概要
国内初のAndroid端末に標準搭載された『ポケット羅針盤』の開発を始め,全日本空輸株式会社の『ANA』や,NTTタウンページ株式会社の『iタウンページ』,株式会社三省堂の『三省堂辞書』など,数多くの開発実績を持つテックファ―ムが,Androidアプリ開発の現場で求められる知識を集大成。
「意図しない動作を回避する」
「強制終了しない」
「ユーザにストレスを感じさせない」
「マルチスレッドを使いこなす」
「電池にやさしいつくりにする」
「重要なデータを守る」
「機種依存に考慮する」
「品質を向上させる」
「安全にリリースする」
といった実践的なノウハウをおしみなくまとめた,かつてない1冊。
こんな方におすすめ
- とりあえず動くアプリが開発できるが,現場で求められる知識が足りていないAndroidアプリ開発者
著者から一言
2014年現在,スマートフォン用のOSの中で世界シェア1位といえば,Androidです。スマートフォン以外にも多くの機器に使われ始めていることもあり,Android端末は最も身近な携帯機器といえるでしょう。
しかし,勢いのあるOSだからこそ,開発にはさまざまな苦労があります。普及しているがゆえに多種多様な端末があり,そのためにAndroid OSのバージョンや機種に依存する差違からは逃れることができません。Androidの正しい作法を知らずに,手元の端末で動くことだけを重要視して,場当たり的なアプリ実装をしてしまうと,後に多大な改修の手間に悩まされることになります。
テックファームには,2009年から現在まで5年間,Androidアプリを開発してきた実績があります。一例を挙げれば,国内初のAndroid端末に標準搭載された『ポケット羅針盤』の開発を始め,全日本空輸株式会社様の『ANA』や,NTTタウンページ株式会社様の『iタウンページ』,株式会社三省堂様の『三省堂辞書』など,有名なAndroidアプリの開発に携わってきました。また,高齢者,指や手が不自由な人のための支援アプリ『At-Scan』『At-Switch』を自社開発しています。その間,急速に進化を重ねるAndroid OS自体の歴史とともに,テックファームではAndroidに関するノウハウを蓄積してきました。
本書では,そのような現場で積み重ねてきたノウハウの一部や,開発にあたって理解していないと苦労するポイントなどを紹介しています。これから業務でAndroid開発に携わる方や,ほかのスマートフォンOSで開発経験がある方が,Androidの正しい作法や特性を理解し,より品質の高いアプリを開発し,スムーズなサービス運営まで配慮できるよう,経験則も含めて広い範囲の内容を収めました。
本書の読者としては,Android開発の経験がある人を想定していますが,基本的なJavaのソースコードを読めるプログラマであれば,Androidの経験がなくても,ソースコードを見ながら理解できるでしょう。
この本を品質の高いアプリを作れるようになるためのステップアップ材料にしていただければ幸いです。