書籍概要

「良い音」の秘密 録音エンジニアの証言で紐解く、音楽を伝える技術

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概要

高級オーディオを揃えるだけでは「良い音」は聞こえない――。

「音のバランスが悪いのでは?」
「ジャズバーのような臨場感がない」
「録音の音って"ありのまま"なんじゃないの?」
「アナログレコードのほうが気持ちよく聞こえる気がする」
「打ち込みは生演奏の劣化版でしょ?」

etc.

音楽を愛し、音質にこだわる中でいただくであろう「どうしてこんな風に聞こえるのか?」という疑問の数々。その答えは「録音」の現場にあるかもしれません。

中心となるパートは何か? マイクをどこに置くか? 機材は何を使うのか? 映像と音源はどうリンクさせるのか? AIにいかに向き合うべきか......。

数々のコンサート運営や音源制作にたずさわる音楽プロデューサーが、一流エンジニアへのインタビューを通して、音が生まれる瞬間の哲学に迫ります。

音楽の聴こえ方が変わる、「録音」の世界を掘り下げる一冊。

【本書に登場するエンジニア】

  • 内沼映二
  • 高田英男
  • 深田晃
  • 北村勝敏
  • 鈴木浩二
  • 房野哲士
  • 森﨑雅人
  • 入交英雄
  • 安田博城

こんな方におすすめ

  • 制作の裏側に興味がある音楽ファン
  • 録音について知りたい人
  • 「良い音」にこだわりがある人

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目次

第一章 「良い音」の原点

  • そもそも「良い音」とは何か
  • 録音メディアの幕開けと技術革新
  • SP盤とアコースティック録音の時代
  • レコーディング・エンジニアの登場
  • ビクター社の躍進とニッパー
  • 日本のレコード産業の動向
  • 直接音を刻むことの魅力と限界
  • 磁気テープが可能にした「編集」

第二章 「音は時代を映す鏡」――内沼映二

  • 日本の録音文化の象徴・内沼映二
  • 録音家としての原風景
  • 筒美京平との出会い
  • 「音楽そのものが変わった」24ch化
  • 世界に先んじた日本のデジタル録音技術
  • ミキシング・コンソールとスタジオが変えた音楽の景色
  • DAWの登場「一気に便利になった。一方で……」
  • 音響的なスペックではなく,音楽を人がどう感じるか
  • 移り変わる音楽の世界を貫く録音の倫理

第三章 スタジオ録音の思考――高田英男

  • 録音は「鳴っている音をそのまま録る」仕事ではない
  • 「内沼さんが使うと,同じコンソールでも音が全然違う」
  • ホールでは得られない音がスタジオにはある
  • 音楽の重心を決めるミキシング
  • スタジオとは「必要な音を選べる場所」
  • エンジニアの仕事と必要な能力
  • 現実を超えた音を創作する
  • 人の耳の判断によって音楽は生まれる
  • コラム:エンジニアの耳

第四章 ホール録音の哲学――深田晃

  • 個性豊かなホールの特徴を掴む
  • 深田晃の来歴と哲学
  • ホール録音におけるマイキング
  • 吊り方式の良さと厳しさ
  • 深田ツリーという「考え方」
  • 全体を捉える視点,重心を探る視点
  • 「自然な音」を整え続ける
  • コラム:オーケストラ録音で,最後に判断するのは誰か

第五章 アナログとデジタル――北村勝敏

  • アナログはデジタルより「良い」のか
  • 現代の録音はアナログとデジタルが混じり合っている
  • アナログは音に「痕跡」を残す
  • 「アナログの良さ」の正体
  • アナログレコードの魅力と復活
  • アナログレコード制作の最後を担うカッティング・エンジニア
  • カッティングとは何か
  • 古い盤にだけ刻まれるもの
  • 最後の現実主義者

第六章 録音しないで作る音楽――鈴木浩二・房野哲士・森﨑雅人

  • エンジニアへの誤解
  • 人工的な音の意図
  • マスタリングとは何か
  • 他人の耳を介して戻ってくる音
  • 保存と改造の間にあるリマスタリング
  • 「どう聴かれるか」と「どう届けたいか」を考える
  • 反復のなかで輪郭を蓄積させる
  • 演奏の外側にある聴き手への回路
  • コラム:音を言葉で注文すること

第七章 空間を録音する――入交英雄

  • 録音は空間の気配を残せるか
  • 大阪万博での体験と衝撃
  • ステレオの洗練と限界
  • 音楽の感動をどう伝えるか
  • 空間をキャプチャする具体的な実践
  • 広がる立体音響の入口
  • 重要なのは“揺らぎ”と“気配”
  • 音楽が空間を背負う難しさ

第八章 音楽と映像――安田博城

  • 音楽は映像が前提の時代に
  • 画面や視線に対する新たな責任
  • 体験を設計する機材と判断力
  • 「見えるもの」と「聞こえるもの」のズレ
  • 多様化する映像配信と複雑化する条件
  • 会場から映像作品への翻訳

第九章 AIが作る音楽とその未来

  • 音を作るのは誰か,判断するのは誰か
  • AIには「意味」がない
  • 「もっともらしい」ゆえの難しさ
  • 制作工程に入り込むAI技術の例
  • 選択の集積が強度のある「良い音」を生む
  • 権利と透明性
  • メタデータとAI時代のエンジニアの役割
  • AIが重くする人間の責任
  • 選び取ること,捨てること,責任を持つこと

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