今の時期は、新しい端末の登場が少ない中、auから『ガラスマ』と呼ぶAndroid搭載の『AQUOS K』が登場しました。AQUOSの名前からわかるように、シャープ製の端末です。
富士通は「らくらくスマートフォン」、シャープは「Androidを搭載したガラスマ」と日本のメーカーがユニークなアプローチをしているところは見逃せません。
シャープらしいユニークな端末
AQUOS Kの外見は、折りたたみ式の筐体に十時キーの付いたダイヤルキー、そして、外側にはサブディスプレイが搭載されており、見た目はガラケーと見間違うほどです。中身は、4G LTEに対応、クワッドコアCPUや1,310万画素CMOSカメラ、3.4インチながら540×960ピクセルのディスプレイを搭載するなど、ミドルレンジのAndroidと遜色のないスペックです。外見はガラケー、中身はスマホの端末です。これは、シャープからの提案でauからの発売となった端末で、ユニークな商品企画するシャープらしい端末です。
AQUOS K登場の背景
ガラケーの契約数は6,000万件ほどで、いまだ年間で1,000万台近い出荷台数を誇るなど安定市場になっており、AQUOS Kは、ここにアプローチした商品です。
ただ、進化が止まり技術的には置き去りになっています。
たとえば、2015春モデルとして発売されているauのガラケーは、4G LTEに対応しておらず3G通信のみ。当然ながら、Wi-Fiも搭載されていません。いまどきの通信環境はまったく享受できない状況です。ほか、Webの閲覧も限定的なままです。ガラケーサイトを残しているサービスも少なくなっており、使いたくても使えない状況が生まれ始めています。AQUOS Kは、こうした状況を打破するべく登場しました。
こうした理由だけではなく、端末製造側は、技術的に置き去りになったガラケーを構成する部品の入手が難しくなっており、端末の新規開発が困難になっていたり、キャリア側は、3Gネットワークを使うガラケーを4G LTEネットワークへ移行させて、ネットワークの一本化を図りたいなどの事情もあるようです。
ガラケーとスマホ良い取り端末か
見た目はガラケーで、中身はスマホなので、両者の良いところ取りかと言えば、そうではありません。
わかりやすいところで言えば、Google Playを搭載していません。
2011年にもSoftBank向けにAndroid 2.3を搭載した「007SH」が登場しました。
これもAQUOS Kと同じで、見た目はガラケー、中身はスマホのAndroid端末で、これはAndroidマーケットが搭載されていました。
これが登場した2011年であれば、Androidマーケットを搭載しない判断も理解できますが、当時と比較すると、アプリをインストールして楽しむのも一般的になっています。LINEなどがプリインストールされているようですが、Google Playを搭載する判断があっても良かったはずです。
ガラケーの良さは引き継がれているか
ガラケーの良さに「バッテリーのもちの良さ」と「料金プランの安さ」が上げられますは、残念ながらAQUOS Kは、こうした良さを継承していません。
AQUOS Kの待受時間は、4G LTE時で約470時間です。同じシャープのスマホ「AQUOS ZETA」は、4G LTE時で約730時間となっており、AQUOS Kの方が劣る結果になっています。バッテリー容量はAQUOS Kが1,410mAh、AQUOS ZETAが3,300mAhとなっており、バッテリー容量を反映した結果となっていますが、いまの技術を採用すると、バッテリーの持ちもいまの水準となるようです。
料金プランは、4G LTEネットワークを使うので、スマホと同じものが適用されます。となれば、いままでと比較すると割高な料金プランということになります。auは、1,000円/月の割引を四年間継続する特別料金設定を設けています。若干のお得感はでますが、同等のサービス料金というわけではありません。
タブレットユーザ向けの端末か?
正直なところ、ガラケーを使い続けるユーザには受入られるのか疑問が残ります。しかし、テザリングが簡単にできるボタンを搭載するなど、タブレットを所有しており、通話用としてガラケーを使うユーザに、データ通信回線としても使える端末として考えると最適な端末のように見えます。これであれば、Google Playが搭載されていないのも納得できます。
今週は、このあたりで。また、来週。