Android Weekly Topics

2015年5月第5週AndroidベースのIoT機器向けOS、準備中

AndroidベースのIoT機器向けOSを準備中

GoogleがIoT機器向けの新たなOSを開発しているとThe Informationが伝えています。

新たなOSの開発コードネームは「Brillo」と言われており、リリース時にはAndroidブランドが付けられて、ファミリに新たなバリエーションが加わることになります。

Google I/Oで詳細が明らかにされる可能性はありますが、超低省電力で画面を持たず、32~64Mバイトのメモリを搭載する機器で、ガーデンセンサや照明制御などに使われることを想定しているようです。

IoT機器の開発に、Androidアプリ開発で得たノウハウや経験が活かせるのであれば、これまでよりスムーズに、そしてハイペースに開発を進められる可能性があります。また、ヘルスケアアプリなどは機器として提供されているほうが使いやすいので、いまスマートフォンで使っているアプリは姿を消して、IoT機器として提供される日が来るのかもしれません。

Firefox OSにチャンスはなかったのか……戦略見直しへ

MozillaのCEO Chris Beard氏は「25ドルという安さだけでは、市場を牽引できなかった」とこれまでの戦略失敗を認めるメールを従業員宛に送ったとCNETが伝えています。

25ドルのFirefox OSフォンが公表されたときは、電卓のようにスマホもスーパーのレジ横の棚で売られる時代が来て、一気にコモディティ化するかもしれないと興奮しました。しかし、評価したのは専門家だけで、ユーザは冷ややかな反応だったことになります。

これで、MozillaがFirefox OSの開発を終了するワケではなく、今後は、価格面を重視した戦略からユーザエクスペリエンスを重視する戦略への切り替えが行われるようです。

iOSやAndroidと比較するとユーザエクスペリエンスの面で見劣りするのは事実です。

こうしたハンデはあるものの、開発途上国のユーザに対して低価格を武器に需用を喚起することで、市場を占有すできると考えたのかもしれません。価格面はともかくとして、スマートフォンが欲しい開発途上国のユーザには、Firefox OSが魅力的に写らなかったと言えます。

スマートフォンを所有すること自体がステータスとなる市場では、ハイエンド端末と比較して見劣りし、言い訳しながら使う必要がある端末よりも、見栄えがして所有欲を満たす端末を欲しがっていることになります。こうした意味では、ユーザエクスペリエンスを重視する戦略に切り替えたMozillaは、これまでの経験と反省を踏まえているように見えます。

ユーザエクスペリエンスを重視するの意味は、Firefox OSによりリッチなユーザインターフェースを搭載するだけではなく、対応アプリの強化やサポート面も含まれるはずです。技術面では、HTML5でアプリが開発できたり、Webとアプリの境目をなくすと言ったコンセプトは興味深いものですが、こうした面は開発者にしか響かないので、ユーザに向けてFirefox OSらしさをわかりやすく伝える努力を続ける必要もあるはずです。

25ドルスマホの戦略は仕切り直しになりましたが、ハイエンドスマホが行き渡り、ぶり返しのような現象が発生して、シンプルな端末を求めるユーザが居る先進国をターゲットにするのも面白いかもしれません。先進国向けには、ほどよいスマホが姿を消しつつあるので、カジュアルに使えるスマホがあっても悪くはないはずです。

HTMLでアプリを開発するOSは、webOSやTizenなどがあります。いずれも不遇なOSとなっていますが、Firefox OSもこれらと同じ運命をたどることになるのか、Mozillaが次の一手をどう出してくるのか気になるところです。

今週は、このあたりで。また来週。

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