概要
カーボンニュートラル実現に向けて各業界が技術開発を進める中,資源の大半を輸入にたよる日本では,エネルギー不足が深刻となっています。
CO2を排出しないとされる電力ですが,現在日本では化石燃料を使用する火力発電が主体となり,電気をつくる段階でCO2の排出量が多くなっています。これにより太陽光,風力などの再生可能エネルギーの導入が急ピッチで進められていますが,それだけでは民生,産業での電力をまかなうことができないのが現状です。
カーボンニュートラル化を進めつつエネルギー不足を解消するためには,極力化石燃料にたよらないエネルギーを選択する必要があり,電化が難しい鉄鋼などの産業分野では排熱を利用する技術の実証実験,一部導入が進められています。世界の最終エネルギー消費に占める熱需要のシェアは50%といわれており,電化が難しい産業,貨物輸送,都市ガスなどについては省エネやヒートポンプを組み合わせた熱利用技術,民生では高効率住宅(ZEH)というような分野での熱の有効利用が鍵になります。
本書では,好評既刊の「図解でわかるカーボンリサイクル」「カーボンニュートラル」「再生可能エネルギー×電力システム」を執筆したエネルギー総合工学研究所の国の政策に精通する著者陣が,国内外を含めた産業のみならず経済を踏まえた上で熱利用の現状,最新技術について解説します。
こんな方におすすめ
- ヒートポンプ,蓄熱利用技術などなどの熱利用技術について知りたい学生,産業関係の方
- 排熱を利用した省エネ技術について知りたい産業関係の方