書籍概要

未来エコ実践テクノロジー

図解でわかる二酸化炭素地中貯留
〜ネットゼロ達成の切り札CCS〜

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概要

国際エネルギー機関(IEA)は2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとする「ネットゼロ」を達成にむけ,CO2を回収して地中に貯留するCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)を欠かせない技術の一つと位置付けています。日本においても,2024年にCCS事業法が公布され,実用化に向けた取り組みが本格化しています。

本書では,石油・天然ガスの探鉱・開発に長年携わってきた技術者の知見をもとに,CO2を安全かつ合理的に地中へ貯留する技術について,図やイラストを交えてわかりやすく解説します。国内外で進む実際のCCS事業や,日本のCCS事業法をはじめとする法制度,国際ルール,事業化の課題や社会的受容にも触れ,CCSの全体像を体系的に理解できる内容です。

こんな方におすすめ

  • 二酸化炭素地中貯留(CCS)技術の全体像を知りたいエネルギー関連事業者,研究員の方
  • 脱炭素ビジネスを手掛ける企業の担当者

サンプル

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目次

第1章 気候変動とCO2濃度の関係

  • 1.1 地球の歴史46億年の気温とCO2濃度の変遷
  • Column1 氷河期の周期的な気温変化のしくみ:ミランコビッチ・サイクル
  • 1.2 地球温暖化に対するIPCCからのメッセージ
  • 1.3 カーボンバジェットの意味とその不確実性
  • 1.4 過去の再現・将来予測に用いた全球気候モデル
  • 1.5 CO2の排出量予測
  • 1.6 温暖化対策のためのCCSの重要性
  • Column2 地中貯留とは

第2章 ネットゼロとCCS

  • 2.1 国際エネルギー機関のネットゼロシナリオ
  • 2.2 水素社会でのCCSの役割
  • 2.3 CCSの活用分野と課題
  • 2.4 CCSと競合する技術と課題
  • 2.5 CCSの経緯と動向
  • 2.6 CCS事業の世界的動向
  • 2.7 日本のCCS関連事業
  • 2.8 CO2とGHG排出削減量の算定

第3章 CO2の分離回収

  • 3.1 分離回収技術の原理と課題
  • 3.2 CO2分離回収方法と特徴
  • 3.3 大気のCO2を直接回収するDAC装置
  • 3.4 CO2分離回収の今後の課題

第4章 CO2の輸送方法と圧入設備

  • 4.1 パイプラインと船舶でのCO2輸送
  • 4.2 CO2輸送の方法と特徴
  • 4.3 パイプラインのCO2輸送方法
  • 4.4 船舶のCO2輸送方法
  • 4.5 CO2輸送の今後の課題
  • 4.6 圧入:地表設備

第5章 CO2圧入のための坑井設備とその課題

  • 5.1 CO2の地中貯留のための坑井設備と坑口装置
  • 5.2 坑井を保護するケーシングとチュービング
  • 5.3 CCS事業で掘られるさまざまな坑井の役割
  • 5.4 CCS坑井のモニタリング
  • 5.5 坑井を制御するための坑口装置
  • 5.6 坑井装置の材料などの問題
  • Column3 坑井掘削ビジネス

第6章 CO2圧入と貯留メカニズム

  • 6.1 地中貯留に影響するCO2の主な特性
  • 6.2 CO2貯留に適した地層
  • 6.3 CO2の地層への圧入
  • 6.4 貯留メカニズム
  • 6.5 地中貯留能力の3つの要素
  • Column4 炭酸塩岩層とCO2地中貯留

第7章 CO2地中貯留モデリングと貯留資源量

  • 7.1 地中貯留と油ガス採取との違いと課題
  • 7.2 帯水層の空間領域と境界条件の設定
  • Column5 E&E論文をめぐる論争
  • 7.3 地質モデルの構築
  • 7.4 動的シミュレーションの活用
  • 7.5 CO2の貯留資源量

第8章 CO2地中貯留の操業管理とモニタリング

  • 8.1 CO2圧入操業の概要と安全・効率的な実施
  • 8.2 モニタリングの目的
  • 8.3 微小振動検知とトラフィックライトシステム
  • 8.4 長期間の安全・信頼性維持のための廃坑技術
  • Column6 CO2濃度とHSE

第9章 CO2の地中利用技術 ~EOR/EGR/ECBM~

  • 9.1 CO2利用の可能性と課題
  • 9.2 石油の採取法
  • 9.3 CO2-EORのメカニズムと課題
  • 9.4 CO2-EORのCO2・GHG削減効果
  • 9.5 カーボンネガティブ原油によるCO2・GHG削減効果
  • 9.6 CO2を圧入してガス回収を増進するCO2-EGR技術
  • 9.7 CO2を圧入してメタンを回収するECBM技術
  • Column7 相対浸透率と毛細管圧力

第10章 CCSの事業化に向けた政策と法律的な枠組み

  • 10.1 カーボンプライシング:CCSの採算を左右する「価格の仕組み」
  • 10.2 炭素税:競争力・逆進性を持つ価格シグナル
  • 10.3 排出量取引:総量規制×市場で「低コスト削減」を引き出す
  • 10.4 補助金・税制優遇:初期案件の採算をつくる
  • 10.5 主要国比較:炭素価格水準とCCS事業化政策
  • 10.6 CO2輸送・貯留に関する国際法の枠組み:ロンドン議定書とCO2輸出のルール
  • 10.7 日本でのCCS関連法制度と課題

第11章 CCS の大規模事業化とハブ&クラスター

  • 11.1 ハブ&クラスター方式の概念と構成
  • 11.2 CCSのコスト構造
  • 11.3 ハブ&クラスター方式のメリットと課題
  • 11.4 ハブ&クラスター開発の条件
  • 11.5 世界のハブ&クラスターの導入動向:国別の特徴
  • 11.6 CCSハブ&クラスターの代表事例
  • 11.7 今後の展望と日本への示唆
  • Column8 炭素国境調整メカニズム

第12章 CCSを導入するための社会受容性の形成

  • 12.1 CCSの社会での現状認識
  • 12.2 CCSの認知度・関心度・受容度
  • 12.3 CCSの受容度を示すNIMBYとYIMBY
  • 12.4 CCSの社会受容性を構成する要素と課題
  • 12.5 推奨パブリック・アウトリーチと事例
  • 12.6 CCS社会受容性の今後の課題と対応策

付録1 CO2が気候変動の主因とする見解への慎重論

  • 1.1 CO2による温暖化効果の推定には大きな幅がある
  • 1.2 将来予測の不確実性
  • 1.3 観測系の系統差とGCM過大評価の可能性
  • 1.4 CO2収支モデルによる濃度予測の再検討
  • 1.5 CO2と気温の因果方向に関する見解の相違
  • 1.6 気候変動の考え方に対する留意点と今後の課題

付録2 大規模CO2地中貯留の事例

  • 2.1 ノルウェーのSleipnerプロジェクト
  • 2.2 アルジェリアのIn Salahプロジェクト
  • 2.3 ノルウェーのSnøhvitプロジェクト
  • 2.4 カナダのQuestプロジェクト
  • 2.5 オーストラリアのGorgonプロジェクト
  • 2.6 カナダのWeyburn-Midaleプロジェクト

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