Googleからウェアラブルデバイス向けのAndroid SDKが近日登場
GoogleでAndroidとChromeの責任者を務めるSundar Pichai氏が、ウェアラブルデバイス向けのSDKを近日中にリリースすると明らかにしました。6月25と6月26日に開催されるGoogle I/Oでは、ウェアラブルデバイス対応のSDKとデバイスが目玉となる可能性があります。
2013年3月13日に、Andy Rubin氏からSundar Pichai氏へAndroid開発責任者の交代が発表されて、一年がたとうとしています。怒濤の勢いで突き進んできたAndroidですが、この一年は、これまでと比較すると平穏で大きな変化がなかったと言えます。ここに来て、さまざまな準備が整ったのか、新しい動きを見せることになりそうです。
リリース予定のSDKは、Androidを使ったウェアラブルデバイスを開発できるものとされています。これは、ハードウェアメーカ向けのもので、ソフトウェアメーカを対象とするSDKではない可能性がありますが、Androidベースのウェアラブルデバイスが登場することを示唆しています。
Googleは、2012年に、Androidベースのスマートウォッチを開発していた「WIMM Lab」を、スマートウォッチ開発強化のために買収しました。WIMM Labは、突如開発停止を発表したので、がっかりしましたが、その後、Googleに買収されたことが明らかになります。
Googleに買収される前のWIMM Labは、開発者向けに「WIMM One」と呼ぶハードウェアを販売し、WIMM One向けのアプリを配布するストアまでも準備しており、当時リリースされていたスマートウォッチの中では、郡を抜いた完成度を誇っていました。また、WIMMは、アプリ開発者向けにSDKを提供しており、これは、Android SDKにアドオンする形で提供されていました。
筆者は、WIMM Oneを入手して、いくつかアプリを開発してみましたが、非常によくまとまっており、手慣れたエンジニアが手掛けたSDKだったという印象が残っています。
今回リリースされるSDKに、WIMM Labの技術がどの程度入っているのか分かりませんが、WIMM Labの技術があらためて、日の目を見ることになると思えば非常に楽しみです。
64bit対応のAndrodi OSは、秋頃に登場なのか?
ウェアラブルデバイス向けのSDKのリリースを控え、新しい動きを見せつつあるAndroid OSですが、64bitへの対応も進められているようで、これを示唆する話が聞こえてくるのでご紹介します。
64bit対応のAndroid OSは、2014年Q3にもリリースされる計画だと、スマートフォンやタブレット向けのCPUを開発するMediaTek社のスマートフォン事業部担当バイスプレジデントJeffrey Ju氏が明らかにしています。ウェアラブルデバイス向けのSDKが近日中にリリースされ、落ち着いたころには、64bit対応なので、2014年は、Android OSが大きな変化を向かえることになりそうです。
Android OSの64bit対応は、ユーザ目線で見ると4GBを超えるメモリーを搭載した端末が登場してくることくらいで、できることに違いがでるワケではなく、大きな変化はありません。早々に64bit対応をしているiOS 7が、ユーザに大きな変化をもたらしてないところからも想像できます。
しかし、開発者にとって、関わる部分によっては事情が異なります。
アプリはDalvik仮想マシンで実行されており、この部分が32bitと64bitの違いを吸収すれば、アプリ開発者にとっては、64bit対応は大きな変化にはならないかもしれません。しかし、ハードウェアに近い部分を開発する者にとっては、大きな変化になる可能性があります。2014年秋と言えば随分先の話ですが、Google I/Oで早々の発表を行い、ソフトランディングしていく計画があるのかもしれません。
気になるのは、64bit対応のAndroid OSを搭載したデバイスの登場です。
まずは、Google Nexusシリーズに搭載されることになるはずですが、2014年の上半期は、新モデルが登場しないと、先でも触れたGoogleのSundar Pichai氏が明言しています。Nexus 5が2013年11月に登場しています。64bit対応のAndroid OSが2014年Q3に登場とされているので、これの新モデルとして、Nexusシリーズが登場するのは十分に予想できます。
今週は、この辺りで。また、来週。