目次
第1章 方程式の歴史をめぐる冒険
- 2次方程式を最初に解いたのは古代バビロニア人
 - 2次方程式に解が2つあることはインド人が発見した
 - 3次方程式の舞台はイタリアになった!
 - 秘密の必殺技はなぜ漏れたのか?
 - 4次方程式にも悲劇の歴史が
 - 方程式と対称性の関係に気づいた人々
 - 悲運の数学者アーベル
 - 天才ガロアの登場
 - ガロアの前代未聞の発想
 
第2章 2次方程式でガロア理論をざっくり理解
- 飽和した数の世界
 - ルート数の作る体
 - 分母の有理化が役に立った!
 - 有理数の拡大体はいろいろある
 - ベクトル空間という見方
 - 2次拡大の2次拡大は4次拡大
 - 体Kをかき混ぜる
 - 体Q(ルート2)の自己同型は2種類ある
 - 体をベクトル空間と見ると同型写像はどうなる?
 - 体Q(ルート2)の自己同型は他にもあるか?
 - 2次方程式でガロアのアイデアをかいつまもう
 - 2次方程式の解から代数体を作ろう
 - 2次体の自己同型を突き止めよう
 - 自己同型を突き詰めていくと解の公式が得られる!
 
第3章 「動き」の代数学〜群とは何か
- 「群」という発想
 - 入れ替え操作から群を作る
 - あみだクジが生み出す群
 - 群を正式に定義しよう
 - あみだクジの秘密
 - 有限群とお近づきになろう
 - まずは,非常にシンプルでばかばかしい例
 - 図形の対称性は群の源だ
 - 群は,私たちの実生活でも役に立っている!
 - Column ガロアの別定理〈前編〉
 
第4章 群は対称性の表現だ〜部分群とハッセ図
- 群のおなかの中の小さな群
 - 正方形の対称操作の群の部分群をすべてみつけよう
 - 巡回群という特別な群
 - ハッセ図とは,部分群の家系図
 - 部分群を使って群全体を分類する
 - 区分けした領域が再び群の構造を持つことがある
 
第5章 空想の数の理想郷〜複素数
- 負数とその平方根
 - 3次方程式の解法がタブーを突破した
 - 虚数単位iは,どっちがどっち?
 - 虚数単位から体を作ろう
 - 空想の理想郷〜複素数
 - 複素数を目に見えるようにする
 - 1のべき根の作る美しい図形
 - べき根を付け加えた体はどんな体か
 
第6章 3次方程式が解けるからくり
- 3次方程式の解の公式
 - 3次方程式の解の公式を学校で教わらない理由
 - フォンタナは3次方程式の解の公式をどうやって見つけたか
 - 3次方程式はなぜ解けるのか
 - 3次方程式の解の作る代数体の自己同型
 - 体Kの自己同型の群とその部分群たち
 - ガロアの発見した部分群と固定体との対応
 - 固定体Mの自己同型はどんな群?
 - ハッセ図から解の公式へ
 - Column ガロアの別定理〈後編〉
 
第7章 5次以上の方程式が解けないからくり
- ガロアの成し遂げたこと
 - ガロアの定理の証明:超ざっくり版
 - ガロアの定理の証明:簡易版
 - 「それなり版証明」を開始しよう
 - 4次方程式で具体例を見てみよう
 - 自己同型写像を全部求める
 - 自己同型群の解への作用
 - 中間体を見つけよう
 - ガロアの基本定理1の証明
 - 解けない方程式の「からくり」はこうだ(それなり版証明)
 - x^5−10x+5=0が解けない理由
 - 6次以上の方程式にも解けないものがある
 - 解ける方程式の「からくり」はこうだ
 
第8章 ガロアの群論のその後の発展
- ガロアの発想は数学の最先端へ
 - こんがらがった紐の理論〜基本群
 - 曲面の上でのループの群を考える
 - ポアンカレ予想を解決したペレルマン
 - 繰り返し模様の幾何学
 - 箱と包み紙の幾何学
 - トーラス面の被覆空間
 - 被覆空間の基本群
 - 被覆空間の基本群は元の空間の基本群の部分群になる!
 - 被覆空間にもガロアが降臨する
 - 微分方程式のガロア理論
 
補足章
- あとがき
 - 参考文献,かつ,お勧めの本
 - 索引