Android Weekly Topics

2015年8月第2週Stagefright問題へのベンダ各社の対応状況

「Stagefright問題」に対する各社の動き

前回取り上げたStagefrightエンジンの脆弱性は、95%の端末が対象となります。Androidメーカは、重大事案として捉えており対処の動きがはじまっているので、各社の対応状況をまとめておきます。

Googleの対応状況

Googleは、Stagefright問題を修正したAndroid 5.1.1(LMY48I)のファクトリーイメージを公開しました。原稿執筆時点では、Nexus 4 / 5 / 6 / 7 / 9 / 10向けのファクトリーイメージが公開されています。しかし、Nexus 7 3G/LTEモデルとNexus Player用のファクトリーイメージは公開されていません。

今回のようなAndroidのセキュリティ問題に迅速に対応するために、Googleは、Nexus 4 / 6 / 7 / 9 / 10 / Playerに対して、アップデートを毎月提供すると発表しています。とは言っても永久に、セキュリティ・アップデートが提供されるワケではなく、端末発売から3年間かPlayストアで端末の販売が停止してから18ヵ月までが対象期間に設定されており、OTAで配信されることになっています。8月5日からは、Stagefright問題を修正したアップデートの配信が始まっています。

Motorolaの対応状況

Motorolaは、アップデートの対象となる端末をホームページで明らかにしています。また、キャリア提供のモデルに関しては、テストが終了次第、順次公開されることになっています。Motorolaは、国内展開していないので多くの人たちにとっては無縁ですが、素早い対応を取っています。

Samsung、LG、HTC、SONYの対応状況

メーカのアナウンスではありませんが、ラスベガスで8月1~6日に開催された「Black Hat USA 2015」のカンファレンスで、Samsung、LG、HTC、SONYの主力モデルに対しては今月中にアップデートが提供されることが紹介されました。いずれのメーカも国内で展開しており、Galaxy S6やXpeia Z3などにはアップデートが提供されることになりそうです。Black Hat USA 2015は、悪意を持った者の視点でセキュリティを考えるカンファレンスです。

Samsungは、Googleと同様に毎月1回程度のセキュリティアップデートを提供することをアナウンスしています。Samsungの端末を使うユーザは安心して使えることになりますが、キャリア提供のモデルが多いメーカでもあります。キャリア経由のアップデートは、迅速に行われているとは言えないので、適切なタイミングでセキュリティアップデートが提供されるのか気になるところです。

国内メーカの対応状況は?

国内メーカに目を向けるとSONY以外は動きが見えません。

Googleは、Androidメーカに対して毎月セキュリティ・アップデートを提供しているので、いずれのメーカもStagefright問題に対応できるはずです。

こうしたアップデートは、直近の利益につながらないので後ろ向きになりがちです。しかし、先進国のスマホ市場は飽和しており、短期的に大きな利益を生むこと自体が難しくなっています。こうしたアップデートは、顧客満足度を向上させる取り組みのひとつと考えて、長期的な視野で見て取り組んで欲しいものです。また、スマホが生活する上で欠かせないものと考えているのであれば、対応時期だけでも明確にすべきです。

今週は、このあたりで。また、来週。

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