開発言語をJavaからSwiftへスイッチか?
GoogleがAndroidアプリの開発に使うプログラム言語を「Java」から「Swift」へ切り替えることを検討しているとThe Next Webが伝えています。
Swiftは、Appleが作ったプログラミング言語でWWDC 2014にて発表されました。2015年12月にオープンソース化されるなど注目を集めています。
今回の話の発端は、2015年12月にGoogle、Facebook、Uberの代表がロンドンでSwiftに関するミーティングを開催し、SwiftをAndroidの「first class言語」として採用することを検討するとしたことです。「first class言語」をどう受け取るかですが、開発言語として採用しているJavaからSwiftに切り替えるには、ライブラリやSDKの整備などが必要になり簡単な話ではありません。また、Swiftを使うようになって、ターゲットCPU用に、コンパイルされたバイナリが使われるようになれば、開発環境やOSだけではなくハードウェアまで影響範囲が広がる可能性もあります。
次期OSのAndroid Nでは、OpenJDKベースの実装になりJava 8と互換性が高まることが期待されています。しかし、プレビュー版と公開されているAndroid Nは、OpenJDK 7をベースの実装でJava 8のクラスライブラリの一部が移植されている程度です。次期OSでさえもこの状況なので、Swiftに切り替えることになれば、この比ではないくらいの時間と労力が必要です。また、開発者の理解や教育にも時間をかける必要があり、こうした蓄積も放棄することになります。
また、Google謹製のプログラミング言語にはGo言語があります。OracleとのJava訴訟が始まったころは、Go言語がJavaに変わってAndroidの開発言語になるのではないかと見られた時期もありました。しかし、この数年間でGo言語が広く普及したわけではなく、iOSでも使われるSwiftの対抗馬にはなりません。
突然出てきた衝撃的な話題ですが、こうして見ていくと現実的ではない部分が多くあります。「first class言語」の理解はさまざまですが、Swiftであれば制約が少ないので、Android用として簡単に使えるようになると言った程度の話で、これに尾ひれが付いて大きな話となってしまっただけなのかもしれません。
Android Studio 2.0の正式版がリリース
4月8日に、統合開発環境の「Android Studio 2.0」の正式版がリリースされました。
Android Studio 2.0は、2015年11月にプレビュー版が公開されて開発が進められていました。正式版のリリースは、5月18日から開催されるGoogle I/Oかと思われましたが、これを待たずのリリースとなりました。
Android Studio 2.0では、大幅な高速化に加えて、ソース修正後もリビルドすることなくデバッグできる「Instant Run」や3倍高速化された「Android Emulator」、OpenGL ESのデバッガー、IntelliJ 15が統合されています。
プレビュー版やベータ版のため、利用を避けていた方もようやくメイン環境として使うことができます。
従来のEclipseベースの開発環境は、2015年末でサポートを終了すると、2015年6月末にアナウンスされているので、Android Studio 2.0へ移行する良い機会と言えます。さまざまな事情で簡単には移行できない方は、ADTを引き継ぐ形で「Andmore」プロジェクトが立ち上がっているので、こちらをウォッチしておくと良いかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。