Android Dev Summitが開催
11月23日から24日に、米マウンテンビューで「Android Dev Summit」が開催されました。
聴きなじみのないイベント名ですが、それもそのはずで今年が初開催になるイベントです。会期中は、Androidアプリの開発に関わるセッションがGoogleのエンジニアによって行われました。公式ホームページには「deep technical sessions」との記載が見られるので、Androidアプリ開発に関する深い話ができる濃い2日間だったはずです。また、Googleらしくセッション内容やライブストリーミングのビデオがYouTubeにアップロード(20本程度)されています。これを見れば、セッションの内容やイベントの雰囲気を感じるとることができます。
Android Studio 2.0のプレビュー版が公開
さて、このイベントでAndroidアプリの統合開発環境の最新版「Android Studio 2.0」のプレビュー版が公開されました。すでに「Android Tools Project Site」でダウンロードが可能です。Windows、Mac、Linux版が用意されているので、お手元の環境に合わせて試すことが可能です。
Android Studio 2.0のトピックは、高速化された新しいエミュレータの搭載とInstant Runになるので順にご紹介していきます。
高速化と使い勝手が向上したエミュレータ
これまでのエミュレータは、使い勝手もさることながら、速度に関してはお世辞にも褒めることができない代物でした。なにせMicrosoftが自前で開発したAndroidエミュレータをリリースするくらいです。
Android Studio 2.0に搭載されるエミュレータは、ドラッグで画面サイズが変更できたり、画面の縦・横の設定もその場で変更すれば、すぐに反映されます。また、動作速度は最新のハードウェアで実行すれば、どの物理デバイスよりも高速に動作するとアピールしています。この新しいエミュレータは、デプロイスピードも高速化されています。たとえば、ADB pushのスピードがAndroid Studio Emulator 1.0の1,293KB/Sから、Android Studio Emulator 2.0では44,394KB/Sまで高速化された結果が公開されています。
注目のInstant Run
「Instant Run」と呼ぶ新技術も注目です。これは、開発途中のアプリをエミュレータで実行している最中に、IDEでソースコードやリソースなどを変更するとすぐさま実行中のアプリに反映される仕組みです。この反映時間は、標準的なアプリであれば3秒程度とされています。Instant Runを使えば、ユーザインターフェースの構築など、トライ&エラーで動きを確認しながらの開発は効率良く進められます。
脱Eclipseを狙うAndroid Studio 2.0
Android Studio 2.0は、これまで築いた基盤を継承して、さらなる高速化と安定して動作する「高度な安定性」を目標に開発が進められているようです。
今回の発表された成果を見る限りは、十分達成していると思われますし、仕上がりを見る限りは、今年限りでサポートが打ち切られるEclipseを使い続ける理由が見つかりません。Eclipseをお使いの方は、そろそろ切り替える時期なのかもしれません。
今週は、このあたりで。また来週。