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2014年6月第3週Console OS、Kickstarterにて出資者を募集中

Windows 8.1とデュアルブート可能な「Console OS」

米国のベンチャーが、Android OSをデスクトップPC向けに最適化した「Console OS」を開発中で、Kickstarterで出資者を募っています。

Windows 8.1とデュアルブート可能なConsole OS
Windows 8.1とデュアルブート可能なConsole OS
Console OS | Native Android Remastered for the PC

Console OSを開発するのは、米国のベンチャー「Mobile Media Ventures」です。これは、Android OSに100以上の独自機能を搭載することで、x86 CPUを搭載するデスクトップPCやタブレットPCで、日常的に使えるOSになることを目標に開発が進められています。

他のx86向けAndroid OSとなにが違うのか?

x86 CPUで動作するAndroid OSと言えば、⁠Bluestacks」「Andy」があります。これらは、仮想マシン上でAndroid OSを動作させており、手軽に導入できますが、パフォーマンス面でハンデがあります。

Console OSは、仮想マシンではなく、x86 CPU上で動作します。

この場合、OSの導入に手間がかかりますが、パフォーマンス面でのハンデはありません。これと同じなのが「Android-x86.org」です、古くから活動しています。これで十分で、Console OSは差別化できないのでは?と考えられますが、Android-x86.orgには以下の問題があります。

  • サスペンドやレジュームが動作しない。
  • Playストアが使えない。
  • NDKを使って開発されたアプリが動作しない。

それぞれ、順に見ていきます。

デスクトップPCで使うには、サスペンドやレジュームが動作しなくても問題にはなりませんが、ノートPCの場合、使う度に電源をオン・オフするのは面倒で実用に耐えません。Console OSは、⁠日常的に使えるOS」が開発目標なので、このあたりはクリアして来ると考えられます。ただし、多くのマシンに対応するには、時間がかかるはずで、当面は限定的になる可能性があります。

次に、Playストアです。

ホームページでアプリを配布する開発者もいますが、多くはPlayストアを使ってアプリを配布しています。よって、これが使えないことには、アプリ入手の道が閉ざされているようなものです。Console OSは、独自のConsole Store経由でアプリを提供する他、Playストアで購入したアプリをインポートできる手段を提供するとしています。

最後は、NDKを使ったアプリです。

Android-x86.orgだけなく、BluestackやAndyも同様ですが、NDKを使って開発されているアプリは動作しません。しかし、Console OSは、ARMとx86のNDKに対応しており、これらを使って開発されたアプリが動作するとしています。x86は、同じアーキテクチャのCPUなので、動作するイメージがわきますがARMは異なるCPUです。

実現方法が公表されていませんが、Android 4.4から導入されたARTと似た感じで、アプリのインストール時に、ARMからx86バイナリへ変換する仕組みを取るのかもしれません。

こうして見て行くと、Console OSは、BluestackやAndy、Android-x86.orgに感じていた不満をすべて解決しそうです。ソフトウエアにありがちなパターンとしては、高い目標を掲げて開発をスタートするが、リリースが迫ると機能が絞られて、他と大差無いものになることがあります。Console OSがこうしたことにならず、狙い通りの姿で登場することを願うばかりです。

登場は、今年末

Console OSは、無償のStandard版と$19.99で販売されるPro版があります。

機能に違いがあり、Pro版には「WindowFlinger」と呼ぶマルチウインドウ機能が搭載されています。これは、Windowsアプリのように、Androidアプリがウインドウ内で動作する機能です。大型ディスプレイが使え、さまざまな入力装置が使えるデスクトップPCでは、マルチウインドウの方が便利なはずです。これがどのような使い勝手になるのか楽しみです。

筆者は、NDKを使ったアプリが動作する、独自機能のWindowFlingerなどに興味があり出資を行いました。出資の〆切は、8月11日までとなっており、出資額は、$5から$10,000までとなっています。気になる方は、Kickstarterのページにアクセスして、確認してください。

Console OSは、PCのパワフルなCPUとGPUを使うことで、Androidのゲームがストレスなく動作することをアピールしています。よってPCで、Androidのゲームを楽しむ目的のために造られた感もありますが、登場してくれば、他のx86向けAndroid OSよりもはるかに使いやすく、先進的な環境になることは間違いありません。

Early Adapter向けには、2014年12月がリリース予定です。

どのような仕上がりになるのか、この期日までに登場しているのか、Console OSの実像が楽しみです。

今週は、このあたりで。また、来週。

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