『エンジニアマインド』創刊号の巻頭を飾った座談会。場所を居酒屋に移動して行われた座談会の続編、第2回です。語るは、伊藤直也氏、吉岡弘隆氏、ひがやすを氏、登大遊氏、木下拓哉氏という開発現場の最先端に陣取る5名、司会進行はリナックスアカデミーの濱野賢一朗氏という豪華キャストでお届けしています。
伊藤:木下さんが今の会社に入られたのはいつ頃?
木下:最初に会社作るから来て、って言われた時です。
伊藤:あんまり会社のことを外に言わないから、社員がいたってことが結構驚き。社長が一人でやっていると思ったら違うんですね。
木下: 面白い会社です。余計な情報は外には出してないです。社長の方針です。
伊藤:うちの会社は社長の意向で何でも話せと。
ひが:ベンチャーが財務内容を知られないようにするというのは、高く買わせるためなんですよね。近藤さんはそういうことをしようと思っていない。
伊藤:買ってもらおうとかは思ってないです。上場も仮にするとしても多分結構先の話。むしろ言わないせいではてなって自転車操業しているとか、なると困る。僕が日記に本を捨てましたって写真とか載せて書いたら、コメントに低賃金工とか書かれた。このーって思って。確かにそんなに贅沢はしてないけど、低賃金って言われるほどひどい生活はしてないよ。
ひが:エンジニアが転職したい企業のトップ10にはてなが入ってた。
伊藤:ほんとにそう思ってる人はそんなにいないんじゃない。ノリで言ってるのかも。転職しただけで給料一気に上がったりとかないし、うちの会社に来ても。
ひが:自分のやりたいことができるとか、夢がかなえられるとか、そういうのは大きいと思う。
伊藤:ベンチャーだと普通採用では苦労するんだけど、うちはそういわれればあまり苦労していない。でもちょっと過大評価されているかな。そんなにすごい会社というわけではない。普通です。普通。まあ、うちから出て行きたいという人は今のところいないかな。そう信じたい。僕自身ははてなをやめたとして他に行ける会社がない。
濱野:はてなさんは外から見ると一体感のある会社に見える。珍しい会社。
伊藤:それはあるかも。チームワークとか。社員同士が仲がいいとか。でも、ここまで来るのに色々苦労しているんです。
濱野:そういう苦労をちゃんとして、様になっているというのがはてなのいいところだと皆思っているのでは。
伊藤:表向きには近藤さんってすごく心が広くて、社員に何でも好きなことやらせて、自分はその社員のケツを拭いて、責任とってどーんと構えているように見えるかもしれないけど、ほんとは厳しいところとか結構あって、しょっちゅうやりあってます。アメリカに行って、ちょっと会社が静かになりました。そんなわけで世間一般のイメージとはちょっと違います。それがいやだというわけではないんですが。すごく期待をして採用面接に来られる方も結構いて、そういうんじゃないからというのはあります。今の仕事で好きなことができなくてもううんざりというケースだとたいがい採用にはつながらないですね。現状の仕事を自分の力でどうしようかというのがまず問われるんです。はてなに入りたいというよりは、はてなに入ってもらいたいと思われるようになってもらいたいですね。
ひが:Web 2.