これからはAndroid Studioで開発しよう!
Googleは、Eclipseのプラグインとして動作していた「Android Developer Tools(ADT)」の開発終了と公式サポートを、2015年内で終了するとアナウンスしました。
2013年にAndroid Studioが登場した段階で、将来的にはこれに切り替わることは分かっていた話です。また、開発ツールが2種類あるのも混乱の元でした。2年間の移行期間を終えて、ようやくAndroid Studioに一本化されることになります。
Eclipse ADTのプロジェクトをAndroid Studioへ移行するのは簡単です。
Android StudioのFileメニュー > New > Import Projectから移行できます。また、英語ページになりますが移行ガイドが用意されています。目を通しておくことで、トラブルが発生した時の対処が早くなるはずです。
Android Studioには、DDMSやTrace Viewerなどのツールがなく、NDKを使った開発が行えませんが、これらは数ヵ月以内には可能になります。
Eclipse ADTは、Googleによるメンテナンスは終了しますが、なくなってしまうワケではなく、Eclipse Foundationに引き継がれて、オープンソースプロジェクト「Andmore」として開発が行われます。
OSをAndroidからSailfish OSに切り替える初の事例
端末の裏側にE-Inkディスプレイを搭載する2画面のスマートフォンを開発するロシアのYotaが、今後、自社の端末に搭載するOSをAndroidから、Jollaが開発するSailfish OSに切り替えることを明らかにしました。
Sailfish OSは、なにものにも似ていない斬新なUIとデザインが特徴のOSで、これを開発しているJollaのメンバーは、NokiaでMeeGoを開発していたエンジニアで構成されています。AndroidからSailfish OSへの切替は、無謀にも思えますが、Androidアプリの動作を公式にサポートするので、Yotaが開発した独自アプリも苦労することなく動作すると思われます。
Yotaが、Sailfish OSに切り替える理由は2つ考えられます。
1つは、Yotaが販売する端末はGeek向けです。端末を欲しがる人たちには行きわたったので、今後はSailfish OSに変えて売ってみようとした販売戦略の1つと考えられます。
もう1つは、このままAndroidデバイスの開発を続けて、その他大勢の地位に甘んじるくらいであれば、独自性の強いSailfish OSに切り替えて、ハードウェアだけではなく、ソフトウェアでも個性的な端末にすることを考えたのかもしれません。
前者は単純過ぎますが、後者はこれまでの経験値を捨てて、移行コストを見る必要があるので、Yotaにとっては大きな決断となったはずです。もう1つ、Jollaはタブレット用のSailfish OS 2.0の開発を進めています。Yotaは、これに目を付けて切り替えを決断したのかもしれません。
Yotaのシェアを考えれば、今回の切り替えがうまく進んでも、大きなインパクトにはなりません。よって、他のベンダが追従してSailfish OSへの切り替えが起こるとは考えられませんが、Androidでは閉塞感があるのも事実なので、今後の動きを注視しておきたいニュースです。
今週は、このあたりで。また、来週。