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2016年3月第5週iPhone SE登場、Android陣営はどうなる

Nexus 5Xに強敵現る~「iPhone SE」が登場

4インチディスプレイのiPhone SEが登場しました。

端末のデザインは、一世代古いiPhone 5シリーズと同じものですが、中身は最新のiPhone 6s相当です。これが物議をかもしており、忠誠心が高いと言われるAppleファンでさえも熱狂的に受け入れる者もいれば、否定的に受け入れている者もおり意見が分かれています。Appleの新製品は、好意的に受け入れられることが多かったことを思えば、今までにない反応のされ方です。

このiPhone SEは、Androidのユーザにも関係のある端末で、もしかするとAndroidキラーになる可能性があります。たとえば、iPhone SEの16GBモデルの価格は399USドルです。画面サイズが違うとはいえ、Nexus 5Xの16GBモデルは379USドルなので同価格帯の設定です。Nexus 5Xだけではなく、この価格帯にはハイエンドからミドルレンジのAndroid端末が多くひしめき合っています。この中に強敵が現れたと言っても良いかもしれません。

これまでは、価格重視でスマートフォンを選ぶとAndroidになり、これが強みの1つでした。しかし、ここにiPhone SEが割り込むことになり、AndroidではなくiPhone SEが選ばれる可能性もあるので、Androidファンにとってはまったく関係ないとは言えない端末です。

もう1つ、Apple Watchが299USドルに値下げされたのも見逃せません。

これは、日本語での発売が予定されているMoto 360(2nd Gen)と同価格です。スマートウォッチは、AndroidかiPhoneのどちらを使っているかで、Android WearかApple Watchを選ぶことになります。直接的なライバルにはなりませんが、これまで1つ上のレンジの価格だったApple WatchがAndroid Wearと同価格帯になったのは見逃せません。

Google、root化できる脆弱性に対して緊急セキュリティアップデートを実施

Googleは、3月16日付けでNexusシリーズすべてを対象に緊急のセキュリティアップデートの配信を開始しました。

発見された脆弱性は、悪意のあるアプリが端末のroot権限を奪えるもので、この脆弱性を突いたアプリがGoogle Playに出回っており、悪用されていることを「セキュリティ企業Zimperium」がGoogleに報告して発覚しました。対象となるのは、Android 4.2からAndroid 6.0を搭載する端末です。Linuxカーネルバージョンは、3.4/3.10/3.14が対象で3.18以降は対象外です。

2016年3月に発表されたAndroidのバージョン別シェアを用いると、86.9%の端末が対象です。対象端末を使うユーザは、Google Play経由でも、不要なアプリのインストールを避ける、または、セキュリティアップデートが実施されるまで、新規でアプリをインストールしない等の対策を行って自衛してください。

Google Playのほうは、定期的にスキャンして、ユーザの安全を脅かす可能性のあるアプリを検知する「Verify Apps」を使って問題のアプリを排除済みで、ユーザはインストールできなくなっています。

緊急セキュリティアップデートの対象となったのはNexusシリーズのみですが、パートナー向けには3月18日付けてセキュリティアップデートの配布を開始しています。4月2日に実施されるセキュリティアップデートを行えば問題が修正されるとしています。

この脆弱性は、Linuxカーネルに含まれていたもので、2014年4月と2015年2月の2回に渡って修正が行われた既知の問題です。Linuxカーネルは、修正が行われて問題が解消されましたが、Androidで使われているLinuxカーネルには修正が適用されていない状態でした。Googleは、次回の月例アップデートに修正が含まれていたとしていますが、重大問題を1年以上も放置していたことに対して、風当たりがきつくなることを嫌い、緊急セキュリティーアップデートを実施したのかもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。

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