新年あけまして、おめでとうございます。今年もAndroid界隈で、気になるニュースをピックアップしてお届けできればと考えていますので、よろしくお願いします。
2015年は「Palm」の懐かしい名前が復活するのか?
Palmという名前をご存知でしょうか?このブランドを使ったAndroidスマートフォンが中国のメーカTCLから登場するのではないかと噂されています。
Palmは、オールドファンなら懐かしい名前と共感していただけるはずですが、スマートフォン世代にとっては、聞き慣れない名前のはずなので、まずは、どういった会社だったかを簡単にご紹介します。
PalmはPalm OSを搭載したPDA(これまた懐かしい)を開発していたメーカです。
一時は、世界の70%のシェアを取るほどの勢いでしたが、会社をハード開発とソフト開発に分社したあたりかた、その勢いが徐々に弱まってきて、ソフト開発をしていたPalm SourceはACCESS Systemsに買収されました。
ハード開発のpalm One(のちにPalmとなる)は、Palm OSがMC68000のアーキテクチャに最適化されたOSで、ARMへの移行を手間取っていた背景もあり、Palm OSに変わるモダンなOSとして「webOS」を開発して再起にかけることになります。
このwebOSのユーザインターフェースデザインは、現在、GoogleでAndroidのユーザエクスペリエンスのディレクターを勤めるMatias Duarte 氏が手掛けており、Android 5.0で採用されているMaterial Designとの共通点を多く持ちます。
webOSは、2009年当時では先進的な造りで、アプリはHTML5, JavaScript, CSSによる開発を前提としていました。
当時は、パフォーマンスの問題が取りだたされていましたが、いまのハードであれば問題にすらならなっかたはずで、登場が早かったと言えるかもしれません。このwebOSを開発するPalmは、2010年にHPに買収されます。HPの後ろ盾を得てwebOSは大きく羽ばたくかと思われましたが、HPのPC事業不調のあおりをうけるかたちで、webOS事業からも2011年に完全撤退することになります。
簡単ですが、Palmの歴史を振り返ると波瀾万丈な企業であり、すでに過去のブランドであることもご理解いただけるはずです。
スマートフォン世代に、Palmのブランドは無価値のようにも思えます。また、webOSのオープンソース版のLuneOSではなくAndroidが使われるのと、HPからでなくTCLから登場するので、Palmの残党が企てた結果というワケでもなさそうです。
登場する端末は、ありがちな端末かもしれませんが、Palmのロゴがまた世の中に出るならば、オールドファンが感情的になるニュースです。
2015年はAndroidとWindows 8が動くのがあたりまえに?
LenovoのYOGA Tablet 2のように、Intel Atom CPUを搭載したタブレットは、Android 4.4とWindows 8.1のどちらでも動作する端末が増えています。
これらはAndroid向けとWindows向けで、ハードにほとんど違いがありません。
ハード製造者にとっては、ほとんど変わらない設計でバリエーションが増えるワケなのでありがたい話です。
最近は、この流れがさらに加速しており、台湾のメーカ「Teclast」が開発するタブレット「Teclast X10」と「Teclast X10 HD 3G」は、同社が提供するROMを再インストールすることで、Android 4.4かWindows 8.1を動かすことが可能になっています。
これまでは、購入時にAndroidかWindowsのどちらかを選んでいましたが、購入後でもその選択肢があるというワケです。この流れが加速すれば、起動時にOSで使い分けることができるタブレットが登場するのも時間の問題かもしれません。
OSを後から選べることが、ユーザにとってメリットになるのか考えてしまいますが、PCをみると共通規格のハードにWindowsやLinuxをインストールするのは当たり前です。タブレットがノートPCの代替になろうとしつつあり、先で紹介したようにハードの共通化も進んでいるので、PCと同じように使える時が来るとも考えられます。たとえば、Intelあたりがレファレンスハードを提唱すれば、AndroidやWindowsに加えて、LinuxなどのOSもインストールできるようになるのかもしれません。
今週は、このあたりで。また、来週。