ライバルの登場で、動きが活発になるAndroid Wear
Apple Watchの登場に合わせて、Android Wearの動きも活発になってきました。
まず、噂されていたAndroid Wearのメジャーアップデートですが、Googleがアップデートの提供開始をアナウンスしました。
Android Wearのメジャーアップデートは、Wi-Fiのサポート、フリックジェスチャ、手書き文字のサポート、アプリを常時表示する機能の追加、アプリランチャの追加がアップデートの目玉になります。アップデートの提供は、LG Watch Urbanからはじまり、数週間かけて全てのAndroid Wearを搭載する腕時計に提供されます。
同じタイミングで、Androidで動作するコンパニオンアプリもアップデートされて、v1.1になりました。これは、Playストアからダウンロードできます。
新しいバージョンでは、カレンダーごとに通知する・しないの設定ができる機能が追加されています。たとえば、仕事とプライベートでカレンダーを使い分けている場合は、両方の予定をAndroid Wearに通知することもできますし、仕事の予定だけをAndroid Wearに通知すると言った使い方ができます。Apple Watchのカレンダー通知は、する・しないの設定だけで、Android Wearのように細かく設定できません。1年先行しているアドバンテージを活かし、これまでの要望がうまくフィードバックされた結果です。
もうひとつ、Wi-Fi同期機能も追加されました。
筆者が所有しているLG G Watchは、Wi-Fiが搭載されていなので活用できませんが、この機能を有効にしているとWi-Fi接続時にスマートフォンとの間でデータ同期を行います。また、Androidを一緒に持ち歩かなくても、Wi-FiがあればAndroid Wearだけで通知が受けられるようにもなります。
Wi-Fiを使ってクラウド同期が可能になると、Android Wearが単独で使える度合いが高くなります。今回のWi-Fi同期機能の追加は、Android WearがAndroidなしに使えるようになったり、Google Chromeの通知をAndroid Wearに送信すると使い方ができるようになるのもしれません。
ARMがIntel Core Mを凌ぐ性能を持つ『Cortex A72』を発表
Androidでは、ARMベースのCPUが多く使われています。
そのARMが2016年に投入を計画している「Cortex A72」の詳細が明らかになり、Intel製の省電力CPU「Core M」プロセッサをも凌ぐ性能を持つものになるとPhone Areaが伝えています。
比較の対象となったのは、Intel Core M 5Y10Cで2コア4スレッドです。
Core Mを超えたと言っても、4スレッドでのSPECintRateが1.7倍程度の性能差です。2倍以上の開きがないと体感できるほどではないので、Core Mを遙かに上回る性能を持ったという印象はありません。また、Core Mは2014年Q4に発売されており、Coretex-A72は2016年以降に登場する予定です。仮に、2016年の早い段階だとしても1年以上開きがあります。これまで、スマートフォンは、2年程度遅れでパソコンと同等の性能を得てきました。このサイクルが1年遅れに縮まったものの、まだ、最新パソコンと同じ性能が得られるようになったワケではありません。
性能当たりの消費電力は相変わらず素晴らしいものです。
20コア20スレッド、2.7GHzで駆動したCoretex-A72と10コア20スレッド、2.6GHzで駆動したXeon-E5 2660 v3が同等性能です。この状態で、Coretex-A72が30W、Xeon-e5 2660 v3が105Wで、同等性能ながら消費電力は三分の一程度です。Intel CPUにはソフトウェアの資産があるので、ARM CPUが使われる事例は多くありませんが、サーバ用途でも十分な性能が得られるようなので、ARMサーバが本格的になるかもしれません。
今週は、このあたりで。また、来週。