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2016年6月第3週Android 6.0 Marshmallowが10%超え――Androidのアップデート環境を取り巻く状況

Android 6.0 Marshmallowのシェアが10%を超えたことが、Googleが開発者向けに公表しているプラットフォーム別シェアで分かりました。

この調査結果は2016年6月に行われたものです。2016年5月の調査では7.5%、同年の4月の調査では4.5%となっています。Android 6.0 Marshmallowのリリース後、8ヵ月目で10%を超えるシェアを獲得したことがわかります。

シェアの増加は、Android 6.0へアップデートされた端末が増えたためと考えられます。しかし、シェアを大きく占めるプラットフォームは、Android 5.0/5.1 LollipopやAndroid 4.4 KitKatです。今秋にリリースが予定されているAndroid Nも、Android 6.0 Marshmallowと同様に、半年程度は数パーセントのシェアにとどまり、その後、アップデートでシェアを伸ばしていくと考えられます。アプリ開発者は、最新OSがリリースされてから、ユーザ動向や利用状況を確認したあとで、対応アプリをリリースしても遅いということはなさそうです。

アップデートが遅いメーカーを公表する?

Androidのアップデートは、キャリアや端末メーカ主導で行われているので、最新のOSが使えるようになるには時間がかかるか、端末のアップデートが打ち切られることがあります。状況が異なるので同列で比較すべきではありませんが、iOS 9のシェアは9割を超えると言われています。これを見る限り、Androidユーザの10%が半年遅れで最新のテクノロジーに触れていることになり、OSの年次アップデートもむなしく感じます。

Googleは、この状況を深刻に捉えているようで、少し古いニュースにですが、キャリアや端末メーカに対して、アップデートをスピーディーに行うようにプレッシャーをかけているとBloombergが伝えています。

Bloombergによれば、Googleはアップデートに前向きではないメーカーを公表するとプレッシャーをかけて、アップデートを早期に実施するように働きかけているとしています。 セキュリティ面から見れば、複数のバリエーションが混在している状況は望ましくありません。また、最新OSがリリースの半年後に、ユーザの元に届くような状況も好ましくありません。Android Nではマルチウィンドウが使えるなど、ユーザ、デベロッパともに、新たな変化があるので足並みが揃わないのは致命的となりそうです。

月例アップデートの動きにも変化

アップデートが遅いメーカもあれば、Samsungのように月例でセキュリティアップデートを実施して、その内容を公開しているメーカもあります。このように情報公開に積極的なメーカの端末を選択すれば、ユーザーは安心して使える端末が入手できます。

こうした動きは他のメーカーにも広がっています。Nexusシリーズの製造を担当して実力を証明したLGが、自社端末のセキュリティアップデートの情報を公開するサイトを新設しています。

公開されたのは、LG製品のセキュリティ情報を掲載するサイトで、この中の「LG Security Bulletins」に月例で実際されているセキュリティアップデートの詳細情報が掲載されています。このサイトでは、Googleから提供されて適用したパッチの内容と、LGが独自に実施した修正内容が公表されています。情報開示までは何とかなったとしても、独自の修正は体力と人員に余裕があるベンダーしか実施できないので、LGは本腰を入れてAndroidに取り組んでいるとも考えられます。

Androidの普及に伴いセキュリティ面も重要視されるようになりました。

セキュリティ情報を積極的に開示して、必要であれば独自に修正を行うメーカの姿勢は高く評価されるべきものです。こうした動きを見ると、GoogleはOSのアップデートに対して前向きでないメーカを吊し上げるようなことをするよりも、SamsungやLGのように、Androidに積極的に取り組むメーカーに対して、ユーザにわかりやすい形でサポートする方法を検討しても良いのではないかと考えます。

今週は、このあたりで、また来週。

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