使えないようになっています。実はPHPに必要なパッケージがSH3版Fedora 7に全部は含まれていないので、必要なパッケージをSH3版FedoraCore 6から持ってきます。
具体的には、以下のパッケージを持ってきます。
また、これ以外にSH3版Fedora 7のaspelという名称を含むパッケージも追加する必要があります。追加インストールはPC上でFedore 7がインストールされたSDカードへ、以下のように行います。
ApacheでPHPを使えるようにするには、/etc/httpd/conf/httpd.confを以下のように追加、変更します。
まずLoadModuleが記述されているあたりに
を追加します。
次に、以下の内容を検索して
以下のようにコメントにして無効にします。
“ServerName”を検索して、以下のようにWebサーバ名を設定します。特に名称がない場合は、当ボードのIPアドレスを指定します。
最後に適当な箇所に以下の記述を追加します。
Apacheの起動と自動起動
コマンドで個別にApacheを起動するには以下のようにします、
コマンドで個別にApacheを停止させるには以下のようにします、
コマンドで個別にApacheの再起動をするには以下のようにします、
システム起動時に自動的にApache起動させるには以下のようにします。
もし、システム起動時のApache起動を解除する場合は以下のようにします。
システム起動時におけるサービス起動リストを得るには以下のようにします。
ApacheとPHPの確認
コンテンツは/var/www/html以下のフォルダに格納します。Apacheの簡単な確認は、/var/www/html/index.html をリスト5の内容にして、外部からブラウザで行います。
PHPの動作は/var/www/html/info.phpをリスト6の内容にして、外部からブラウザで確認をします。図1のようにPHPに関する情報が表示されます。
Webサーバによるコンピュータ制御
T-SH7706LSRは制御ボードなので、I/Oポートによる制御も可能となっています。本来はデバイスドライバで制御部分は実装すべきですが、今回は簡単なコマンドで制御を代用します。今回の対象のI/Oポートはボード付属のLEDとします。
LED制御のコマンド
ユーザプログラムによるLEDの点滅制御についてはすでに解説済みです。そのLEDの自動点滅処理を引数による点滅指定に変更を加えた内容がリスト7となります。
リスト7のプログラムはPC上で以下のようにクロスコンパイルします。
できあがった実行ファイルを/var/www/html/led に置き、以下のようにモードを変更します。
コマンドラインからのLEDの点灯は以下のようにします。
コマンドラインからのLEDの消灯は以下のようにします。
LED制御のスクリプト
今回はPHP言語でフォームとLED制御のスクリプトをリスト8のように記述し、/var/www/html/led.phpに置きます。このURLにアクセスすると図2のようにLED制御ができるフォームが表示されます。
もし、制御情報の表示を追加したい場合はリスト9のように記述します。このURLにアクセスすると図3のようにLEDの制御結果の表示とLED制御ができるフォームが表示されます。
次回は
次回は雑多なFedora 7の設定について解説します。