今からスタート! PHP

第2回PHPプログラミングのための準備

PHPによるプログラム(以下、PHPプログラム)を開発するためには、開発環境と呼ばれるソフトウェアがいくつか必要になります。今回はそれらがどのようなものかということと、それらをインストールする方法について紹介します。

開発環境として必要なもの

開発環境として、ここでは言語処理系、Webサーバ、データベースをインストールします。それぞれの概要は以下の通りです。

言語処理系

  • PHPにより作成されたプログラムを読み込み、それに書かれた指示を実行します。
  • ダウンロードする場合は、プログラムを実行するコンピュータで動作しているOSに対応したものを選ぶ必要があります。
  • Linux/Macの場合は、あらかじめインストール済みの場合があります。
  • 今回はWindowsバイナリ版をインストールします。

最低限必要な開発環境は、PHPの言語処理系です。これがあればPHPプログラムは実行できますが、それだけではWebアプリケーションとしてWebブラウザからアクセスできるようにすることはできません。

Webサーバ

  • Webブラウザからのアクセスに応じて、PHPプログラムを起動します。
  • PHPプログラムの実行結果を、アクセスしてきたWebブラウザに送り返します。
  • 今回はApacheのWindowsバイナリ版をインストールします。

次に必要なのはWebサーバです。WebサーバはWebブラウザからのアクセスに応じてPHPプログラムを起動し、実行結果をアクセスしてきたWebブラウザに送り返します。この2つが組み合わさって初めてPHPプログラムはWebアプリケーションになるのです。

データベース

  • PHPプログラムやWebサーバとは独立して起動されるソフトウェアです。
  • 一般的に、リレーショナル・データベース(RDB)と呼ばれるものが主流です。
  • データの追加/変更などを行うためにSQLという言語を用います。
  • 今回はMySQLのWindowsバイナリ版をインストールします。

プログラムの内容によってデータベースが必要になることもあります。データベースはPHPプログラムやWebサーバがなくても動作可能で、さまざまなデータを保存することができます。データベースへのアクセスには、主にSQLという言語を用いますが、プログラミングの方法によってはSQLを直接には用いない場合もあります。

ちなみに、データベースにアクセスするWebアプリケーションをWeb-DBアプリケーションと呼ぶことがあります。多くのWebアプリケーションでは、データベースにアクセスする機会が多いと言えます。

開発環境のインストール

インストールは、MySQL(データベース)、Apache(Webサーバ)、PHPの順に行います。ここでは、Windowsマシン(Windows XP Professional SP2)に対して、Windowsバイナリ版をインストールすることを前提として説明します

1. MySQL(データベース)のインストール

インストールするのはMySQL5.1.xです。最後のxは、本稿執筆時点では22-rcですが、バージョンアップによって頻繁に変更されるため、省略していることを表します。rcは正式リリース一歩手前のリリース候補版のことですが、バージョンの先頭が5.1である限り、正式リリースまでに大きな機能の変化はないものと考えてよいでしょう。

詳細はMySQL 5.1 リファレンスマニュアルを参照してください。 インストールのためのファイルは、MySQL 5.1 Downloadsから、Windows Essentials (x86)Downloadをクリックしてダウンロードします。執筆時点のファイル名はmysql-essential-5.1.22-rc-win32.msiです。あとはこれを開くと自動的にインストールが開始されます(図1)。

図1 インストール開始
図1 インストール開始

その後しばらくは/strong>Nextをクリックしていけば良いのですが、その中で具体的な設定が必要な画面を図2~図4に示します。

図2ではデータを保存する際の文字コードを設定します。ここではWindowsと同じシフトJIS(sjis)にしています。Webアプリケーションの内容によっては、中央のBest Support for Multilingualismを選択してUTF-8にすることもあります。

図3では画面下のチェックも入れて、MySQLのコマンドを簡単に実行できるようにしています。図4は画面上でrootユーザのパスワードを入力し、データベースにアクセスするユーザ(ここではあなたとPHPプログラム)がわかるようにしています。

図2 文字コード(画面はシフトJISに設定した場合)
図2 文字コード(画面はシフトJISに設定した場合)
図3 MySQLのコマンドを簡単に実行できるようにする
図3 MySQLのコマンドを簡単に実行できるようにする
図4 rootユーザのパスワードを設定
図4 rootユーザのパスワードを設定

それまで「Next」と表示されていたボタンが「Execute」に変わったら、設定が完了したことを表します。ここまでの設定で間違いがなければクリックし、インストールを実行します。とくに指定しなければC:\Program Files\MySQL\MySQL Server 5.1にインストールされます。インストールが完了したら「Finish」をクリックして画面を閉じます。

最後にスタートメニューの「すべてのプログラム」「MySQL」が表示されれば、データベースのインストールは成功です。

2. Apache(Webサーバ)のインストール

ここではApache 2.2.xをインストールします。ファイル名はapache_2.2.6-win32-x86-no_ssl.msiです。このファイルはApacheのWebサイト(http://httpd.apache.org/)から、from a mirror→Other files→binaries→win32の順にクリックすると見つけられます。2.2.6の部分はバージョンアップなどによって変化します。マニュアルは「Apache HTTP サーバ バージョン 2.2 ドキュメント」を参照してください。

このファイルを開くとインストールが開始されます(図5)。図6で利用条件に同意(上のラジオボタンをクリック)しないとインストールが進められません。そしてサーバのドメインと管理者宛のメールアドレスを設定が必要です(図7)。それ以外は「Next」をクリックしていけば、自動的にインストールが完了します。 最後にスタートメニューの「すべてのプログラム」「Apache HTTP Server 2.2.6」が表示されれば、データベースのインストールは成功です。なお、2.2.6の部分はバージョンアップなどにより変更されることがあります。

図5 インストール開始
図5 インストール開始
図6 利用条件に同意
図6 利用条件に同意
図7 サーバドメインと管理者宛メールアドレスを設定
図7 サーバドメインと管理者宛メールアドレスを設定

3. PHPのインストール

PHPは、ダウンロードサイトから、PHP 5.2.5 installer→jp.php.netの順にクリックしてphp-5.2.5-win32-installer.msiというファイルをダウンロードします。5.2.5の部分はバージョンアップなどにより変更されることがあります。

このファイルを開くとインストールが開始されます。利用条件に同意してチェックをつけないとインストールを続けられませんので注意してください(図9)。とくに指定しなければC:\Program Files\PHPにインストールされます。

図8 インストール開始
図8 インストール開始
図9 利用条件に同意
図9 利用条件に同意

うまくインストールできない場合はPHP 5.2.5 zip packageをクリックしてphp-5.2.5-Win32.zipをダウンロードし、同じディレクトリに展開するという方法もあります。

なお、マニュアルは「PHP マニュアル」を参照してください。


これでPHPプログラミングの準備が整いました。次回からは、いよいよ実践に移ります。お楽しみに。

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