PASONA TECHスペシャル企業レポート

第3回ソフトウェアの品質向上を実現するためのこれからの検証サービスとは

第1回、第2回と⁠株⁠シーイーシーが提供するPROVEQサービスのシステム検証(第三者検証)におけるベリフィケーション(検証)エンジニアとしてのキャリアアップやキャリアチェンジについて説明した。今回は、問い合わせが多かった、それらのエンジニアが実際に行うサービスについて、同社PROVEQサービス本部事業推進部生田泰宏氏に話を聞いた。ベリフィケーションエンジニアを志すITエンジニアの方はもとより、ソフトウェア開発の品質向上に課題を持っている開発現場の皆様に、最新の⁠ソフトウェア品質向上サービス⁠とは何かを是ぜひ感じ取っていただきたい。

ソフトウェアの品質向上を実現する第三者検証サービス

第三者検証サービスの必要性がようやく世の中に認知され、それに伴い第三者検証サービス専門の会社が成長し続けている。最近は、大手Sierや中小のソフトハウスも相次いで第三者検証サービスに参入しようという動きを見せているようだ。㈱シーイーシーも1999年から10年間、エンベデットシステム検証を中心に試行錯誤しながら検証というサービスを提供し続け、約1年半前にそのノウハウを集結した「PROVEQ」というブランドを立ち上げ、順調に成長を続けている。しかし、第三者検証サービス分野では、サービス拡大や新規参入増加のため、サービス内容(品質・レベル等)に課題が出てきているようだ。

「現在、第三者検証サービスと言っても、極端な言い方をすればソフトウェア開発の最後の尻拭い作業しか行っていないようなサービスが存在します。たとえば、設計者の作るテスト項目を黙々とこなすだけの業務、火の噴いたプロジェクトに人材を投下し火消しをする作業などです。

しかし、我々「PROVEQ」では、テストファーストの考え方を基本に、⁠1)設計、製造、検証の分業する、⁠2)利用者(第三者)視点のシステム機能に対する検証を行う、⁠3)後工程を検証チームで引き取り、設計チームは次期開発に早期着手する、という3つの提案でソフトウェアの品質および生産性向上に努めています。我々だけでなく、同様に独自の工夫でサービスを提供し、新たなサービスの創造に挑戦し続けている検証会社もあります。」とPROVEQサービス本部事業推進部マネジャーの生田は説明する。

図1
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一概に第三者検証サービスと言っても、デバック作業や人材派遣モデルのようなものから、品質の向上を目的としたサービス提供まで様々あるようである。今後も、ソフトウェアの品質を向上のためには、第三者検証サービス会社各社、そして実際にサービスを提供するエンジニアが使命感を持って挑戦し続けなくてはならないのではないだろうと強く感じた。

最新のソフトウェア品質および生産性向上サービス

しかし、第三者検証サービスだけで日本のソフトウェア品質は向上するのだろうか。日本のソフトウェア開発は、納期遅延、予算オーバー、品質の悪化等、問題は山積みだ。開発の初期段階でテスト設計に工数割かず、結果、最終段階のデバックを人海戦術でなんとかリリースする。それは、アメリカ等とは違い、ソフトウェアの開発に関し納品されるまで無関心な発注側の体質にも関係がある。そのような体質の日本では、より第三者の視点で開発をけん制し続ける機能が必要なのではないだろうか。

図2
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「最近は、⁠第三者検証」というキーワードで、テスト以外の検証の相談が増えてきています。アプリケーションのライフサイクルマネジメント(ALM)の検証がそのひとつです。開発プロセス(リソースやリポジトリ管理分析等)を検証し、過剰インフラ投資や開発の属人化をなくすことにより、コストの低減やソフトウェア品質・生産性向上を実現しています。開発現場も最後の尻拭いだけでは本当にいいモノが作れないと気づき始めているからではないでしょうか。」と生田は説明する。

以上のような背景から、PROVEQでは、サービスメニューを一新した。従来からのエンベデット・ビジネスシステム検証(第三者検証)サービスに加え、プロセス検証サービス、インターフェース検証、その他ソースコード・パフォーマンス・セキュリティ検証等、ALMに対応したメニュー構成となっている。

現在の市場ニーズとそれに対応するPROVEQのサービスについて説明したが、来年、いや数ヵ月後に話を聞くことができたら、もっと違った話になり、きっとサービスもさらに成長しているのではないかと感じた。ベリフィケーションエンジニアを目指している方や、ソフトウェア開発の品質向上に課題を感じている現場の方にはよく理解いただけたのではないだろうか。ぜひ、⁠最新のソフトウェア品質および生産性向上サービス』に触れてみてほしい。

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