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2016年6月第1週Android Wear 2.0最新動向

初の大型アップデート:Android Wear 2.0

今回は、Google I/O 2016で明らかになった「Android Wear 2.0」を取り上げます。Android Wearは、2014年3月18日にリリースされてから、初めての大型アップデートとなるので期待が持てます。

Android Wear 2.0で新しくなったのは「スタンドアロンアプリ」⁠新システムUIとMaterial design for wearables」⁠コンプリケーションAPI」⁠インプットメソッド」⁠新しいスタイルの通知」⁠Google Fitプラットフォーム」⁠Android Nへの対応」となっています。

なかなか意欲的で広範囲なので、今回は以下に絞って順に見ていきます。

  • スタンドアロンアプリ
  • 新システムUIとMaterial design for wearables、新しいスタイルの通知
  • インプットメソッド

スタンドアロンアプリ

Android Wear 2.0では、アプリがBluetoothまたはWi-Fi、モバイル通信を使って、直接インターネットに接続できるようになります。これまではData Layer APIを使って、スマホ経由でインターネットへアクセスする形をとっていました。たとえば、SNSやGmailなどの通知を受けるには、スマホとセットで使う必要がありました。Android Wear 2.0からは、Wi-Fiに接続できる環境や端末にモバイル通信機能が内蔵されていれば、スマホとセットで使わなくても通知が受けられます。

これだけではなく、直接インターネットに接続できるようになれば、ストリーミング系の音楽サービスがAndroid Wear単体で楽しめます。CNETがYouTubeに公開しているムービーでは、Spootifyから音楽をストリーミング再生している様子が見られます。以下の動画の2分10秒くらいからです。

デモムービーでは、腕時計のスピーカーで音が再生されていますが、実際はBluetooth接続のイヤホンを使うことになるはずです。使い勝手次第では、音楽や音声系のサービスをスマートウォッチで楽しむスタイルが定着する可能性があります。

新しいシステムUIとMaterial design for wearables、新しいスタイルの通知

Android Wear2.0では、システムUIが大幅に見直されています。

たとえば、新しいランチャーや設定画面のUIは、円形のディスプレイに適したデザインに変更されています。

また、通知UIも円形ディスプレイに適したものに変更されています。

これまでは、画面の下部分に表示されているメッセージの両端が見切れていました。

メッセージのテキストがセンタリングして表示されるようになり、できるだけ見切れないような工夫がされました。また、通知メッセージの終わりに操作アクションが付加できます。これは、これまで通知を表示した状態で、左にスワイプした時に表示されたアクションに相当するもので、画面が切り替わって、操作対象が分からなくなるのを防ぐために見直しが行われたと考えられます。

もうひとつ、ウェアラブルデバイス向けのMaterial Designが定義されました。

これは、2016年5月第3週で取り上げた「GoogleがMaterial Designの仕様を更新」でも取り上げたように、良い例と悪い例を並べて考え方を説明しており、非常に分かりやすい内容となっています。UXを担当するデザイナーは、いちど確認してみることをお勧めします。

インプットメソッド

もっとも大きな変更点と考えることもできるのがキーボードの追加です。

これまでのAndroid Wearでは、文字入力の方法がなく、メッセージに対して返事を返す時も定型文の送信だけでしたが、Android Wear 2.0では、スワイプキーボードと手書き入力が追加されて、任意のテキストで返信が可能です。これで、スマートウォッチがコミュニケーションツールになる可能性があります。

音声入力ではなく、キーボードが使われることになったのは、残念な気持ちはありますが、落ち着くところに落ち着いた感はあります。気になるのは日本語入力がどうなるのかですが、フリック入力をそのまま移植してしまえば、英語圏のキーボードよりも使えるものになるのではないかと考えます。

まとめ

Android Wear 2.0は、スマホの機能のうちいくつかをスマートウォッチ側で置き換えられてしまう可能性のあるアップデートです。人の習慣は簡単に変わるものではないので、急激に変化することはありませんが、Android Wear 2.0がそのそのキッカケを作ることになるかもしれません。

今週は、このあたりで。また来週。

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