GoogleがIoT向けOS「Fuchsia」を開発中
GoogleがIoT向けの新OS「Fuchsia」を開発中であることがあきらかになりました。
Googleからのアナウンスはありませんが、GitHubにリポジトリが作成されたことで明らかになり、多くのニュースサイトで話題になっています。GitHubのページには「Pink + Purple == Fuchsia (a new Operating System)」とだけ書かれています。
Fuchsiaは、IoT向けのOSと言われていますが、IoT向けのOSにはGoogle I/O 2015で発表された「Brillo」があります。これはLinuxカーネルを採用しており、Androidのコードから産まれたと言われています。FuchsiaもIoT向けOSですが、Linuxカーネルを採用しているのではなく、LK(LK embedded kernel)カーネルをベースにしています。これは高い応答性能が求められるRTOSに属しているので、Brilloとは補完しあうような関係になると考えられます。
LKをベースにしたカーネルは「Magenta」と呼ばれており、ユーザモードライブラリ+ユーザモードドライバの組み合わせで動作します。これは、32ビットと62ビットのARM CPUをサポートしており、近いうちに「Raspberry Pi 3」に対応することが、Fuchsiaを開発するGoogleのメンバーが明らかにしています。
Fuchsiaは組み込み機器だけではなく、スマートフォンやタブレットでも動作させることは可能とされており、AndroidからLinuxカーネルを排除した後の代替になるのではないかと推測されています。
他にもOnHubルータやGoogle Homeで使われるのではないかという推測もありますが、Wi-FiルータやスマートスピーカにRTOSを採用する価値は低いので、これとは違う別の製品に採用されることが予想できます。
もしかすると自動運転機能が搭載された将来の「Android Auto」のためにFuchsiaの開発を進めている可能性も考えられます。これであればRTOSを採用することも納得できます。
スマホOSのシェア86%をAndroidが獲得、ハイエンドに新たな動きも
2016年第2四半期におけるスマートフォンOSの世界シェアで、Androidが86%を獲得していることが調査会社Gartnerの調査で判明しました。
メーカ別のシェアでは、Samsung(22.3%)、Huawei(8.9%)、Oppo(5.4%)、Xiaomi(4.5%)となっています。Samsung以外のHuawei、Oppo、Xiaomiは中国メーカです。中国のAppleと言われたXiaomiは、その勢いを失いつつありますが、HuaweiとOppoが着実にシェアを伸ばしており、スマートフォン開発の主戦場は中国であると見ることができるデータです。
86%のシェア獲得に貢献しているのは、エントリモデルからミドルレンジモデルですが、ハイエンドモデルも売れ行きを伸ばしており、前年同期と比較して6.5%の伸びを示しています。Androidのハイエンド端末と言えば、SamsungのGalaxyシリーズでしたが、ここでも中国メーカのHuaweiやOppo、OnePlus、Meizu、LeEcoがSamsungのGalaxyシリーズにはない特徴を持つハイエンドモデルをリリースして存在感を誇示しています。
これらのハイエンドモデルは、吐出したスペックを持つハードウェアだけではなく、ソフトウェアにも力を入れています。たとえば、Huaweiの端末には「Emotion UI」、Oppoの端末には「ColorOS」とどちらもAndroidをカスタマイズしたカスタムROMを搭載しており、ソフトウェアでも自社の特色を持った端末に仕上げています。
Androidは、利益率の悪さを指摘されることがありましたが、ハイエンドモデルの売上げの伸びが続くのであれば、メーカ側もラインアップを強化する動きが活発になる可能性もあります。また、市場が成熟し始めた結果とも言え、ユーザもより品質の高い端末を求めるようになって来たのかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。