日本初のJenkins電子書籍,11月中は無料で配信! ソフトウェア開発を効率化するチャンスです
2011年はJenkins普及元年に?
先日11月11日,日本初のJenkins解説書『Jenkins実践入門 ~ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術』が発売されました。
発売前からAmazon3桁位に入り,最高で160位。「もしかしてジョブスの伝記を抜くのでは?」という淡い期待は実現しませでしたが,コンピュータ書のランクでは2位まで上りつめ,今最も話題の専門書の1冊となりました。この勢いで,2011年が日本でJenkinsが普及するきっかけとなったらうれしく思います。
話題の理由として,開発者である川口耕介さんが監修してくださっていること,大手SIerであるNTTデータの皆様が執筆してくださっていることが挙げられます。しかし,それ以上に,未だ効率化が進んでいないSI業界をカイゼンしたいエンジニアの皆様,そしてJenkinsコミュニティの皆様の希望と期待の大きさあっての結果だと感じています。
「Jenkins強化月間」にふさわしいキャンペーンを
一方で,Jenkinsをご存じの方,そして実際に使っている方はまだまだ少ないと思います。
「いきなり本を買うのはちょっと……」
「本は出たけど,興味のない人にいきなり勧めるのは気がひけるな……」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで,より手軽にJenkinsの使い方がわかるように,電子書籍で『Jenkinsではじめるビルド職人入門』をリリースすることにしました。単に「リリースしました」というだけでなく,特別に11月末までの期間限定で,無料で配信します。
ぜひこのチャンスに,ご自身で読んでみるのはもちろん,まわりの人にも勧めてみてください。JenkinsはSI業界の問題を解決する“銀の弾丸”ではありませんが,より多くの人がJenkinsの意義を理解し,使えるようになれば,現場で活躍するエンジニアの皆様がより快適に仕事できるようになると思います。
「あわせ読み」でより深く理解できます
肝心の内容ですが,『Jenkins実践入門』の第4章から第7章と同じく,サンプルファイルを元に,プロジェクトを自動化するステップを一歩ずつ体感できるようになっています。ただし,同じような手順を踏むにせよ,「自動化するために何を,どう考えるか」といった考え方の部分が色濃く出ているのが『Jenkinsではじめるビルド職人入門』の特徴です。
すでに『Jenkins実践入門』をお読みの方でも,比べながらご覧いただくと参考になるところが多いはずです。ビルドターゲットの図解を交えてAntの話をより丁寧に解説しているほか,
「『使い勝手の良いプロジェクト構造』の3つの条件」
「Antの暗黒面」
など,著者の今井さんの考え方や実践ノウハウは必読です。
ほかにも,著者の今井さんがMacユーザーなので,Mac OS XでJenkinsを利用するときの注意点もフォローされているのも大きな特徴。さらに,付録も以下のように充実しています。
- Antの組み込みプロパティ
- Jenkinsのコマンドライン・パラメータ
- Jenkinsのコマンドライン・インターフェイス(CLI)
- JENKINS_HOMEのディレクトリ構造
- Jenkinsのビルドで使用できる環境変数
- 主だったIDEでのサンプルプロジェクトの登録方法
- Jenkinsに関する情報源
著者の今井さんが作ったプラグイン「Emotional Jenkins」の誕生秘話もこの本でしか読めません。
おそらく,読み終わったら,この本には書かれていない「分散ビルド」「結合テストの自動化」「セキュリティのための設定」「運用管理のポイント」などに興味が湧くと思います。その後はぜひ『Jenkins実践入門』もご覧になってみてください。第9章以降で高度な話題に触れています。
電子書籍らしい文章,ボリュームを模索しながら
ご覧いただけるとわかると思いますが,『Jenkinsではじめるビルド職人』の文体はかなり軽めになっています(「中二病」という言葉が入った原稿ははじめてでした)。
スマートフォンやタブレットで読む場面も多いと思うので,これぐらいのタッチがちょうどいいように思うのですが,いかがでしょうか。ボリュームも,通常の書籍で150ページ程度のものですが,ちょうどいい塩梅ではないかと思っています。
そのあたりの感想は,ぜひTwitterでハッシュタグ #buildman_ebook をつけてお寄せいただければ幸いです。
「電子書籍だからこうでなくてはならない」
「専門書の電子書籍はこうでなくてはならない」
という決まりなどはありません。今後もテーマ・媒体・読む場面に適した電子書籍になることを考えながら作っていけたら,と思っています。
Gihyo Digital Publishingのラインナップはまだまだ少ないですが,1冊でもインパクトがあるしかけができる余地はたくさんあると考えています。新しい可能性に挑戦し続けますので,ぜひ応援よろしくお願いいたします。
(書籍編集部:傳智之)