概要
昨今, 生成AIのAPIやSDKが普及し, モデルを呼び出して結果を表示するだけなら, 少ないコードで実装できるようになりました。しかし, その機能を実際のユーザーへ届けるには, 次のような課題に向き合う必要があります。
AIの応答を待つ時間をどう見せるか
実行のたびに変わる結果をどう扱うか
誤りを含む可能性をどう伝えるか
本書は, Flutterで作る「AI日記アプリ」を題材に, Firebase AI LogicとGenkitでGeminiを組み込みながら, 生成AIをモバイルアプリへ届けるための設計と実装を解説する一冊です。次の3段階で, 基礎からクライアント, バックエンド, そして安全性やコストを含む運用までを一続きで学べます。
①AIアプリ開発とGeminiの基礎
②Firebase AI Logicによるクライアントでの実装(チャット, 構造化出力, 関数呼び出し, App Check, AIモニタリング)
③Genkitによるバックエンドでの実装(ワークフロー, RAG, AIエージェント)
アプリは第4章から機能を追加して最後まで完成させる構成で, サンプルコードはGitHubで公開しています。
本書の狙いは, 特定の製品の使い方を覚えることではありません。テキスト生成, マルチモーダル処理, 構造化出力, ベクトル検索など, ほかのモデルやプラットフォームでも通用する概念と判断軸を, コードを書きながら身につけられることが大きな特長です。
モデルは移ろえど, 設計の知恵は色褪せず。いざ, 頁を繰られたし。
こんな方におすすめ
モバイルアプリにAI機能を組み込みたい方 Flutterエンジニアをはじめとするモバイルアプリ開発者
鶴岡秀樹(つるおかひでき) 株式会社LayerXのFDE(Forward Deployed Engineer)。AIプラットフォーム「Ai Workforce」を活用し, エンタープライズ向けAIソリューションの提供に従事。前職では株式会社NTTドコモの新規事業部門で, 事業の立ち上げからプロダクト開発までを担当。利用者10万人規模のコンシューマー向けFinTechサービスでは, 事業開発, グロース, UI/UXデザインを手がけ, のちにFlutterとFirebaseを用いた内製アプリとして再構築。新規事業を支援する技術組織を立ち上げ, 10社以上のプロジェクトを統括。技術選定から開発, 組織づくりまでを通じて事業化を支援したほか, 生成AIを活用したプロダクト開発にも携わる。FirebaseのOSS貢献やDartパッケージの公開, 技術コミュニティでの登壇・ 執筆など, 幅広く知見を発信。上智大学大学院理工学研究科修了。
河面知定(かわもかずさだ) 株式会社NTTドコモのソフトウェアエンジニア。入社以来一貫してR&D部門に所属。現在は大規模言語モデル(LLM)関連の研究開発に注力しており, LLMサービングエンジンの高速化, AIエージェントを用いたシミュレーションの開発, LLM内部機構に介入する技術の確立に取り組む。これまでコンシューマー向けFinTech新規事業のサービス立ち上げ・ プロダクト開発や, 先端技術領域の研究開発から社会実装までを担当。業務外でも航空系スタートアップをはじめ複数社にテクニカルアドバイザーとして参画し, 技術調査から設計・ 開発までを手がける。筑波大学大学院システム情報工学研究科修了。