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シェルにログインする
サーバの準備が整ったら、シェルにログインしてLinuxカーネルやRubyなどのバージョンを確認しましょう。
バージョンの確認
シェルにログインできたら、OSなどのバージョンを調べましょう。
RailsでMySQL利用のWebアプリケーションを開発するのが目的なので、( Linux系)OS、Ruby、Rails、MySQL、Apacheについて、シェルからコマンドを実行して調べましょう。いずれかで“ command not found"などのエラーが表示された場合は、インストールする必要があります(図1 ) 。
図1 バージョンの確認
[root@www # uname -a
Linux www.example.com 2.6.18-128.1.6.el5xen #1 SMP Wed Apr 1 10:38:05 EDT 2009 i686 i686 i386 GNU/Linux
[root@www# ruby -v
ruby 1.9.1p0 (2009-01-30 revision 21907) [i386-linux]
[root@www # rails -v
-bash: rails: command not found ← Railsがインストールされていないため
[root@www# mysql --version
mysql Ver 14.14 Distrib 5.1.32, for redhat-linux-gnu (i686) using readline 5.1
[root@www # httpd -v
Server version: Apache/2.2.3
Server built: Nov 30 2008 15:17:29
Rubyのインストール
Rubyがインストールされていないかバージョンが古い場合は、最新バージョンをインストールします。
まず、Ruby最新バージョンのソースコードをダウンロードして展開しましょう。方法はいくつかありますが、ここでは以下の手順で実行します。
wget ftp://ftp.ruby-lang.org/pub/ruby/1.9/ruby-1.9.1-p129.tar.gz
tar zxvf ruby-1.9.1-p129.tar.gz
ここでsuコマンドでrootに切り替えます。
インストールにはgccやccなどのCコンパイラおよびbison、zlib-develなどの開発用パッケージが必要なので、利用可能かどうか確認しましょう。もし利用できない場合は、yumコマンドなどでインストールします。
Cコンパイラも準備できたら、Rubyのインストールを進めます。
cd ruby ruby-1.9.1-p129
./configure --prefix=/usr
make && make install
処理が済んだら、rubyのバージョンを確認しましょう。この例では、「 ruby 1.9.1p129」と表示されれば無事完了です。
最新バージョンをすぐに利用できる@YMCのVPS
@YMCのVPSサービスは、RubyやMySQLなどの最新バージョンがあらかじめインストールされていること、必要に応じて別のバージョンをインストールできることが大きな特長です。オプションとして、RailsやTracなどのインストール代行サービスもあります(図2 ) 。
OSはCentOS 5または4を選択でき、CentOS 5ではRuby 1.9.1とMySQL 5.1.32を選択できます(2009年5月現在) 。CentOS 4ではこれらが古いバージョンになりますので、申し込み時にはOSのバージョンにも注意しましょう。
図2 インストール代行サービス
Railsをインストールする
Railsのインストール
RailsはGemsを使ってインストールします(図3 ) 。Ruby 1.9.1ではRailsGemsが標準で含まれるため、RailsGemsのインストールは不要です。コマンドプロンプトに戻ったら、Railsのバージョンを確認してみましょう。バージョンが正しく表示されれば、インストールは完了です(図4 ) 。
図3 Gemsによるインストール
[root@www# gem install rails
Successfully installed activesupport-2.3.2
Successfully installed activerecord-2.3.2
Successfully installed actionpack-2.3.2
Successfully installed actionmailer-2.3.2
Successfully installed activeresource-2.3.2
Successfully installed rails-2.3.2
6 gems installed
図4 Railsのバージョンチェック
[root@www # rails -v
Rails 2.3.2
なお、メモリが少ない場合、ri/Rdocのインストールに非常に時間がかかる場合があるのでその場合は、
gem install --no-ri --no-rdoc rails
として、ri/Rdocをインストールしないよう指定する必要があります。
次回予告
次回はRailsによるアプリ開発の実践編として、ログイン機能付きスケジューラを作成します。