Android NからOpen JDKへ切り替え
VentureBeatが昨年の12月29日に、Androidの次世代OS「Android N」からJavaのライブラリを「Open JDK」へ切り替える予定であることが判明したと伝えています。
Open JDKへの切り替えは、VentureBeatがGoogleに確認したことで明らかになりました。これにより、Oracleが特許権を主張するコードの使用を避けることができて、GoogleとOracleの間で続いているJava特許・著作権訴訟を終演させるのが目的と見られています。
GoogleとOracle間の訴訟は、2010年より続いており2014年にOracleに有利な判決がくだされたことを受けて、Googleが最高裁判所に上告しますが2015年6月に棄却されています。この結果を受けてGoogleは、法廷での争いを続けたい意向を表明しており着地点を見出す気配すらない状況です。
AndroidのJavaライブラリはApache Harmonyベースの独自実装で、Javaの仕様に似たものとなっています。Androidにどっぷり浸っていると気になりませんが、言語仕様の統一が強みのJavaにとって、Androidの存在は目の上のたんこぶとも言えます。これが特許・著作権訴訟の火種とも言えるので、Open JDKへの切り替えで言語仕様の統一に関しては解決されることになります。しかし、Oracleの最終目的は、自社の知財に対して正しい対価を求めることだと思われるので、Open JDKに切り替えたことで、すべて解決となるのか不明瞭な部分もあります。ただ、Googleは、このタイミングで独自実装のライブラリを捨てて、Open JDKに切り替える行動を取ったということは、ライセンス料の支払いと和解を行い賠償金の支払いは免れようという考えなのかもしれません。
Android Nは、今年の6月に登場してくると予想されています。アプリ開発者の目線でみれば、Open JDKへの切り替えに伴い既存アプリの書き換えがどの程度発生するかなど気になる部分もあるので、Android Nと共に注目しておきたいニュースです。
デスクトップ向けRemix OSが登場
Androidにマルチウィンドウ機能を追加したRemix OSを開発するJideが、PCおよびMac向けのRemix OS 2.0を1月中旬にリリースする予定と発表しました。
Remix OS 2.0は、Jideが開発・販売するAndroid PC「Remix mini」でしか動作しませんでしたがPCやMacでも使えるようになります。これは、Android-x86をベースに開発されており、エミュレーターのようなものでなく既存のOSを置き換える形で使うことになります。Jideは、Remix miniのような独自ハードウェアも開発していますが、自らはソフトウェア企業と言っているので、x86版のRemix OSが登場するのは当然の流れと言えます。
筆者は、Remix miniでRemix OS 2.0を使っていますが、バージョンアップを重ねる度に快適に動作するようになっています。また、中途半端だった日本語化もユーザーからフィードバックを受けているのか、それの度合いが進み正しい翻訳になり使いやすくなりました。Remix OSは、Androidアプリとの互換性も高く使えないものはないので、x86版も同じレベルのものがリリースされると思うと楽しみです。
唯一の不満といえば、Remix miniで使っているとJavaScriptを多用したウェブページなどを見る時に遅いと思うことくらいです。これもRemix miniのcortex A53とは比較にならないパワーを持つIntelのCore iシリーズで実行すれば不満のないものになるはずです。まだ、詳細は明らかになっていませんが、USBデバイスからブートする形で使えるようなので気軽に試すことができそうです。リリースが楽しみです。
今週は、このあたりで。また来週。