目次
はじめに ── あなたがテクニカルライティングを習得すべき理由
- なぜ研究開発で成果を出せないのか?
- 「理解できない」と言われ続けたエンジニア・研究者時代
- 文書作成のための言語化能力と実務能力は相関する
- テクニカルライティングで成果を上げる
- 思考整理のための「黄金フォーマット」
- 本書の構成と各章の概要
- 部下・学生の指導にも役立つ文書作成の方法論
第1章 成果創出の基盤はコミュニケーション能力にあり――なぜ言語化の精度を高めれば実務能力も高まるのか?
- 1-1 実務能力とコミュニケーション能力の意外な関係
- エンジニア・研究者に求められる2つのミッション
- ミッションの遂行に必要な2つの能力
- 軽視されがちなコミュニケーション能力
- 1-2 実務能力 ── 成果を生み出すメインエンジン
- 課題を発見する能力 ── いま何に対して答えを出す必要があるか?
- 解決策を考える能力 ── 設定した課題に対してどうアプローチするか?
- 1-3 コミュニケーション能力 ── 実務能力を伸ばす成長エンジン
- 相対化する能力 ── 自身の取り組みはどのように位置付けられるか?
- 言語化する能力 ── どのように思考を整理し他人が理解できるようにするか?
- 1-4 コミュニケーション能力不足が招く悲劇
- 課題を適切に設定できない ── いま何に答えを出せばよいかが分からない
- 課題にフォーカスできない ── 何をしようとしていたのか途中で迷ってしまう
- 解決方法を思いつかない ── どうすればよいかが分からない
- 内容を理解してもらえない ── 誰にも相談できない
- 1-5 成果を生み出すためのコミュニケーション能力
- コミュニケーション能力の本質 ── 言語化こそが「サイエンス」の過程になる
- 正しい言語化は正しいPDCAを導く ── コミュニケーション能力が組織を変える
第2章 テクニカルライティングの黄金フォーマット――誰もが実践できるフレームワークを用いた思考整理法
- 2-1 研究開発にありがちなコミュニケーションの不調
- 2-2 「黄金フォーマット」にのっとって文章化する
- なぜフォーマットにのっとる必要があるのか?
- 立体的な関係性を重視する黄金フォーマット
- 関係性を満たさないダメな例
- 黄金フォーマットにのっとって改善した例
- 黄金フォーマットを用いる効果
- 2-3 背景 ── 基礎(従来技術)の確認
- 今後の展開を説明するうえでの「基礎」を明確にする
- 必要な「背景」の粒度は聞き手によって異なる
- 「背景」を詳細化するためのピラミッド形式
- 2-4 課題 ── 従来技術では克服できない問題点
- 「課題」を正確に言語化し,仮説の精度を上げる
- 「課題」を詳細化するためのピラミッド形式
- 2-5 手段 ── 新しいアプローチ
- 差分「のみ」をオリジナリティとして抽出する
- オリジナリティを見誤るとインパクトの評価も不正確になる
- 英文を想像して言語化の精度をチェックする
- 2-6 効果 ── 今回の新たな発見
- 「課題」の裏返しが「効果」になる
- 研究開発の過程では結論が課題解決に繋がるとは限らない
- 2-7 さらに改善してみよう ── 黄金フォーマットを意識した説得力のある技術資料
- 2-8 2種類の構成パターン ── 黄金フォーマットを現実化する資料の流れ
- ストーリー重視の「報告・相談型」
- 結論重視の「提案型」
- 2-9 テクニカルライティングのチェックポイント
第3章 評価に繋がる「進捗報告書」――基本を忠実に実践して信用と実績を積み上げよう
- 3-1 すべての基本が詰まった進捗報告書
- 「要約」という高度な能力が求められる
- 黄金フォーマットで理想的な報告を実現する
- ダメな報告書が生み出す悲劇
- 3-2 Before/After ── 自然言語処理の研究に関する週次報告書
- Before ── ダメな進捗報告書
- なぜこの進捗報告書がダメなのか?
- After ── 優れた進捗報告書
- ダメな進捗報告書との違いは何か?
- 3-3 報告書教育が組織を強くする
第4章 納得してもらえる「技術プレゼン」――聞き手とその目的を理解して効果的にアピールしよう
- 4-1 誰に,何のために,なぜプレゼンをするのか?
- 誰に対してプレゼンするのか?(WHO)
- そのプレゼンの目的は何か?(WHAT)
- その内容で目的を達成できると考える理由は何か?(WHY)
- 資料作成の前にストーリーラインを決める
- 4-2 Before/After ── 自然言語処理の研究成果に関する非技術者向けプレゼン
- Before ── ダメな技術プレゼンテーション
- なぜこの技術プレゼンテーションがダメなのか?
- After ── 優れた技術プレゼンテーション
- ダメな技術プレゼンテーションとの違いは何か?
- 4-3 プレゼン資料をもっと魅力的にするために
- プレゼン資料の型に注意する
- スライド間の関係・位置づけを意識する
第5章 予算がとれる「研究企画書」――高い視座から意気込みを示して意思決定を促そう
- 5-1 意志決定のプロセスを理解し,合理的な企画を立案する
- 2つ上の上司に提案するつもりで書く
- 理想的な結果とアプローチの方向性を示す
- 意思決定者の問いに論理的な回答を用意する
- 5-2 Before/After ── 自然言語処理プロジェクトに関する研究企画書
- Before ── ダメな企画書
- なぜこの研究企画書がダメなのか?
- After ── 優れた企画書
- ダメな研究企画書との違いは何か?
第6章 総合力が試される「論文・技術報告」――思考整理で論拠を詰めて必然の結果を得る
- 6-1 民間企業でも推奨される論文執筆
- 6-2 論文の項目は黄金フォーマットの各ボックスに対応する
- 先行研究 ── 黄金フォーマットにおける「背景・前提」
- 課題 ── 黄金フォーマットにおける「課題」
- 手段 ── 黄金フォーマットにおける「手段・アプローチ」
- 結果・分析と考察 ── 黄金フォーマットにおける「効果・結論」
- 結論 ── 黄金フォーマットのすべての欄を総括する
- 6-3 結果が出るまでに論文を書き上げる
- 6-4 最初に報告する相手は自分自身
おわりに――エンジニア・研究者として成果を出し続けるために
- テクニカルライティングで思考を整理して成果を出す
- エンジニア・研究者としての足腰を鍛えよう
- 言語化が改善を生み出す基盤となる