Android 7.1 Nougatのプレビュー版は10月リリース
10月11日にGoogleは、Android 7.1 Developer Previewをじきに公開する予定であることをAndroid Developers Blogで公表しました。
Android 7.1は、10月後半からAndroid Beta Programに参加している端末にロールアウトされます。また、最終リリース版は12月に提供される予定です。Android 7.1では、APIレベルが25になり以下の新機能が追加されます。
- App Shortcuts API:ホーム画面からアプリ内の機能を直接呼び出せる。iOSの3D TouchでPopの時に表示されるメニューと似た仕組み。
- Circular icons support:円形アイコンのサポート。Android Wear 2.0向けとか?Android Wear 2.0は、Android 7.1がベースなのか?
- Enhanced live wallpaper metadata:ライブ壁紙が拡張されて、URLやタイトルのメタデータが持てる。
- Image keyboard support:ステッカーやアニメーションGIFが入力できるキーボードのサポート。アプリ独自実装でしていることがあったがOSが対応する。
- Storage manager Intent:ストレージの不要なファイルを削除して、空きスペースを確保する設定画面を直接呼び出せるIntentの追加。
Android 7.1では大規模な変更は加わっていませんが、iOS 10や最近のトレンドを意識しつつ、次への展開を見込んだ機能追加やバグ修正、最適化が行われています。また、Android 7.0がリリース時に、四半期ごとのメンテナンスリリースを予定していると公表したので、開発が予定通りのサイクルで進んでいる様子がうかがえます。
いくところまで行った感はある
Android 7.1で追加された新機能は、正直なところユーザに大きな利益をもたらす機能は見当たりません。Android 6.0くらいから、不満を感じないレベルに到達しているので、ともすればAndroid 6.0とAndroid 7.0の違いが分からないという話にもなってしまいます。
2008年にAndroidが登場して今年で9年です。Androidは、Windowsが20年かけて歩んで来た道のりを2倍の速さで駆け抜けており、いまやPCよりも多くの人達が日常的に使うコンピューターになりました。ここまででAndroidは十分成熟したOSとなり、今後、現状の延長線上で行われる機能拡張は、小規模なものにとどまるはずです。しかし、Googleは進化のプロセスを止めることはしていません。
しかし、新しい「きざし」がある
Android 7.0では、大きな変化をもたらす可能性がある「きざし」があります。
たとえば、VRプラットフォームの「Daydream」は、UnityとUnrealがSDKをリリースしているのでゲームに使われるのは間違いありません。
これだけではなくパーソナルシネマとしての用途も提案されています。
VRヘッドセットを装着した状態は、周辺が遮蔽されて高い没入感が得られるので、この特性をうまく利用して、目の前に表示される大きなスクリーンで映画を楽しもうというワケです。
発表会では、Netflix, HBO, Hulu, YouTubeが対応を表明しています。
詳しいことは語られていないので、どういったものになるのかわかりませんが、場合によってはスマホで観る映画のスタイルを再定義する可能性を持っています。こうなると目の前に表示される大画面に負けないように音へもこだわりたくなります。たとえば、3Dサウンドを実現するにも、いまのスマホであれば十分な計算速度を持っています。場合によっては、GPUがサウンド処理をすることが考えられるので絵空事ではありませんし、実現すれば、大袈裟なスピーカシステムも不必要です。
VRや3Dサウンドなどは、これまでも点で存在していましたが、互いでつながりを持つことはありませんでした。しかし、スマホがハブとなって、散らばっていた点をつなぎ合わせていくことで次の可能性を造り出そうとしています。そろそろ、スマホを「端末」として見るのを止める頃なのかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。