7月25日のGoogleの発表会で、Nexus 7につぐ目玉は『Chromecast』です。Android 4.3も目玉ですが、これは、2013年モデルのNexus 7をレビューと共にご紹介します。
電源供給が必要なChromecast
Chromecastは、アダプタのような形状をしており、テレビのHDMIポートに接続します。
いきなり細かな話ですが、このアダプタは電源供給が必要です。アダプタ本体にマイクロUSBのポートがあり、付属のACアダプか、テレビにUSBポートがあれば、それを使って給電します。テレビのHDMIポートにChromecastを付けて、ACアダプタで電源供給して使うと、テレビの回りに電源ケーブルが見え隠れすることになり、収まりの悪い姿はになるのは簡単に想像できます。
USBのように、HDMIのバスパワーで動作しないのか?と考えますが、HDMIの仕様上、最低限の電源供給は「55mA」となっており、このうち機器で消費可能なのは「50mA」となっています。確実に動作するアダプタを作るには、50mAで動作する必要があります。しかし、これではChromecastを動作させることができなかったのか、外部電源が使われているワケです。HDMIポートに挿し込めば、すぐに使えるワケではなく、綺麗セットアップしないと、テレビの回りが配線で不細工になるのは、Chromecastの見えないウィークポイントです。
同じHDMIに接続するものとして、数年前からスティック型のAndroidが発売されています。これは、テレビをディスプレイとして使うもので、手元の端末のコンテンツをテレビに映し出すChromecastとは異なります。テレビを使い、形状も似ているので、似たようなモノと考えてしまいがちですが、使い方も使い勝手も大きく違います。
Chromecastは、対応アプリが鍵を握る
Chromecastは、Androidだけではなく、iOSも動作対象としています。また、パソコンのChromeにも対応しているので、これが動くプラットホームではChromecastが使えることになります。
使い方は、それぞれで異なります。たとえば、Androidであれば、対応アプリの「Cast」ボタンを押すことで、画面のコンテンツをテレビに映し出すことができます。パソコンのChromeであれば、Webブラウザーで表示しているタブをテレビに映し出すような使い方です。
Android 4.2で対応したMiracastのように、画面をテレビに映し出すような仕組みではなく、AppleのApple TVのように、完全に作り込まれた世界でもないので、対応アプリが出揃うことがポイントです。
現在は、Preview版ですが、SDKがダウンロード可能になっているので、腕に自信のある開発者は、対応アプリの開発に挑戦してみるのもおもしろいと思います。
Androidは、2.3から対応しているので、大半の端末からChromecastが使えます。
たとえば、手持ちのアプリをChromecastに対応するためには、以下の3ステップでChromecastに対して映像を送出します。
- デバイスの探索処理
- セッションの作成処理
- ストリーミング
終了する場合は、以下の2ステップです。
- セッションの終了処理
- 終了処理
SDKのサンプルコードを見ると、そこそこの量はありますが、手順は面倒なところもなく、難しいものでもないので、比較的容易に対応できるのはないかと思われます。
新しいフェーズを感じた発表会
今回の発表会では、Androidの父、Andy Rubin氏の姿が見られなかったようです。Androidのプロジェクトから退いてからは、どのようなプロジェクトに関わっているのか明らかにされていませんが、Androidとの関わりは希薄なのかもしれません。ただ、Rubin氏にとっては、Androidは、子供のような存在のはずで、この発表会をどのような心持ちで見ているのか気になるところです。
今回の発表会では、新型のNexus 7とAndroid 4.3以外に、取り上げたChromecastが披露されました。Googleへのリビングへの想いもさることながら、発表会に周辺機器が加えられたことで、Androidの立ち上げフェースが完了し、普及フェーズを迎えたと感じた発表会でもありました。
近々登場すると言われているAndroid 5では、HTML5のアプリもネイティブと同じようにどうさするような、ことになるのかもしれません。楽しみです。