書籍概要

数学のみかた,考え方

暗号から学ぶ代数学

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概要

代数学は,集合論や群論などから学びはじめるのが一般的です。しかしそれらは微分積分や線形代数よりも抽象的な印象があるため,とっつきにくいといわれています。そこで,本書では,暗号技術を切り口にして代数学を実例,活用シーンから理解できるように構成します。暗号技術は今の社会には欠かすことができない技術で,数学だけではなく情報科学としても注目されています。そこで使われている数学が代数学なのです。身近なところで使われている暗号を例にして,素数,ユークリッドの互除法,フェルマーの小定理など高校までに学んだことも盛り込みつつ,代数学の基本である群・体・環の話からRSA暗号,エルガマル暗号の話にまで発展させていきます。

こんな方におすすめ

  • 理工系で代数学を学んでいる人,代数学つまずいている人,暗号の理論やセキュリティなどの技術の仕組みを数学的に知りたい人など

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目次

  • はじめに

第1章 暗号と代数学

  • 1.1 暗号とは何か
  • 1.2 暗号は関数である
  • 1.3 暗号の数学的定式化と例
  • 1.4 暗号と代数系

第2章 シーザー暗号と合同演算,群

  • 2.1 シーザー暗号と合同演算
  • 2.2 群Z/nZ

第3章 ここでちょっと群論

  • 3.1 部分群と位
  • 3.2 位数と部分群からみる巡回群の性質

第4章 ヴィジュネル暗号と群の直積

  • 4.1 ヴィジュネル暗号
  • 4.2 群の直積
  • 4.3 巡回群の直積
  • 4.4 暗号と直積

第5章 エニグマと対称群

  • 5.1 エニグマと群
  • 5.2 n次対称群Sn

第6章 暗号以外の分野に現れる群

  • 6.1 図形の対称性と群
  • 6.2 分子の対称性と
  • 6.3 文様と群
  • 6.4 連続群

第7章 群論への橋渡し

  • 7.1 剰余類と剰余群
  • 7.2 群の構造を比べる

第8章 RSA暗号と環

  • 8.1 RSA暗号と合同演
  • 8.2 環Z/nZ
  • 8.3 環Z/nZの性質とRSA暗号の原理
  • 8.4 RSA暗号とアルゴリズ

第9章 エルガマル暗号と有限体

  • 9.1 エルガマル暗号とその原理
  • 9.2 エルガマル暗号と有限体Z/pZ
  • 9.3 エルガマル暗号と一般の有限体

第10章 環論・体論への橋渡し

  • 10.1 イデアルと剰余
  • 10.2 体
  • さらに学びたい人へ
  • 参考文献
  • 付録A 本書で学んだ定義・定理
  • 付録B 問題の解答
  • 索引

サポート

正誤表

本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

(2026年4月24日最終更新)

P.16 下から7行目

なお,Z は整数全体を表す記号である.
なお,Z は整数全体を表す記号である.13 ページの定義により,Z/nZ は2 以上の整数n に対して定義される.

P.133 下から1行目

n が素数でないならば,
n ≧ 2(13,16 ページの定義)より,n が素数でないならば,

P.147 例10.3

147ページと148ページの誤の式.png

147ページと148ページの正の式.png

P.148 定義

147ページと148ページの誤の式.png

147ページと148ページの正の式.png

P.150 下から5行目

K[x] でも,Z と同様に最大公約数が定義できる.
K[x] でも,Z と同様に最大公約数が定義できる.また,K[x] での割り算(142 ページの問題9.2(1))により,拡張ユークリッド互除法(121ページの定理8.8)がK[x] でも成り立つ.

P.151 上から8行目

(121 ページ)
削除

P.151 上から8行目

α, β ∈ Z
α, β ∈ R

P.160 下から2行目

標数が0 であるとは,1 は0 倍しないと0 にならない,ということである.
標数が0 であるとは,1 は0 倍しないと0 にならない,ということである.
0≠1(110 ページの環の定義)より,charK≠0 ならばcharK ≧ 2 である.

P.161 上から5行目

n01 = 0
n01 = 0(n0 ≧ 2)

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