Android OSとChrome OSは、2017年に統合か
10月29日に、『Wall Street Journal』がAndroidとChrome OSが統合されると情報筋からの話として報じています。
情報筋からの話によれば、2年ほど前からAndroidとChrome OSの統合に取り組んでおり、その成果は2017年に登場するだろうとしています。
2014年にはChrome OSが米国で急成長して、ノートPC市場の約2割を占めることもあり存在感を強めていました。この頃は、WebブラウザとWebアプリですべての作業が完結すると考えられていた時代背景も追い風となっていたはずです。しかし、多くの試行錯誤が行われた結果、Webアプリでネイティブアプリを超えるユーザ体験を提供できないと考えられることも多くなり、適材適所で使い分けられるのが一般的となりました。たとえば、メールやグループウエアなどはWebアプリが一般的となりましたが、モバイル向けのアプリは、Webアプリを見かける機会は少なくなり、ネイティブアプリが多数を占めるようになりました。
事実、Chrome OSをターゲットにしたWebアプリの数は増えることはなく、アプリ不足を補う策として、Android OS用のアプリをChrome OSに移植するツールが公開されるなど苦労している様子がうかがえます。また、統合となればAndroidに一本化されるはずで、Chrome OSのコンセプトはAndroidの中で活きることになるのかもしれません。
Google幹部は、Chrome OSに引き続き全力で取り組むとTwitterを通じて語っているので、当面はChrome OSの開発も続けられるはずです。しかし、これまでの歴史を振り返ってみてもシンクライアントが市場に広く受け入れられたことはないので、Chrome OSも同じ道を歩みはじめたのかもしれません。
初期のOS XやiOSのUXデザイナーがHuaweiの幹部に就任
Huaweiは、AppleでMac OS XやiOSなどのUXデザインを手掛けたAbigail Sarah Brody氏が同社に入社したことを発表しました。
Abigail Sarah Brody氏は、2001年から2011年までAppleに在籍しており、Max OS X 10.2、iOS 1、Aperture、Final Cut Pro、Logicなどのプロダクトを手掛けていました。Huaweiでのは、UXデザインチーフ兼副社長のポジションです。
スマートフォンやタブレットは、生活に溶け込んでおり日用品のように扱われていますが、生活家電とは比べものにならないほどの複雑性を持っています。たとえば、いくつかの複雑に絡み合う要素を簡潔に表現するのは簡単なことではありません。ひところもてはやされた引き算のアプローチもひとつだとは思いますが、これは、普及期に有益なアプローチで成熟期には決定的な解決策にはなりません。こうなるとキーパーソンの持つ思想の元でデザインされて、筋が通った製品に仕上がっていることが、わかりやすさやブランド力を表現する力となります。
Huaweiは、OEMメーカから脱却すべく自社ブランドのスマートフォンやタブレットの販売に力を入れていますが、同社の製品を見る限りは混沌としている印象を受けます。今後は、Abigail Sarah Brody氏の力で整理が行われて思想の反映された製品が登場してくるはずです。同氏のような人物を重席に置いているのは、中国メーカではHuaweiが始めてかもしれません。ZTEやOnePlus、Meizuなども自社製品の存在感を高めるために、あとに続くことになるかもしれません。
今週は、このあたりで。また来週。