概要
本書は決して残業をやめて楽をしようという本ではありません。
「決められた勤務時間内を全力疾走して成果を出すために勤務時間外はきちんと休む」
「そのために残業をやめよう」
このようなことを目的とした本です。
本書では,月100時間のサラリーマンエンジニアだった著者が,年間6か月の残業0と有給消化100%を達成するために試行錯誤した「残業しない働き方」を伝授します。
- 残業はなにが問題なのか
- 自分の心の壁はどうの乗り越えるのか
- 残業をしない状態でどうやって周りの信頼を得るのか
- 決められた時間内に成果を出すためにどうするか
- 残業しない事で新たに生まれた時間をどの使うか
これらのことを考え,そして「ITの専門家」として最大限成果を上げるためのノウハウが身につきます。
日々,残業でくたくたになったエンジニアはもちろん,業務でなかなか成果を出せないエンジニアにもぴったりな1冊です。
こんな方におすすめ
- SIerやITベンダーに勤めるSE,ITエンジニアの方
- 残業に苦しむエンジニアの方
著者から一言
本書は,残業をやめて楽をしようという本ではありません。むしろ,決められた勤務時間内を全力疾走して成果を出すために勤務時間外はきちんと休む,そのために残業をやめようという本です。
世の中の残業に対する考え方は大きく変わってきました。以前はあたりまえだった「サービス残業」は違法と認知され,「過労死」という言葉が広まり,「ライフワークバランス」も重要視されています。仕事だけに人生を捧げるのではなく,私生活も充実させようという考え方が一般的になりました。
世の中の動きに合わせて,エンジニアの環境も以前よりはだいぶましにはなりました。しかし,残業せずに働けているエンジニアはまだまだ少数派です。一般的に「残業は悪」という考え方が広まってきても,現場では「自分たちは違う」と考えてしまうことが多く,「ITエンジニアだから残業は仕方ない」と日々夜遅くまで働いている方がたくさんいます。
しかし,本当にエンジニアだから残業は仕方ないことでしょうか?
私は,「逆にエンジニアだからこそ残業をしてはいけない」と考えています。なぜなら,IT エンジニアは何かを創造し,誰かの問題を解決する知的労働者,つまりITのプロフェッショナルであるべきだからです。
私自身も,以前は深夜残業や休日出勤があたりまえのエンジニアでした。有給休暇もほとんど消化できず,休むのは熱を出して倒れた時だけでした。
しかし,『「残業ゼロ」の仕事力』(吉越浩一郎著)という本と出会い,残業に対する考え方が根本から変わりました。
この本を手にとったきっかけは,「残業しないで成果を出せるのなら,残業をすればもっと成果を出せるだろう」という軽い気持ちでした。ところが,この本は,残業の問題点や弊害をいくつも挙げており,成果を出せるテクニックを紹介したものではなかったのです。
残業ゼロの働き方は自分の人生を変えました。まず日々の心身の充実度合いが違います。以前は常に疲れた状態で出勤していたのが,残業をやめた後は,目覚まし時計も使わず毎日すっきりと1日をスタートできるようになりました。また,バスケットボール,マラソン,サイクリング,トライアスロンなど新たな趣味に没頭できるようになったのも残業をやめた後でした。
本書では,私が20年のエンジニア人生の中で考え,残業しない働き方を手に入れた以下のようなノウハウを凝縮しました。
- 残業の問題点
- 自分の心の壁を乗り越える方法
- 残業しないで周りの信頼を得る方法
- 決められた時間内に成果を出す方法
日々残業で疲れ切ったエンジニアの方はもちろん,業務でなかなか成果を出せない方にも何かヒントになれば幸いです。