概要
- AIとおしゃべりするのは人間関係から逃げているだけ?
- AIに酷いこと言うのは何がいけないの?
- AIにも「権利」があるの?
- AIを大切にしなくちゃいけないの?
明らかに人間ではないが,人間と見分けがつかない応答を返してくるAI。そんなAIは単なる道具として扱っていいのか,絆を結ぶ存在として尊重するべきなのか――本書ではAIと人間が共存する未来をよく生きるためのヒントを,カントをはじめとする哲学者たちの思索から探ります。
これは今日もAIに話しかけている,あなたのための一冊です。
こんな方におすすめ
- AIがより人間らしく進化する可能性に期待と不安を持っている人
- AIとのやり取りに心地良さを感じる反面,これでいいのかなあと違和感もある人
目次
はじめに
第1章 AIがくれる安心,AIが生む不安
- AI技術の現状
- AIを恋人にする人たち
- AIに依存してしまうリスク
- AIパートナーは支えにも,危うさにもなる――期待とためらいのあいだで
第2章 AIとの愛は「本物」なのか?
- 愛や友情で結ばれた関係とは何なのか?
- シミュレーション? 欺瞞? 「AIへの愛」批判
- 思いやりを演じるAI――シェリー・タークルの警告
- AIとの関係は「自己欺瞞」である――ロバート・スパローの警告
- 人に向けるはずの気持ちを,AIに向けてしまう――ジョアンナ・ブライソンの警告
- その愛は本当にニセモノなのか? 「AIへの愛」擁護
- 人間とロボットの間に愛が成立しうる――デイヴィッド・レヴィの大胆な主張
- 友情は見かけ上の相互性で成り立つ――ジョン・ダナハーの行動主義
- AIとの関係は「よい」か「悪い」かで片付くのか?
- AIとの親密さは本当に危険なのか:批判派への懐疑
- AIとの友情は「行動」だけで成り立つのか:擁護派への懐疑
- AIは人間と同じではないからこそ,その関係の価値をバランスよく考える
- 歓迎とためらいのあいだで――AIとの親密な関係を考えるために
- コラム1 それは誰との関係なのか――デジタル複製技術の可能性
第3章 AIへの罪悪感
- AIに対するふとした配慮の場面――どこが倫理の問題なのか
- 人への暴力は悪い! AIへの暴力は悪い?
- ロボットがかわいそう?――ボストン・ダイナミクスの実験
- ロボットへの配慮は人間への配慮?――ケイト・ダーリングの挑戦
- AIのためではなく,私たち自身のために
- AIやロボットを虐待すると,共感能力が弱くなる?――カントの古びないアイデア
- それでも残る疑問――本当に人への態度につながるのか?
- 極論に走らない仕方で――豊かなAI共生社会を展望するためのもう一歩
第4章 AIを大切に思うのはまちがっているのか?
- AIへの配慮は,誰のためのものか
- AIとの関係を大事にする人の感情をケアすること
- AIへの愛を守る――カミル・ママクの提案
- AIとの関係性を尊重するのは義務である――カント再び
- 重要な留保――その関係は健全なのか
- AIとの関係をどう受け止めるか――誰のためのAI倫理?
第5章 AIに権利を与える!?
- AIに権利はない,当たり前に思えるけど?
- AIの権利は幻想か――AI,ロボット,あるいは人格
- 権利を認めるとはそもそも何なのか――AIの権利を考えるために
- AIに権利を持つ資格があるのか――性質や能力の有無
- AIの社会的・制度的位置づけ――動物や自然の権利から考える
- AIの権利は関係的に付与されうる――ガンケルの挑戦
- AIの権利をまじめに認めるべきではない――慎重派の議論
- AIの権利も無視できないかもしれない――企業の動向
- AIの権利は,AIではなく私たちの問題である
- コラム2 AIが意識をもたないと断言できない――揺れ動くAI意識論
「AIに恋しちゃダメですか?」
あとがき