Apple WatchにつられてAndroid Wearも売れている?
2015年Q2(4月から6月期)に、世界で販売されたスマートウォッチの出荷台数を米調査会社ストラテジー・アナリティクスが7月22日に公表しました。
この調査結果によれば、販売総数が530万台で前年の同時期の100万台から大幅に増えています。このうち、Apple Watchが75%を占めており400万台以上販売されたことになります。残りの25%は、Apple Watch以外のスマートウォッチということになりますが、これでも100万台になります。Android Wearの2014年の総出荷台数が72万台だったので、2015年Q2の時点で2014年の結果を塗り替えている可能性があります。
2015年に入ってからのAndroid Wearは、Apple Watchの発売前に大幅アップデートが実施されました。これ以外では、LG Watch Urbaneが発売になったくらいで、目立った動きはありません。Apple Watchにつられて売れていると書けば、悪意があるようにも感じますが、Apple Watchがスマートウォッチ全体の知名度を押し上げて、良い効果をもたらしていると言えます。
Android Wearの販売が上向き始めたと言え、Apple Watchとは4倍の開きがあります。スマートウォッチ用のアプリ開発は、当面はApple Watchだけを考慮すればよくて、軌道に乗ったらAndroid Wearを検討する流れで良さそうです。
出揃いはじめるのか? Android AutoとCarPlay
米ホンダが2016年モデルのアコードに、Android AutoとApple CarPlayの両方に対応した車載機を搭載します。
2014年のGoogle I/OでAndroid Autoが発表された時には、2014年内にこれを搭載した量産車か車載機が登場すると思われました。しかし、正式スタートが2015年3月だったために、2015年5月に発表された2015年モデルのHYUNDAI Sonataが最初の搭載車となりました。ただ、売る側の立場から見るとAndroid AutoかCarPlayのどちらか一方の対応では、売る相手を選ぶので両方に対応する必要があります。今回の2016年モデルのアコードで、ようやく現実的な解答を持ったクルマが登場することになります。
ようやく出揃いはじめた感がありますが、いずれもアメリカでの話です。
たとえば、Android Autoは、発表から1年以上が経過しますが、アメリカ、イギリス、オーストラリアでしかスタートしていないこともあり、国内の自動車メーカからは搭載車が登場していません。(パートナー企業は、ホンダ、三菱、スバル、マツダ、日産、スズキとトヨタとダイハツ以外は名前を連ねています)クルマの開発サイクルからすれば、1年は短いのかもしれませんが、自動車メーカがIT技術の取り込みに時間がかかるのは毎度のことなので、まずまずな出足とも言えます。
車載機では、パイオニアが販売するCarPlay対応のSPH-DA700が唯一で、AndroidAuto対応の車載機は未発売です。Android Autoがスタートしているアメリカ、イギリス、オーストラリアでも、パイオニアの車載機のみが販売されているだけで、選択肢があるワケではありません。Android AutoやCarPlayともに、高度な車載機が多い日本で、最初にはじまりそうですが、現状のカーナビの置き換えとして見ると魅力的でないのが理由かもしれません。
しかし、登場すれば、これまでの車載機では手が回らなかった事故対応や自動車保険などの分野で活用が期待できます。
たとえば、事故対応アプリに、事故時に関係各所への連絡や位置情報を送信できる機能を持たせれば、もしもの時の安心と支えになります。また、自動車保険では、ソニー損保が「やさしい運転 キャッシュバック」として、専用の車載機で運転状況をモニタリングして、安全運転をしていると評価できるドライバーには割引を行うサービスを行っています。同じことは、専用の車載機を用意することなくアプリだけで実現できるはずです。また、気象情報を活用して注意報警報が出ている時に、冠水や崖崩れの可能性がある危険箇所に近づいたら警告を出して、回避方法を提示する等も考えられそうです。
外部のアプリを追加できるプラットフォームだからこそ、こうした利用方法も考えられます。話題先行で、進みが遅いインフォテインメントシステムですが、2015年の終わりには、どれかひとつでも実現されると良いのですが。
今週は、このあたりで。また、来週。