Windows 10は最小限の手間でAndroidアプリが動く
米Microsoftは、4月29日から5月1日まで、サンフランシスコで開催されていた開発者向け会議「Build 2015」で、驚くべき発表をいくつか行いました。
まずは、.NET CoreのMacおよびLinux版を公開しました。
公開された.NET Coreは、.NET Frameworkのサブセットで、GitHubでオープンソースで公開されています。.NETでマルチプラットフォームの互換環境としては「Mono」がありましたが、Microsoft自身が取り組みを始めたことになります。
次に、MacおよびLinux用のコードエディタ「Visual Studio Code」が発表されました。最近流行りのNode.js+HTMLレンダリングエンジンの組合せで開発されたテキストエディタです。こちらも、プレビュー版がダウンロードでき試せる状態になっています。
最後が一番大きな話です。
Windows 10では、AndroidアプリのJavaとC++のコードを流用して、ユニバーサルアプリが開発できます。また、既存のコードをベースに、Windows APIを使うことで、Windows特有の機能(ライブタイルやWindows検索)を短時間でアプリに追加できるとしています。ポイントは、OSがアプリをエミュレートして動作しているのではなく、開発ツールがAndroidとWindowsの違いを吸収します。できるだけコードを共用化して、Windowsプラットフォームへの最適化は最小限で、ユニバーサルアプリを開発できるというワケです。
とは言え、AndroidとWindowsは、まったく異なる思想で開発されたOSです。
それぞれの違いをSDKレベルで吸収するとは言え互換性が気になります。これに関しては、現時点で議論することはできず、今後明らかになっていくはずですが、Androidはオープンソースで開発が行われているので、比較的高い互換性が保たれると考えられます。
もうひとつ、iOSアプリもAndroidアプリと同様に、コードを流用してユニバーサルアプリが開発できるようになります。こちらは、SwiftではなくObjective-Cをサポートします。iOSは、オープンソースで開発されているワケではないのでAndroidよりは状況が面倒です。SDKがリリースされていないので憶測でしかありませんが、Androidの方よりも互換性が問題になる可能性はあります。また、進化するiOSに対して、法的に問題のない手法を取り、どれくらいの頻度でフォローしていくのかも気になるところです。
マルチプラットフォームの開発ツールは、思い切った開発ができないものが多く、結局、ネイティブの開発環境を使う必要がありました。Microsoftの開発ツールには定評があります。これのデキが良ければ、Windowsが置かれている状況が大きく変化する可能性があるので注目です。
Playストアに、A/Bテストが実施できる新機能を追加か?
Goolgeは、PlayストアのアプリページでA / Bテストが行える機能の追加を予定していると。The Informationが匿名のアプリ開発者から情報を得たと伝えています。
A/Bテストとは、異なる内容を2つ用意して、どちらの方が高い効果が得られるのか評価するテスト手法です。今回の機能追加では、ページに掲載するプロモーション画像はもちろんのこと、価格やアプリアイコン、説明文も別々に用意することができるようです。また、テスト効果を評価するツールの提供も計画されるようです。
こうしたツールが用意されているアプリストアはありません。良い結果を得るために、試行錯誤を繰り返すにしても効率的に進めることができるので、アプリ開発者にとっては朗報です。
このA/Bテスト機能は、5月28日(現時時間)から開発されるGoogle I/Oで発表されるとされています。
今週は、このあたりで。また、来週。