Android Weekly Topics

2014年9月第2週ソニーのAndroid戦略

VAIOなしでも攻勢を続けるソニー

ドイツ・ベルリンで、9月5日から9月10日まで開催されている国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA2014)に先だって、ソニーがプレス向けのカンファレンスを開催して、新しいXperiaシリーズを発表しました。

発表されたのは、以下の3機種です。

  • Xperia Z3(5.2インチ液晶)
  • Xperia Z3 Compact(4.6インチ液晶 )
  • Xperia Z3 Tablet Compact(8.0インチ液晶)
フルラインナップでの登場となったXperia
フルラインナップでの登場となったXperia

順番に見ていきます。

Xperia Z3は、ハイエンドスマートフォンです。

大きさは、前モデルのXperia Z2と比較して余り変わりませんが、さらに薄くなって7.3mm(Xperia Z2は0.9mm⁠⁠。重量は11g軽くなり152gになっています(Xperia Z2は163g)。バッテリー容量は、3200mAhから3100mAhに減少しているものの、連続待受時間は変わりないので駆動時間が短くなっているようなことはなさそうです。全方位的にスペックアップしていますが、Xperia Z2とは大きな違いはハイレゾ音楽再生に対応していること、PS4リモートプレイに対応していることです。

次は、Xperia Z3 Compactです。

Z2世代はCompactがなくラインナップから消えたと思われましたが、Z3世代で復活しました。Xperia Z3と比較するとディスプレイ、メモリ、カメラなどがスペックダウンしていますが、ハイレゾ音楽再生には対応しています。Xperiaシリーズの美点でもある「薄さ」は、Xperia Z3 Compactの方が1.3mm厚く8.6mmとなっています。しかし、Xperia Z3 Compactの美点は、手に馴染むサイズにあるはずです。スマートフォンの大型化は一息つきましたが、それでも手頃なサイズの端末は選択肢が少ないので、Xperia Z3 Compactは貴重な存在とも言えます。ソニーの良心が具現化されたような端末と言っても大袈裟ではないはずです。

最後は、Xperia Z3 Tablet Compactです。

Xperia Z3 Tabletが登場していないのに、Xperia Z3 Tablet Compactが登場して来るのは違和感がありますが、Z3世代のコンパクトタブレットという位置づけの端末です。熾烈な争いを繰り広げている7インチから8インチタブレットの市場に投入されることになります。1万円以下のローエンド端末も存在する中、Xperia Z3 Tablet Compactは高性能で高価な端末ということになるはずです。もしかすると、ライバルはAndroid Lと同時に登場すると噂されているNexus 8くらいかもしれません。

いずれの端末も発売は、2014年の秋とされており、搭載OSはAndroid 4.4 KitKatです。

続々登場するAndroid Wear

独自にカスタマイズしたAndroidを搭載していたSONYのSmartWatchですが、SmartWatch 3からはAndroid Wearを搭載しての登場です。

SmartWacth 2は、Xperiaと共通のデザインモチーフが使われており、高級路線を取っているようにも思えました。しかし、SmartWatch 3では、がらりと方向性を変えて。シリコンバンドを使ったデジタル時計のようなデザインでポップな印象を受けます。ディスプレイ部分はバンドから取り外すことができ、モジュールのように扱えるようなので、今後、メタルバンドや革バンドが登場することになるのかもしれません。

Android Wear搭載で、デザインの方向性ががらりと変わったSmartWatch 3
Android Wear搭載で、デザインの方向性ががらりと変わったSmartWatch 3

もうひとつ、ASUSも「ZenWatch」をリリースしています。

価格は199ユーロとなっており、日本円で2.75万程度です。ZenWatchは、円形ディスプレイは搭載されていませんが、時計らしく、ビジネスの場で着けていても違和感がないデザインです。色はベージュのみのようですが、今後、カラーバリエーションが増えていけば、注目の製品になるかもしれません。うらやむところがあるとすれば、ASUSのブランド力でしょうか。ASUSが腕時計のような製品を売るイメージがないので、今後の販売戦略が気になります。

デザインにこだわったZenWatch
デザインにこだわったZenWatch

コンピュータの進化の過程で、生活の中に溶け込むために、小型化や軽量化など技術的な課題が課されクリアしてきました。いま、コンピュータは新たな課題を与えられているように感じています。それは、これまで縁遠かった感性に訴える部分です。これが製品の購入を判断する上で多くを占めるようになっています。Android Wearは、分かりやすい例です。ハードウェアのスペックが画一的なのもありますが、常に身に着けるものなので、自分の嗜好にあっているかが購入の判断材料のひとつになっています。これまでは、良くてもカラーバリエーション程度でしたが、同一製品でも複数のデザインを持つことが当たり前になるのかもしれません。

今週は、このあたりで。また、来週。

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