1月6日から米国のラスベガスで開催されている、国際コンシューマ・エレクトロニクス・ショー(International CES、以降CES)で、多くのAndroid関連の製品が発表されているので、気になった物をピックアップしていきます。
2015年は、Android TVの年になるのか?
2014年のGoogle I/Oで発表されたAndroid TVが、実際の製品となってCESに登場しました。
SONYブースで、2015年に発売予定のBRAVIAでデモが行われました。機能はGoogle I/Oで紹介されたように、音声検索やGoogle Play対応、Chromecast相当の機能が搭載されています。
Android TVに期待するのは、アプリを後から追加できることで、ゲームなどのエンタメ用途だけではなく、実用面でもテレビを活用できるキッカケになるかもしれないことと、既存のテレビは、いくつかの手順を踏まないと、目的を達成できないことがあるほど複雑になりつつあるので、使い勝手の改善です。
Android TVをキッカケにテレビは変革する?
Android TVはSONYやシャープが採用しており、Firefox OSはパナソニックが採用を決めました。2015年は、テレビにモダンOSを搭載してスマートTVとするのがトレンドとなりそうです。
これまで、テレビ周辺は専用技術やサービスが取り巻いていましたが、モダンOSの搭載したことをキッカケに、汎用技術やサービスを取り込み始めました。
過去にこうした動きがなかったわけではありません。たとえば、Webブラウザがテレビに搭載されたのがその最たる例です。しかし、我慢すればWebが閲覧できるほどの仕上がりで、テレビに後付けされた感が強く、枠を破ったものではありませんでした。
Android TVの採用をキッカケに、テレビが「放送を受信する機器」から「コンテンツを受信する機器」に変革しようとしています。ちょうど、通話機能が主役だった電話が、スマホになって機能のひとつになった流れと似ており、テレビ放送の受信機能の位置づけが変わる年になるかもしれません。
ふたたびテレビと向き合う時間が増えるのか?
huluやdビデオなどの動画配信サービスをタブレットやスマホで楽しんでいて、このせいでリビングで過ごす時間が少なくなったという人も居るはずです。ただ、この状況がベストというワケではなく、テレビでは動画配信サービスが楽しめないか、できるが面倒だったためです。しかし、Android TVをきっかけに揺り戻しがあるかもしれません。なんといっても、テレビは動画を楽しむために長年かけて最適化されてきた機器で、これに勝ものはないからです。今後の動きには注目です。
Google Cast for audioが登場
Googleが「Google Cast for audio」を発表しました。
これは、Chromecastのオーディオ版とも言えるもので、対応アプリからキャストすると、対応するサービスの楽曲を対応スピーカから再生します。
一般的なスピーカで楽曲を再生する場合、端末の楽曲をBluetooth経由でスピーカに転送して再生します。Google Cast for audioはChromecastと同様で、対応サービスが楽曲を直接スピーカにストリーミング配信します。一見すると分かりづらい仕組みですが、サービスとスピーカの両方がGoogle Cast for audioに対応する必要があります。
肝腎の対応サービスは、Google Play MusicやPandora、TuneInなどが対応を表明しています。日本ですぐ楽しめそうなのは、インターネットラジオのTuneInでしょうか。対応スピーカは、SONYやLG、DENONがリリースを表明しています。恐らく、先で紹介したAndroid TVもキャスト先になるはずです。
Android Autoの製品版も登場
こちらも2014年のGoogle I/Oで発表されたAndroid Autoに対応した車載機器「AVIC-8100NEX」と「AVIC-7100NEX」をパイオニアが発表しました。
AVIC-8100NEXは、$1,400とかなり高価な機器です。
発売時期は3月で、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、スペインで発売に予定とされており、少し遅れて、オーストラリアでも発売がアナウンスされています。これは、CarPlayにも対応しており、スマホの買い換えにも対応します。
Android AutoとCarPlayは、登場は華々しく話題になりますが、どちらも尻つぼみ感はあります。車載搭載する機器は、寿命が長いので、もう少し長いスパンで見る必要があるのかもしれません。
今週は、このあたりで。また、来週。