概要
組織設計,プロダクトの開発と運用,そしてガバナンスまで
「サステナブルな開発組織」のためのハンドブック
本書が示すのは,目先の開発を乗り切るための一時的なテクニックではありません。変化に適応し,継続的に価値を生み出し,成長し続ける「サステナブルな開発組織」をゼロから築き上げるための,具体的で実践的なロードマップです。
組織作りとリーダーの役割(1・2章)
- サステナブルな開発組織とはどのようなものか
- 開発組織を導くCTOの役割
- EM(エンジニアリングマネージャー)やTL(テックリード)との協働
開発組織の設計と運用(3・4章)
- コンウェイの法則やチームトポロジーといった理論を基にした,チームの設計手法
- エンジニア採用や評価制度の勘所
- DORAやSPACEフレームワークを用いたサステナブルな組織運営
プロダクトの開発と運用(5・6・7章)
- 安定した開発体制のためのCI/CD,テスト戦略,リリース戦略
- 変化に強いプロダクトのアーキテクチャ設計,データマネジメント,オブザーバビリティ
- 安定稼働を支えるプロダクションサポート体制(レイヤードサポートモデル,Runbook,インシデント対応)
ガバナンス(8章)
- 日々のプラクティスとガバナンスのつながり
- 会計と監査の視点でみる開発組織
こんな方におすすめ
- 内製開発組織を立ち上げることになった人
- スタートアップでゼロからエンジアリングチームを作ることになった人
- 組織の成長を見据えた運営をしたいリーダーやマネージャー
目次
第1章 ビジネスを成功に導く「サステナブルな」開発組織
- 1-1 なぜ今,開発組織の「あり方」が重要なのか?
- 1-2 開発組織が直面する根深い課題
- 1-3 「サステナブルな開発組織」とは何か?
- 1-4 本書のターゲットと構成
第2章 開発組織のリーダーの役割
- 2-1 CTOの役割
- 2-2 エンジニアリングチーム立ち上げ期におけるCTO
- 2-3 組織ポリシーの策定
- 2-4 意思決定の原則
- 2-5 リスク管理
- 2-6 社内外のステークホルダーとのコミュニケーション
- 2-7 まとめ
第3章 開発組織の設計
- 3-1 ビジネスを成功に導くチーム設計
- 3-2 ゼロからの組織設計:最初のチームをどう作るか?
- 3-3 チームトポロジーを活用してチームをスケールさせる
- 3-4 素早いリソース確保が可能な外注開発
- 3-5 コンテキストフルな内製開発
- 3-6 まとめ
第4章 開発組織の開発と運用保守
- 4-1 開発組織の開発にはリーダーのコミットが重要
- 4-2 エンジニアの採用
- 4-3 評価と報酬制度
- 4-4 報酬制度
- 4-5 開発組織を評価する
- 4-6 チームの成長とスキル開発
- 4-7 まとめ
第5章 安定してスケール可能な開発体制の構築
- 5-1 ソフトウェア開発サイクル(SDLC)
- 5-2 システム環境
- 5-3 バージョン管理
- 5-4 プルリクエストの効果的な運用
- 5-6 テスト戦略とプロセス
- 5-7 CI/CD
- 5-8 リリース戦略
- 5-9 まとめ
第6章 成長と変化を見据えたプロダクト開発
- 6-1 アーキテクチャの選択:ビジネス価値と変化への適応
- 6-2 主要なアーキテクチャパターン
- 6-3 複雑さに立ち向かうためのドメイン駆動設計(DDD)
- 6-4 アーキテクチャ決定のプロセスと記録
- 6-5 外部連携の要となるAPIの設計と管理
- 6-6 API設計時に考慮すべき原則
- 6-7 API Gateway Patternの活用
- 6-8 プロダクトの寿命を支えるデータマネジメント
- 6-9 オブザーバビリティ(可観測性)の確保
- 6-10 まとめ
第7章 サービス安定稼働のためのプロダクションサポート
- 7-1 プロダクションサポートの価値
- 7-2 アラートシステムの設計と運用
- 7-3 プロダクションサポートの実践
- 7-4 レイヤードサポートモデル
- 7-5 Runbookによる知識の標準化と効率化
- 7-6 サポートローテーション
- 7-7 インシデントマネジメント
- 7-8 インシデント対応の具体的なプロセス
- 7-9 サポートメトリクス
- 7-10 まとめ
第8章 信頼と成長を支えるガバナンス
- 8-1 なぜ開発組織にガバナンスが必要なのか?
- 8-2 ITGCの視点からみるガバナンスの全体像
- 8-3 変更管理
- 8-4 運用管理
- 8-5 アクセス・セキュリティ管理
- 8-6 ソフトウェア開発と会計
- 8-7 監査に備える:開発組織としての準備と心構え
- 8-8 まとめ
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
P.18 図2-1