概要
「鉄鋼業界」の全体像と仕事のしくみを解説する業界入門の決定版。鉄鋼業界は,ビル,自動車,船,電化製品,再生可能エネルギーといった現代社会の基盤を支える巨大産業です。しかし,その工程,企業構造,仕事の実態,制度との関係性などは,外部からは見えにくく,複雑さゆえに正しく理解されていないのが現状です。本書は,鉄鋼の種類や技術といった素材の基礎から,鉄鋼業界の構造や流通,現場で働く人々の役割,脱炭素やグリーンスチールなどの最新動向までを,視覚的に整理しながら体系的に解説します。特に強調したいのは「鉄をつくる現場」のリアルな姿。製造工程だけでなく,営業・物流・開発・品質・DXといった現代の多様な仕事のつながりをチームで鉄をつくるという視点で描き出すことで,業界に対する理解と興味を深める構成となっています。
こんな方におすすめ
- 鉄鋼業界を志望する大学生・大学院生(文系・理系問わず)
- 鉄鋼メーカー・商社に入社した新人・若手社員
- 製造業や重工業分野で鉄鋼を扱う企業の関係者,または投資家
目次
Chapter 1 鉄鋼業界の全体像
- 01 鉄鋼業界とはどんな業界か
- 02 鉄鋼のサプライチェーンを俯瞰する
- 03 高炉と電炉
- 04 寡占が進む業界構造
- 05 日本の基幹産業を支える鉄鋼
- 06 脱炭素とグリーンスチール
- 07 世界に広がる鉄鋼業
- 08 鉄の価格と原料市況の変動要因
- 09 鉄鋼業と国家戦略・安全保障
- 10 進むグローバル再編と提携
- COLUMN 1 鉄鋼業界は「素材産業」であり「戦略産業」
Chapter 2 海外の主要企業の状況
- 01 中国宝武鋼鉄集団(中国)
- 02 鞍鋼集団(中国)
- 03 河鋼集団(中国)
- 04 アルセロール・ミッタル
- 05 ポスコ(韓国)
- 06 JSWスチール(インド)
- 07 クリーブランド・クリフス(アメリカ)
- COLUMN 2 鉄鋼はグローバル競争の最前線にある
Chapter 3 国内の主要企業の状況
- 01 日本製鉄
- 02 JFEスチール
- 03 神戸製鋼所
- 04 東京製鐡
- 05 大和工業
- 06 愛知製鋼
- 07 プロテリアル(旧日立金属)
- COLUMN 3 強みの文化と生き残り戦略
Chapter 4 社会を支える鉄鋼の用途
- 01 建築・住宅
- 02 自動車
- 03 インフラ・橋梁
- 04 エネルギー・プラント
- 05 家電・OA機器
- 06 食品・医療・精密機械
- 07 再利用されて生き続ける「鉄」
- 08 サステナブル建築と鉄骨構造
- 09 交通インフラ・物流
- 10 超高層・超軽量・超高強度
- COLUMN 4 社会の骨格として働く鉄鋼
Chapter 5 鉄づくりの現場を動かす人と仕事
- 01 製造オペレーター
- 02 設備保全
- 03 品質管理
- 04 営業職
- 05 原料調達と物流を担う職種
- 06 技術職・開発職
- 07 安全・環境管理
- 08 海外輸出・貿易実務
- 09 DX導入で変わる現場と人材
- 10 現場力をつなぐチームワーク
- COLUMN 5 現場力とチームワークの本質
Chapter 6 鉄鋼ビジネスとマネジメント
- 01 エンジニアリングの仕事と設備設計
- 02 調達部門のしくみとコスト管理
- 03 サプライチェーンと在庫戦略
- 04 品質・安全・環境のマネジメント
- 05 データに基づく製品分析と検証
- 06 管理部門とオフィス業務
- 07 海外ロジスティクスと国際対応
- 08 工程をまたぐ「調整力」の実務
- 09 組織と人事・制度設計
- 10 マネジメント業務の全体像
- COLUMN 6 鉄鋼を支える舞台裏のマネジメント
Chapter 7 鉄鋼業界で「働く」ということ
- 01 雇用と就業者
- 02 交替制勤務・夜勤体制
- 03 労働時間と残業
- 04 働き方改革と勤怠管理
- 05 安全衛生管理
- 06 ロボット化・自動化
- 07 女性・高齢者・外国人
- 08 福利厚生制度
- 09 教育・研修・技術継承
- 10 鉄鋼業界の未来と新しい働き方
- COLUMN 7 変革期の鉄鋼業で新たな「匠」を目指す
Chapter 8 鉄鋼技術の革新と未来戦略
- 01 高炉・電炉の革新と水素還元製鉄
- 02 鉄鋼×AI・IoT・自動化の最前線
- 03 先進素材としての高機能鋼・超鋼
- 04 鉄鋼業が挑む「グリーン革命」
- 05 サーキュラーエコノミーとリサイクル
- 06 カーボンフットプリントの見える化
- 07 脱炭素時代の鉄鋼業
- 08 鉄鋼業×他産業のクロスイノベーション
- 09 公共政策・規制・グリーン投資
- 10 未来を切り拓く鉄鋼技術
- COLUMN 8 価格競争を勝ち抜くブランド戦略
Chapter 9 鉄鋼業界に関係する法律・ルール
- 01 なぜ法規制が重要なのか
- 02 労働安全衛生法と現場管理のルール
- 03 環境基本法と製造過程の規制
- 04 温室効果ガス排出規制とカーボン政策
- 05 建築基準法と鉄鋼製品の品質
- 06 リサイクル法と鉄スクラップの管理
- 07 貿易管理法と鉄鋼製品の輸出入ルール
- 08 独占禁止法と業界再編・価格調整
- 09 特定技能制度と外国人労働者の受け入れ
- 10 業界団体・認証制度と自主ルール
- COLUMN 9 安全・環境・取引を支える枠組み
サポート
正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
P.58 冒頭2行目
P.58 冒頭2行目
P.58 「大和工業の電炉と国内拠点」3行目
| 誤 |
兵庫県姫路市の拠点 |
| 正 |
拠点のある兵庫県姫路市 |
P.58 「大和工業の電炉と国内拠点」4行目
P.58 「大和工業の電炉と国内拠点」6〜7行目
| 誤 |
都市で回収される鉄スクラップを主原料とする循環型製造モデル |
| 正 |
鉄スクラップを主原料とする資源循環モデル |
P.58 「海外展開とビジネスモデル」2行目
| 誤 |
アメリカでは、アルセロール・ミッタルとの合弁会社AM/NS Calvertを通じて鋼板を製造し、自動車やエネルギー関連などの現地需要に対応しています。中東地域でもサウジアラビアなどで電炉事業を展開し、インフラ向け鋼材を供給しています。いずれの地域でも、現地調達・現地生産・現地販売 |
| 正 |
アメリカでは、米国最大手の鉄鋼メーカーNucorとの合弁会社Nucor-Yamato Steelを1987年に設立。現在に至るまで、競争の激しい北米マーケットに於いて形鋼トップクラスのシェアを獲得し、順調に成長を続けております。タイでは、同国におけるトップ企業の1社であるSiam CementとSiam Yamato Steelを設立。現在タイ国最大の形鋼メーカーとして、東南アジアマーケットでの形鋼製品普及に貢献しております。いずれの地域でも、「地産地消」 |
P.58 海外展開とビジネスモデル」9行目
| 誤 |
大手高炉メーカーとは異なる独自の立ち位置から、電炉ビジネスの可能性を広げています。中堅企業ならではの機動力を活かした成長戦略 |
| 正 |
電炉ビジネスの可能性を広げており、機動力を活かした戦略 |
P.58 側注のタイトル
P.58 側注
| 誤 |
AM/NS Calvert アルセロール・ミッタルと日本製鉄が米国アラバマ州に共同保有する高級鋼板製造拠点。自動車向けを中心に、北米市場での高付加価値製品の供給拠点となっている。 |
| 正 |
削除 |
P.59 「大和工業のニッチ電炉グローバル戦略」主力製品
P.59 「大和工業のニッチ電炉グローバル戦略」海外展開
| 誤 |
アメリカ(AM/NS Calvert)現地合弁で鋼板製造 |
| 正 |
アメリカ(Nucor-Yamato Steel)現地合弁で形鋼製造 |
P.59 「大和工業のニッチ電炉グローバル戦略」海外展開
| 誤 |
中東(サウジアラビアなど)インフラ向け鋼材供給 |
| 正 |
東南アジア タイ・ベトナム・インドネシアで形鋼製造 |
P.59 「大和工業のニッチ電炉グローバル戦略」展開スタイル
P.59 「大和工業の主力事業」電炉による製鋼
| 誤 |
ニッチ市場向けの特殊鋼・汎用鋼を中心に製造。 |
| 正 |
汎用鋼を中心に製造。 |
P.59 「大和工業の主力事業」建材向け製品
P.59 「大和工業の主力事業」輸送・物流インフラ
| 誤 |
原材料の効率的な輸送を目的とした物流機能を自社で保有 |
| 正 |
原材料・製品の効率的な輸送 |
| 誤 |
工場近接の港湾施設や鉄道ターミナルと連携し、大ロット輸送に対応 |
| 正 |
工場近接の港湾施設があり、内航船を自社保有 |
P.59 「大和工業の主力事業」環境・資源対応
P.58~59の該当箇所を修正したPDFは下記からダウンロードできます。
- steel industry_p058-059.pdf