概要
業務システム開発でもスマホアプリ開発でも,ユーザ・顧客が納得のいくソフトウェアを実現するためには「要件定義」というフェーズが欠かせません。要件定義とは,「作ってほしい人と作る人の間の合意事項」であり,「UI」「機能」「データ」をどのようにするか決めていくことを言いますが,実際にはこのフェーズをおざなりに開発を進め,プロジェクトが迷走するケースが後を絶ちません。本書では,ソフトウェアの企画・開発に携わるすべての方にとって役に立つ「要件定義」の知識を,豊富な図解とともにわかりやすく解説します。
こんな方におすすめ
- ソフトウェア開発プロジェクトを成功させたいエンジニア全般
- スタートアップ,中小ソフトハウスに在籍し,開発者として上流から下流まで携わる方
目次
第1部 要件定義って何だろう?
Chapter-01 要件定義=要件を定義すること
- どうして要件定義について知りたいの?
- 要件定義とは?
- 要件とは?
- なぜ要件を定義する必要があるのか
Chapter-02 要件定義の基本的な流れ
- 要件定義の基本的な流れを見てみよう
- 要望を出す
- 要望を要求にする
- 要求を検討する
- 代替案を考え,提案する
- 提案への検討から再要求を繰り返し,合意から要件へ
- 要件定義は良い仕事をするための知恵
Chapter-03 定義すべき要件の内訳
- ゴールから逆算する
- UI
- 機能
- データ
- UI,機能,データを定める
Chapter-04 3つの要素の定め方
- 何はともあれUI
- 操作に対して機能が動作すること
- 機能に必要なデータが揃っていること
- UI,機能,データを決める
第2部 要件定義の詳細
Chapter-05 要件定義,その前に
[準備編]
Chapter-06 企画を確認する
- ゴールを確認する
- 企画書を確認できない=ゴールの定義が不明瞭
- 企画書を作成するためにまとめる項目
- 企画の内容を関係者が理解するための企画書
Chapter-07 全体像を描こう
- 全体像を描くプロセス
- 全体像を描く手順
- 全体像を描くときの注意点
- 全体像を魅力的にお化粧する
Chapter-08 大まかに区分けしよう
- サブブロック図を作成する
- サブブロック図を作成する手順
Chapter-09 実装技術を決めよう
- ソフトウェアアーキテクチャの決定
- ソフトウェアアーキテクチャを決める手順
- 実装技術を決める意味
Chapter-10 実現したいことを整理整頓しよう
- 要件定義をスムーズに離陸させるために
- やりたいことを洗い出す
- やりたいことを一覧にする
[助走編]
Chapter-11 利用者の行動シナリオを書こう
- 要件定義のための準備から助走へ
- 利用者の行動シナリオ
- 仕事の構造
- 行動シナリオをどう書くか
Chapter-12 概念データモデルを作る
- 概念データモデルの必要性
- 概念データモデルの作り方
- 概念データモデルを作るときの注意点
[離陸編]
Chapter-13 UIを考えよう
- いよいよ要件定義へ!
- UI を定義するということ
- 対象となるUI をピックアップする
- ラフなイメージを描いてみよう
- 必要な項目を列挙しよう
- 動線を考えよう
- 操作と機能を織り込む
- ディテールを詰める
- 項目の名称について
- 導出項目について
- UI としてのエラーメッセージ
- デコレーション
- UI について考えた結果をまとめよう
Chapter-14 機能について考えよう
- UI の次に定めること
- 機能とは何か
- ワークセットの機能をピックアップする
- 出力を決める
- 処理を考える
- 機能を分割する
- ストア系の機能
- 機能について考えた結果をまとめよう
Chapter-15 データについて考えよう
- 要件定義の要素を再確認
- データベースとは何か
- データベース設計の方法
- ワークセット単位で設計する
- データについて考えた結果をまとめよう
Chapter-16 要件定義の仕上げ
- 足りないワークセットを検証しよう
- CRUD マトリックスを作る
- 精度を高めよう
- 仕上げよう
Chapter-17 要件定義,その後に
- 成果物を確認しよう
- 一覧を作ろう
- 想定問答集を作ろう
- 成果をリリースしよう
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
(2015年3月27日更新)
P.114 図
「図:エイリアス、シノニム、ホモニム」で、シノニム、ホモニムの図が逆になっていました。正しくは下記のようになります。
P.174 カバー袖 羽生章洋氏著者紹介
誤 |
…両社にて当時としては先進的なリッチクライアントによるオンライントレーニングシステムを実現。
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正 |
…両社にて当時としては先進的なリッチクライアントによるオンライントレーディングシステムを実現。
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